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皐月side
それから俺は双子に捕まり何が好きなのか、どんなファッションが好きなのか…etc……。
つ、椿ィ…、早く戻ってきてくれぇ……。
暫く双子からの猛アタックにウンザリしてると
椿「ちょっと!あんた達何してんの!皐月ゲッソリしてるじゃない!?」
椿は双子と俺の間に入り守るかのように抱き締めた。
皐月『どこ行ってたんだよ椿ぃ…もう俺のHPは0だよ……。』
椿「ちょっ!皐月ッ!?あんたたち何したのよ!!」
晴竜「ちょ、そんな怒んないでよ〜、俺たちだって気になってたんだから…、やっと逢えてその、テンション上がっちゃって…、ごめんね?」
双子は申し訳なさそうに謝ってきた。
椿「ったく!ゴメンなさいね、アタシが居ない間にこんな事になってるなんて…、全部アタシが悪いわ。」
皐月『……、別に…椿も…、晴竜も雨竜も…悪くない。俺が、人と上手く関わる事が出来ないから…、もっと周りに目を向けなきゃダメなのに…、自分の事ばっかで、ダメだよなぁ。』
俺がそう話すと周りはシンっとして…、気まずい、俺変な事言ったのか…?
椿「もー!皐月は無理しないで!皐月は皐月よ!確かに周りを見ることも大切だけど、アタシは、アタシたちは皐月を大事にしたい!例えアタシの衆じゃなくてもアタシはいつでも待ってるわ、ね?晴竜?雨竜?」
椿が双子に話し掛けると
晴竜「勿論!俺も雨竜も待ってるよ!」
雨竜(コクン。)
衆が違くても…こんなにも暖かい言葉や場所を与えてくれるのか……、風鈴って…、梅宮はこんなにも凄いものを築き上げてきたんだな…、そう言えば何か忘れてる気が…。
椿「こうして出会えた事だし!ねね、連絡先交換しましょうよ!」
晴竜「お!それいいね、俺達も交換したいな。」
皐月『…お、おう。…あれ、ごめん。充電切れてら…。』
中村「何だ?充電切れちまったのか?なら俺の充電器使えよ!」
皐月『あ、ありがとう…。』
中村「ははっ!どういたしまして!」
それから中村から充電器を借りて電源が入ってからスマホを確認すると……。
皐月『げ。』
椿「?皐月どうしたの?急ぎな連絡でもあった?」
通知100件超、電話履歴100超……。
椿「ちょ!ちょっと!皐月どうし、いや!何があったのよ!!」
皐月『あー、実はかくかくしかじかで……。』
椿「あんたって子はまったく!そりゃみんな心配するわよ!突然居なくなるなんてッ!」
皐月『…ぐぅのねも出ないデス……。』
椿は一通り言ってから一息吐いて
椿「明日一緒に風鈴に行きましょ?アタシも一緒に謝ってあげる…。それに考えて出た結果心配かけたくなかったんでしょ?」
皐月『…うん、でもそれは俺の問題でッ』
椿「皐月!」
椿は急に大声を出して
椿「…、ゴメンなさいね、大声出して…。でもね、皐月個人の考えは確かに風鈴ではない梅達が介入出来る話じゃない。でもね、皐月が風鈴に頼む事は出来るのよ?アタシたちはちゃんと皐月を向いてるの、だから…皐月の不安や悩み、全部話して相談してくれない?ね?」
椿は話終えると俺を抱きしめて…まるで赤子をあやすかのように背中を優しく叩いた……。
塞いでた感情が…、記憶が蘇ってくる……。
皐月『……ッ、目にゴミが入ったッ。』
椿「ふふ!そうねぇ、ゴミが入ったなら涙流してゴミ出さなきゃね!」
俺は静かに椿の肩を借りて泣いた。
勿論恥ずかしいから声を上げずに……。
それを双子と中村は優しく見守ってくれた……。