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三咲の心は、不安と期待が交錯する日々を送っていた。智也に対する想いは日に日に強くなり、彼の言動に敏感になっていた。あのキスから数日が経ち、三咲は自分の中で彼に対する気持ちがどう変化するのかを考えながら過ごしていた。しかし、心のどこかで、智也が自分に対してどう感じているのかが分からず、不安でいっぱいだった。
その不安は、特に智也と春菜が一緒にいる時間が増えていくのを見るたびに、ますます強くなった。彼女は、智也が春菜と仲良くしている姿を見ると、自分がそこに入る余地がないように感じ、胸が締め付けられる思いをした。
「智也は、春菜に対してどう思ってるのだろう?」三咲は自分に問いかけながら、夜遅くに一人で考え込んでいた。智也が自分に優しく接してくれるたび、春菜への思いと自分への想いの違いが分からなくなり、ますます混乱していった。
それでも、心の中では、智也が自分に気持ちを向けてくれる日を期待していた。あのキスが、ただの一時的な感情ではないことを願いながら、何度も彼のことを思い出した。
しかし、現実は思っていた通りには進まなかった。智也は春菜と過ごす時間が増えていき、三咲との接点は次第に少なくなったように感じた。学校でも、智也は春菜と一緒にいることが多く、三咲はその距離を感じずにはいられなかった。
ある日、三咲は思い切って智也に声をかけてみた。「智也、最近、私たち、あんまり話してないね。」彼女の声には、思わず不安が滲み出ていた。
智也は少し驚いた様子で振り向き、「あ、そうだな。最近は春菜と一緒にいることが多かったから、あまり話せてなかったな。」と答えた。その言葉に、三咲の心は少し沈んだ。智也が自分とではなく、春菜と一緒に過ごすことを優先していることが、嫌でも伝わってきた。
「私、智也ともっと話したいんだけど…」三咲は声を震わせながら続けた。
智也は少し黙った後、軽く笑って言った。「うん、分かったよ。でも、春菜と一緒にいる時間も大切にしてあげないとね。」
その言葉に、三咲は胸が痛くなるのを感じた。智也が春菜を大切にしていることは、理解していた。けれど、自分に対してどれほどの気持ちがあるのか、それが分からないのが辛かった。
その夜、三咲は寝る前に深いため息をついた。智也の気持ちが春菜に向かっていることが、ますます自分の心をかき乱していた。彼に対する期待と不安が、日々強くなるばかりだった。
次の日、三咲はまた学校で智也と顔を合わせることになった。彼が春菜と話しているのを見ながら、三咲は自分がどうしたいのか分からなくなった。ただ、智也が自分にどんな気持ちを抱いているのか、それだけが知りたかった。
そして、三咲は決心した。彼にもう一度、自分の気持ちを伝えるべきだと。もし、智也が自分の気持ちをどう思っているのか分かれば、少しは心が落ち着くのではないかと考えたのだ。
その日の放課後、三咲は智也に声をかけることを決めた。「智也、少しだけ話せる?」と声をかけた。
智也は少し驚いたように見えたが、すぐに答えた。「うん、何かあったの?」
三咲はしばらく黙った後、深呼吸をして言った。「私、智也のことが好きなんだ。春菜のことも大切に思ってるけれど、私は智也に対して…もっと強い感情がある。」
その瞬間、智也の顔が少し曇った。彼はその言葉にどう答えるべきか、少し迷った様子を見せた。
三咲の心は、その沈黙の中でさらに不安を感じていた。彼がどう答えるのか、心の中で繰り返し考えたが、答えが出ることはなかった。
ただ、三咲はもう一度、智也に対する想いを伝えたことで、少しだけ心が軽くなったように感じた。しかし、その後どうなるのか、彼との関係がどう進んでいくのか、三咲にはまだ分からなかった。