テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
佐久間と付き合うようになってから、早いもので、もう3ヶ月が経った。
同じグループのメンバーとはいえ、スケジュールの都合が合わなければ、一緒にいられない日もあるが、佐久間はいつも俺のために時間を作ってくれた。俺もできるだけ応えたくて、一日のうち、どこかで必ず、佐久間との時間を作った。会えそうな時は会いにいった。会えない時は、メッセージを送ると、いつでも返してくれた。
優しくて、こんな俺を愛してくれて、大切にしてくれることが本当に嬉しかった。
なんの不満も無い。なんの不安も心配も無かった。
しかし、ふと思う、佐久間には不満や不安は無いのか、と。
夜、佐久間の家で過ごす機会がこれまでにも何度かあった。
彼の家で過ごすたびに、俺の私物が増えていった。
ご飯を食べ、テレビを見たり、映画を見たり、ツナやシャチと遊んだり、過ごし方は様々
だ。しかし、手を繋いだり、キスをしたり、触れ合っている時間、時折、佐久間は苦しそうな顔をする。
漠然とそう思うのだが、すぐに佐久間は明るい顔に戻っているので、ずっと気になりつつも、どうしてそんな顔をするのか、聞けずじまいになっている。
何か不満があるのなら、それは嫌だった。
直すから、教えて欲しかった。
自分でも思い当たる節が無いか考えてみたが、元来、鈍い俺の頭じゃどんなに考えても分からなかった。
佐久間に聞く前に誰かに相談してみようか、と阿部に電話をかけてみた。
2コールですぐに電話に出た阿部は「もしもし?だて様どうしたのー?」と言い終わるや否や、「もしかして佐久間との話!?」と電話越しでもわかるくらいに、声を弾ませていた。
俺の話を聞きながら阿部は、「うんうん」「いや、尊いかよ」「あーなるほど」「マジで?!ジャスティスじゃん!」と冷静なんだか興奮しているんだか、どちらとも取れない相槌を打っていた。
「それでね、佐久間、たまにそういう顔するから、何か不満とかあるのかなって考えてみたんだけど、心当たりが全然なくて。佐久間に聞く前に、誰かに相談してみようかなって思ったの。」
「なるほどね、変なこと聞くようだけど、佐久間とだて様ってどこまで行ったの?」
「どこって、旅行とかの話?」
「そうじゃなくて、キスはしたでしょ?俺らも動画で見させてもらったし。その次の段階とかには行った?」
「その次の段階?」
「え?もしかしてまだ?」
「えっと、キスは会ったらいつもしてるよ?家に帰って来た時と、夜寝る前に。その先にも何か段階があるの?」
「……ぅぁ…マジかよ……くっそピュアな恋愛してんじゃん……絶対それが原因じゃん…あいつ頑張ってんだな……」
「え?なに?あべ、聞こえない…」
「あ、ううん、気にしなくていいよ。とりあえず、難しいこと考えずに、佐久間に次の段階進みたいって、そのまま伝えてみたら?ちょっとはそういう顔しなくなるんじゃない?」
「!! わかった!言ってみる!ありがとう!!」
阿部にお礼を述べて、電話を切る。
幸い、今日は佐久間に会える日なので、伝えてみようと、佐久間の家に泊まる時用に用意したバッグに、必要なものをうきうきしながら詰めていった。
夜になり、佐久間から今日の仕事が終わった旨の連絡が来た。
これは俺たちの集合の合図で、その連絡をもらったら俺はタクシーに乗る。
今日は俺の方が先に着いたようで、待ってるね、とメッセージを送った。
「涼太!お待たせ!!」
しばらくすると佐久間の声が聞こえて、こちらに駆け寄ってくる。
「お疲れ様、そんなに待ってないよ?」
と伝え、メインエントランスの扉を二人でくぐった。
佐久間はいつでも手を繋ぎたがる。どこにいても、何をしてても、隙があるなら、どんな時でも握ってくる。安心するのだそうだ。俺も嬉しいので、いつもされるがまま、佐久間の好きにしてもらっている。
佐久間は空いた方の手で器用に鍵を開け、中に入ると、俺ともすっかり仲良くなってくれたツナとシャチが出迎えてくれた。トテトテと玄関まで来てくれるのがとても可愛い。
玄関のドアが閉まったら、まず佐久間は、くるっと俺の方に向き直り、顔を両手で挟んで少し背伸びをし、俺にキスをする。
唇、頬、鼻、まぶた、おでこ、耳、顔中にキスをする。それが終わると、自分の頬に俺の頬を擦り付けて、強く抱き締める。
いつもこうして行われる「おかえり」の儀式は、なんだか、佐久間の匂いを俺につけられているみたいな気持ちになる。マーキングされているような感覚だ。
佐久間の愛情表現は、いつも動物的である。
マーキングしたり、舐めたり、甘噛みしたり、しかし俺に傷が付くようなことは絶対にしないので、そこは信用しているのだが、少し独特な示し方だな、とは思う。
くすぐったさから、時折変な声が出てしまって恥ずかしいのだが、そうなると佐久間は、急に血相を変えてお風呂やトイレに行ってしまうのだ。不思議なやつだ。
俺としては、その状態で放置されてしまうので、熱を持て余して少し苦しい時もある。
一人で発散するのは失礼かな、と思うので、佐久間とそういう雰囲気にもし今後なった時に溜め込んだものをどうにかしよう、くらいに考えている。
お互いに「おかえり」を言い合い、リビングへ。
先にお風呂を済ませ、交互に髪を乾かし合う。
何をするにも一緒というのが、嬉しくてふわふわする。
テレビを見ながら、ご飯を食べる。
そろそろ聞いてみるかと、今日の昼間、阿部に相談した内容を佐久間へ切り出す。
「ねぇ、さくま。」
「んにゃ?? どったの?」
「俺、佐久間と次の段階進みたい。」
「……………え?」
「佐久間はいや?」
「あ、いや、えっと、その前に教えて?誰にそんな入れ知恵されたの。」
「阿部に相談したら、そう言えって言ってた。」
「阿部ちゃん…」
佐久間は頭を抱え込んだ。
「あ、阿部は悪くないよ…俺が聞いたの。いつも佐久間がキスしたりハグしてくれたりした後、苦しそうな顔するから、俺になにか不満とかあったら治したくて…。」
バレていた。
正直、いつだって限界ではあったのだ。
涼太が好きすぎて、気を抜けば襲ってしまいそうだったから、必死に抑えていた。
こういう時の涼太は鋭い。人の機微にすぐに気付くので、気遣いもうまい。
好きすぎる反面、大切すぎて手が出せなかった。
付き合ってすぐに抱くような、そんな軽い男には見られたくなかった。
自分の息子が、悲鳴をあげるくらいの我慢をすることになってでも、3ヶ月くらい経つまでは絶対に一線を越えないと決めていた。
そんなこんなで、今、涼太は阿部の教えを素直に聞き入れ、とんでもない誘い文句を口にした。そこに触れる前に、俺には解消しておきたい疑問があった。
そもそもこの純粋ちゃんは、その行為について、どの程度知っているのか?というところだ。保健体育レベルなんじゃないかと個人的には思っている。
だからこそ、大切にしたかったのに。
恐らくこの言葉の意味を、阿部ちゃんから詳しく聞いてはいないのだろう。
その状態で、涼太の言葉を鵜呑みにして、バカみたいにすぐにでも押し倒して、拒絶されたもんなら、間違いなく俺は一生立ち直れない。そんなのは嫌だ。「そんなつもりじゃなかった」なんて言われたら、俺の息子は死ぬまで不能だ。
押し黙る俺に耐えかねて、涼太が続ける。
「佐久間、俺できることなんでもする。佐久間がして欲しいこと全部教えて?」
今その発言アウトだろ。犯すぞマジで。
ほんとどうしたらいいの。あーーーー、もう頭で考えてたって仕方ねぇか、と半ば諦め、涼太に問いかけた。
「涼太さ、セックスって知ってる?」
「うん、知ってるよ。昔保健体育で習った。」
…やっぱりか。そりゃそうか、そのくらいからお互いにお互いのことしか見てなかったんだから。
むしろ俺のせいで、俺のために取っておいてくれていたようなものだと思うと、脳内がスパークしそうだった。
「阿部ちゃんが言ってた次の段階って、そのことだよ?」
「えっ、そうだったの?」
「うん、確かに涼太の言う通り、俺が苦しそうな顔する時は、大体そういうことしたいって思って我慢してる時の顔だけど、だからって、涼太が気にすることは何にもないんだよ?俺がそうしたいの。涼太を大事にしたいの。無理させたくない。手繋いで、ハグして、キスできるだけで、俺、すごく幸せだよ?」
「…」
黙っちゃった。やっぱりまだ早かったよね。ごめん、悩ませて。
頭を撫でで、抱き寄せ、慰める。
涼太が俺を大事に想ってくれるだけでいい。それだけで十分満たされる。
ありがとうの気持ちを込めて、涼太に触れていると「さくま」と涼太が囁くように名前を呼ぶ。
「ん?」
「俺、その先、佐久間と進みたい」
「…え。」
「誰ともそういうのしたことないから、うまくできるか自信ないけど、佐久間と一緒だったら平気。」
「ほんとにいいの…?無理してない?」
「うん、大丈夫。それに、佐久間いつも舐めたり噛んだりしてくるから、俺も若干そういう気持ちになっちゃう時あるよ?もっとして欲しいなって思ってたけど、俺だけだったら恥ずかしいな、って思って内緒にしてた。ごめんね。」
そんな風に言われたら、もう止まれない。止めてあげられない。
最後に残ったなけなしの理性は、もう付き合って3ヶ月経ったと気付いた瞬間、どこかに吹っ飛んでいった。
「絶対大切にするから。少しでも辛かったら言って。」
そう涼太に囁き、涼太の手を引いてお風呂場へ向かった。
「涼太、服全部脱いで。」
「お風呂でするの?」
「ううん、準備するの。涼太が傷付かないように。」
そう言って、俺も服を脱ぐ。
一緒にお風呂に入るのは、初めてだった。
絶対に我慢できなくなるので、誘惑に負けずに今日まで過ごしてきた。
初めて見る涼太の身体はとても綺麗だった。
傷ひとつなくて、白くて、しなやかで、程よい肉付き。たまらなくなった。
今すぐにでも俺のものにしたい欲求を抑えて、涼太をお風呂場の椅子に座らせた。
「足開いて、少し浮かせられる?」
「こう?」
「そう、上手。」
涼太と付き合ってから、ずっと用意はしてあったローションを脱衣所の棚から取り出し、少し取って、指に纏わせる。
きっと涼太は後ろ使ったことないだろうからと、いつどうなってもいいように、浴室と寝室に1本ずつ置いておいてよかった。
「恥ずかしかったら目瞑ってて。ここ、触るね。」
そう伝えて、涼太の後孔に指を這わせた。
「へっ、、ぅあッ!?、、な、なに…っ?」
少しずつ拡がるように、優しく、ゆっくりと時間をかけてほぐしていく。
「だ、だめ、さくま、、でちゃう、、、みないで…ッ、やだ…ぁっ…!」
「大丈夫。どんな涼太も愛してる。」
目をぎゅっと瞑って、ぷるぷると耐える涼太のこめかみに口付けて、全て吐き出させる。
少しでも涼太の心が落ち込まないように、傷付かないように、意識が他へ向くように、何度も何度もキスをした。
「ん、ん“んぅ…っふぁッ、さくま、さくま…んぐ、ふぅッ…」
暗い視界の中で、確かめるように何度も俺を呼んでくれる涼太に、愛おしさが込み上げる。
全て出し切った所で、シャワーのお湯を止めて、ぐったりする涼太を抱えて浴室から上がる。体が冷えてしまわないように、しっかりと水気を拭き取り、寝室へ運んだ。
「降ろすよ」と伝えて、涼太をベッドの上に降ろし、その上に覆い被さる。
涼太の目は期待と不安に濡れていて、ひどく俺の情欲を掻き乱した。
その目に吸い込まれるように、涼太の額、まぶた、こめかみ、鼻、頬、唇に口付けを落としていく。
くすぐったそうに身を捩らせて、涼太は小さく笑った。
その様子に、まだ大丈夫そうかな、と安心して、首筋にキスをする。
首に舌を這わせて、薄い皮を柔く噛むと、涼太の口から湿った吐息が漏れる。
俺の動きにひとつひとつ反応する涼太が可愛くて、もっといろんなところに触れたくなった。
胸の突起を撫で、つまんで、口に含む。飴玉のように転がして、吸い付けば、初めはどうしてそんなところを触るのかと戸惑っていた涼太の身体が、徐々に小さく震え始める。
「ぁぅ、んっ、さくま、、っそれ、なんか、へんにんっちゃう…っひぁッ」
「いいよ、いっぱい変になって? 俺をいっぱい感じて?」
じわじわと高まっていく快感に、緩く勃ち上がった涼太のものに触れ、先端を親指の腹でくるくると円を描くように撫でれば、腰が跳ねる。
口の中に唾液を溜めて、涼太のそれを俺の口いっぱいに頬張った。
「ぅあッ!?さくまだめ…ッ、、きたないからぁ…やぅッ、あ、あぁっ、」
「きはあくらいよ」
「そこでしゃべらないで、、んん“ッ!!?」
根元まで深く咥え、わざと音を立てて吸い付けば、切なそうに腰をくねらせる。
「でちゃう、でちゃぅから、っ、、はなして…ぇ、、あッ、ぁ“ぁあっ」
根元から、先端の方へ移動して亀頭を舌で押し潰せば、涼太の欲が勢いよく吐き出された。
一滴残らず飲み干して、口の端から溢れたものは、涼太に見せつけるように舌で掬って舐めとれば、涼太は真っ赤な顔をして泣きそうな顔になった。
かわいい。
今、涼太にこんな顔をさせているのは俺なんだと思うと、優越感と多幸感でいっぱいになった。
もうそろそろ大丈夫か?と様子を伺い、涼太にもちゃんと声を掛ける。
「涼太、ここ触っていい?」と聞くと、何度もこくこくと頷いた。
ベッド脇のサイドテーブルの引き出しから、ローションを取り出し、封を切る。
フィルムを剥くことさえもどかしくて、手つきが荒くなる。
開封した容器から、粘度を持った液体を手に取り、冷たくないようにかき混ぜて温める。
「まず、一本ね」と伝えて、ゆっくりと人差し指を涼太の中に入れた。
少しずつ拡がっていくそこに、2本、3本と指の数を増やしていく。
涼太の気持ち良いところを探るように、肉壁に指を沿わせ、3本の指をバラバラに動かす。
「…ぅ、、んんぅ…く、、ぁ、、、」
やっぱり初めてじゃ異物感の方が勝るのだろう、もどかしそうに、少し不快感を滲ませる涼太の顔中にキスをしてみる。
勃ち上がっていたものは硬度がなくなり、うつむきかけている。
他の場所に集中させてあげようと、胸の突起に手を伸ばそうとした時、しこりに触れた。
中指で弾いてみれば、涼太の身体は電流が走ったように大きく波を打った。
「あぁ“ッッ!?!…へ、なに、、?」
なにが起こったのか理解できていない様子の涼太。
「みつけた」
そう言って俺はニヤリと口角を上げ、何度もそのしこりを攻め立てた。
「あ、ぁあ“っ!?、や、やめッ、さくま、、それ、やぁっ! ひぁ“ぁぁあ“ んッ!!」
「イキそう?いいよ、イって。」
「もぅ、だめ、、っぅあ!…ん、ぁ、ん“ん“ん“ぅ〜ッ!!!!??」
初めて感じるであろう前立腺からの快感に、涼太は二度目の欲を放つ。
息を切らせて上下する胸の動きが、なんとも蠱惑的に俺を誘った。
後孔も解れ、準備は整ったが、涼太はまだ大丈夫だろうか。
人生で初めての経験をしているのだ。もっとゆっくり進めた方が良いのだろうか。
「涼太、まだ平気?」
「…っはぁ、はぁ、、ん……へいき…」
「ほんとに?無理してない?」
「さくまこそ、がまんしないで……、おれだいじょぶだから…」
「涼太の中入ってもいい?」
「ん、きて…?」
不安が拭われた瞳には期待だけが残っていて、俺を挑発するように妖しく光っていた。
今にもはち切れそうな俺のそれにスキンを被せ、涼太の後孔に宛てがう。
早く中へ、と誘い込むようにひくつくそこに、ゆっくりと腰を沈める。
「力抜いて」
「ん、っふ、、ぁ、ぅ……さくまの、おっき…ぃ」
「あんま、煽んなっ…きつ……ッ」
根元までしっかりと俺のものを咥え込んで、早く動けと涼太の中が蠢く。
その動きに急かされるまま、ゆっくりと腰を動かした。
「ッぁ、ぁ、ん、、さくま、きもち……?」
「ッふ、、ぁぐ、、きもちーよ」
「んふッ、よかったぁ…」
なんだか余裕がありそうな涼太をもっと溶かしたくなって、腰の動きを早める。
「あぁッ!?まっ、て、さくま、、んひゃァッ!? はげし、、やぁ“っ!!?」
「激しくしてんのッ、涼太も、きもちぃ…?」
「う、うんッ、きもち、きもち…からぁぁッ!!」
あー、きもちい…。あったかい…。しあわせ…。ずっと涼太の中にいたい。
涼太にもっと気持ち良くなって欲しくて、先ほどのいいところに当たるように、中を探りながら動けば、涼太の身体が反り返り、俺をきつく締め上げる。
「それッやだぁッ!!こわれちゃう、や、やぁ“っ、こわい、さくまっ、あぁぁ“ぁ“ッッッ、ん“ん“ん“〜!?!?!」
「大丈夫、壊れない、さくまさんここにいるよ、ほら、目みて?」
あやすように頭を撫で、涼太の左手を俺の右手に絡ませて、ここにいるよと伝えるように強く握る。快感に耐えるように、涼太も強く強く握り返す。
キスしたくて、身体を前に倒しながら腰を振れば、もっと奥に入ってしまったようで涼太の足はピンと張り、背中を仰け反らせた。
角度を変えて何度も何度も涼太に口付ける。開きっぱなしの口からは小さな舌がちろちろと動いていたので、思いっきりかぶり付いた。
足りない。涼太の中をもっと俺で埋め尽くしたい。
涼太の足を肩にかけ、もう一度覆い被されば、今までで一番深いところに入れた。
涼太の口からはとめどなく嬌声が溢れ出し、俺の鼓膜を揺さぶった。
涼太の左手をベッドに縫い付けて握り締め、空いている方の手で頭を抱き抱え、耳元で囁く。
「りょうた、すき、だいすき、、ほんとにあいしてる…っ、ふ、、ッく」
耳に口付け、縁を舌でゆっくりとなぞる。
どんなに触れていても、好きと伝えても、俺の気持ちは伝えきれなくて、まだ足りなくて、歯痒くて、全身を掻きむしりたいほどの衝動にずっと襲われている。
俺に抱き締められて動けない涼太は、自由のきく右手を俺の背中に回し、爪を立て、俺の肩を噛んで快感に耐えていた。
その姿がいじらしくて、かわいくて、一層腰の動きが止まらなくなった。
奥を突き上げるたびに俺をきつく締め付け、孕みたいと主張してくる涼太の中に煽られる。
「りょた、、俺、もう……っぁ」
「おれも、すきッ、ん、ふぁぁあッ!! だいすき…、だいすけっ、すきッ、ん“ぁ”ぁ“あああ!?!」
「!? ちょ…っくぁッ……〜ッ!」
三度目の涼太の欲は二人の腹を濡らし、俺もスキンの中に欲を吐き出しながら、動物の本能に従うまま、涼太の奥にその先端を擦り付ける。その動きにまた涼太が甘い声を上げる。
まさか、名前で呼んでくれるとは思わなくて、その嬉しさで、限界を迎えていたものは一気に外に飛び出していった。
名前を呼ばれただけでこのザマとは、改めて相当惚れ込んでいるなと、少し気恥ずかしくなる。
名残惜しいが、涼太の中から自身を引き抜き、俺を覆っていた膜の口を縛ってゴミ箱に捨てた。
もう半分寝かけている涼太の体をタオルで拭き、服を着せてあげる。
やっと一つになれた。
その幸せと程よい疲れが、眠気を誘う。
涼太を抱き締め、手を繋ぐと、涼太も俺の腰に腕を回し、小さく歌う。
“抱き締めさせて このままずっと
朝が来るまで 二人でいたいんだ“
そう歌い、眠ってしまった。
「俺もおんなじだよ、だいすき。」
眠る涼太にそう囁いた。
甘い吐息 濡れる身体
すべて抱いても 物足りない
朝が来て 夜を超えても そばにいて
二人だけ このままずっと 離せない
命尽き 身体朽ち果つ その日まで
貴方のそばで 不変の誓いを
これは、重なり響いた、俺と貴方の恋のうた。
End……
コメント
4件
はあぁぁぁぁぁ…最高だった…🥹🩷❤️
お借りした楽曲 抱きしめさせて/黒猫チェルシー様