テラーノベル
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今日、隣の家の桜が散ったから死のうと思ったんだ。 でも在り来りすぎて嫌になったんだ。
だから今年は、今年こそは。
椛が散ったら死のうと思ったんだ。
そう思い過ごしてきて、けど嫌になったんだ。
あまりにも綺麗すぎて。
僕の生き様には似合わないような儚さで。
どうせなら僕の性分に合った汚い死に方がいいと思ったんだ。
泥沼に頭から突っ込もうか。
人殺しをして死のうか。
多大なる人に迷惑をかけて嫌われようか。
全部思いついた。
色々思いついた。
けど実行はしなかった。
完結できたから。
結果が見えたから。
頭の中で全て終わっていて。
何事もハッピーエンドで。
見方を変えればバッドエンドで。
意味の分からない結果だと思った。
けど寝るのを増やすうちに気づくようになって。
君のせいだったんだ。
全部。
僕がここに居るのも。
僕が生きているのも。
全部君のせいだったんだ。
じゃあどうしようか。
僕が言う汚い死に方は君を殺してから死ぬことか。
でもすぐには実践できなかった。
いや違う。
実践した。
けどできなかっただけだ。
ある最初の日はカッターを隠し持って君に何気ない話を持ちかけて。
途中で殺そうと思ったんだ。
けど無理だった。
君が僕を褒めたから。
ある日は後ろから君に襲いかかったんだ。
畑に置いてあった鋸鎌を持って。
けど無理だった。
君が途中で僕に気づいて笑ったから。
ある日は初めて僕が手料理を作ったんだ。
中に毒物を混ぜて殺そうと思ったんだ。
けど無理だった。
君が食べてくれなかったから。
いや、違う。
食べた。
食べたのに死ななかったんだ。
それは僕が無意識に毒を入れてなかったから。
君が完食して美味しいって言ってから気づいたんだ。
どうにもこうにも僕には君を殺せなくて。
どうしてやろうかと思った。
どうやって汚い死に様を見せてやろうかと思った。
そして思いついたんだ。
最初っからこうすればよかった。
君を殺さずに僕だけ死んでやろうと思った。
そしたら君を悲しませて僕は最低な人間になれる。
これがきっと汚い死に方。
僕はそう思ったんだ。
だから次の日にすぐ動いたんだ。
けど、やっぱり、無理だったんだ。
君がそれなら私も一緒になんて言うから。
それじゃあ意味がないんだ。
分かってくれよお願いだから。
それを君に伝えたかった。
けど無理だった。
だって僕は君が好きだから。
でももう無理なんだ。
僕らは死んでいるのだから。
コメント
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第1話、読み終えました。 「汚い死に方」を求める主人公の心の動きと、それでも君に向ける手が震えてしまう繊細さが、とても切なくて胸が締め付けられました。特に「君が食べてくれなかったから」→「食べたのに死ななかった」の反転、そこに無意識の愛情が透けて見えるのが秀逸です。ラスト一行の「僕らは死んでいるのだから」で、すべての辻褄が合うような…不思議な余韻が残りました。続きがとても気になります。