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#完全自己満足作品
葉月瑠璃🐥
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くろいこ @イラコン開催中🎨
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さて、おもちゃの剣を背負った勇者ぴよちゃんが、四国の仲間たちと共に険しい連峰を越えようと奮闘している頃。物語の舞台は、世界を恐怖に陥れる魔王城へと移ります。
薄暗く不気味な城の最奥。そこには、おどろおどろしい雰囲気とはおよそかけ離れた、大変奇妙な空間が広がっていました。
「ほら、ぴーちゃん。特製のイチゴのショートケーキだよ。口に合うと良いのだけれど……!」
そう言って、きらきらと目を輝かせているのは魔王です。世界を支配する存在でありながら、大の「かわいいもの好き」である彼は、さらってきたぴよちゃんのお姉ちゃん・ぴーちゃんに完全にメロメロになっていました。部屋の真ん中には、特別に用意された最高級のふわふわなソファ。その上で、ぴーちゃんは穏やかに微笑みながら、差し出されたケーキを一口食べました。
「ありがとう、魔王さん。とっても美味しいです。紅茶もおかわりをいただいてもいいですか?」
「もちろん! すぐに淹れ直させよう!」
魔王は嬉しそうに声を弾ませ、すぐに傍らに控える部下へと指示を出します。
そんな二人のやり取りを、一歩引いた場所で見守っているのは、魔王の忠実な部下でした。
部下自身も、実はかわいい生き物は好きです。ソファの上でちょこんと座り、上品にケーキを食べるぴーちゃんの下へ、トコトコと歩み寄ります。
「ぴーちゃん様、こちらが新しい紅茶でございます。……それにしても我が魔王様よ、少々甘やかしすぎではございませんか? 彼女は一応、人質のはずなのですが」
部下は呆れたようにため息をつきました。世界征服の作戦会議を開くべき時間のはずが、今の魔王の頭の中は「いかにしてぴーちゃんをもてなすか」で埋め尽くされています。さすがの部下も、主の度を越したかわいいもの好きっぷりには、日々頭を抱えるばかりでした。
「何を言うんだ、部下よ! こんなに愛らしくて、見ているだけで心が洗われるような存在を、冷遇できるわけがないだろう!」
魔王は胸を張って断言します。彼はべつに、そこまで圧倒的な強さを持っているわけではありません。それどころか、かわいいものを目の前にすると、完全に気が抜けて戦うことすらできなくなってしまう性質でした。今もぴーちゃんのかわいさに骨抜きにされ、魔王としての威厳はどこかへ吹き飛んでいます。
「はぁ……。まあ、確かに。ぴーちゃん様見ていると、日々の激務の疲れが吹き飛ぶのは事実ですが……」
部下は文句を言いつつも、目の前で美味しそうに紅茶をすするぴーちゃんの姿を見て、なんだかんだと心が癒されていくのを感じていました。この空間にいるだけで、不思議と穏やかな気持ちになってしまうのです。そんな二人をよそに、ぴーちゃんは優しく微笑んだまま、心の中で冷静に現状を分析していました。
(うん、ここのソファは座り心地が良いし、お菓子も美味しい。魔王さんも部下さんも、悪い人たちではなさそう)
ぴーちゃんは大変、勘が良い子です。離れて暮らす妹のぴよちゃんが、今頃自分のために一生懸命、助けに向かって走っているであろうことも、なんとなく察していました。
(ぴよは優しい子だから、きっと今頃、一生懸命こちらに向かっているはず。……なら、無理にここを脱出する必要もないわね)
実はぴーちゃん、ただ守られるだけのか弱い存在ではありません。普段はぴよちゃんのお世話をする優しいお姉ちゃんですが、実は結構な強さを持っています。さらに、周囲には「ちょっとした超能力が使える」という噂まで囁かれていました。それがどんな能力なのかは永遠の謎ですが、本気を出せば、この魔王城から自力で抜け出すことなど造作もないことだったのです。
しかし、ぴーちゃんは口元にそっと手を当て、上品に笑いました。
(せっかく魔王さんがこうして至れり尽くせりでもてなしてくれているんだし、ぴよがここに到着するまでは、お言葉に甘えてのんびりさせてもらいましょう)
ぴーちゃんは一切口には出しませんが、実はこの状況を完全に理解した上で、魔王の好意を上手に利用し、優雅なバカンスを満喫していたのでした。
「あの、魔王さん? 次はあちらのクッキーもいただきたいのだけれど、構わないかしら?」
「お安い御用さ! すぐに持ってこよう!」
ぴーちゃんが少し首を傾げて小悪魔的におねだりすると、魔王は嬉々としてお菓子の準備へと走ります。その後ろ姿を見送るぴーちゃんの瞳が、一瞬だけ、すっと冷ややかな光を帯びたことに、魔王も部下も気づくはずはありません。
「……魔王さんって、本当にチョロいわね」
ぼそりと小さく呟かれた、あまりにも冷酷で、静かな一言。
たまたまそれを耳にしてしまった部下は、一瞬だけ背筋に冷たいものが走りました。
「えっ? ぴーちゃん様、今何かおっしゃいましたか……?」
「いいえ? 何も言っていないわ。このクッキー、とっても美味しいですね、ってお話しようとしたの」
振り返ったぴーちゃんは、先ほどの冷たさが嘘のように、いつもの穏やかなかわいらしい笑顔に戻っていました。
「そ、そうでございますか。お気に召して何よりです……」
部下は自分の気のせいだろうと自分に言い聞かせ、再びぴーちゃんのかわいさに癒され始めます。こうして、魔王城の奇妙でほのぼのとした時間は、今日もゆったりと流れていくのでした。
頑張れ、勇者ぴよちゃん。君のお姉ちゃんは、想像以上にこの状況を満喫しているようです。
コメント
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第3話読み終わったよ!魔王がイチゴショートケーキでぴーちゃんをもてなしてるの、可愛すぎて笑った(笑)「魔王さんって、本当にチョロいわね」ってぴーちゃんの小悪魔っぷりが最高すぎる。実は自力で脱出できるのに、バカンス満喫してるのもツボ。部下の困惑顔も含めて、このギャップ萌え展開めっちゃ好きだわ🔥 ぴよちゃんが到着するまでに、お姉ちゃんはどこまで甘え倒すんだろう…続き気になる!