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にとしろ
弐十×しろせんせー
解釈違い有
ハンドクリーム
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居酒屋の奥座敷は、もういい感じに熱気がこもっていた。 テーブルには空いたジョッキが並び、キルシュトルテがいつものように大声で笑い、ニキがスマホを片手にニヤニヤしている。 席は四角いテーブルで、弐十としろせんせーが隣同士。 向かい側にキルシュトルテとニキが座っている。
みんな三杯目あたりで、酔いがちょうどいい具合に回ってきた頃だった。
しろせんせーはふと自分の手に目を落とし乾燥していることに気づきバッグから小さなハンドクリームを取り出した。 掌に適量出して、ゆっくり塗り始める。
その匂いがふわっと広がった瞬間、隣の弐十が鼻をひくつかせて言った。
「せんせー、それいい匂い」
無邪気な一言。 ただの感想だった。 でもしろせんせーは、 「あ、ちょうど塗りすぎたからええわ。弐十ちゃんにあげるわ」 と、当然のように弐十の手を取ってしまった。
両手で包み込むようにして、クリームを塗り広げていく。 指の間まで丁寧に揉み込んで。
「……!」
弐十の顔が、一瞬で真っ赤になった。 別に「塗ってくれ」なんて言ったつもりは全くなかったのに、 せんせーの手が自分の手を包んで、 温かくて柔らかくて、 しかもこんなに近くでしろせんせーの顔が見えて……。
心臓がバクバク鳴って、声が出ない。
向かいのニキがまず反応した。
「おいおいイチャつくな! 手ェ握り合って何してんだよ!」
キルシュトルテもグラスを叩きながら爆笑。
「うわー! お前ガチで照れてるやん」
弐十は慌てて手を引き抜こうとしたけど、 しろせんせーがまだ握ったままなので、 「俺は塗ってくれって言ったわけじゃないし! ただ匂いがいいなって……言っただけで……!」
必死の弁明。 声が上ずってる。
しろせんせーはようやく手を離して、 「あ……そうなん?塗ってほしんか思ったわ笑」 と、眉を下げ笑いクリームのチューブをしまう。
その照れた顔を見た瞬間、 弐十の口が勝手に動いた。
「いや……でも嬉しいよ?!」
部屋が一瞬、静まり返った。
弐十は自分で言ってから、 (……何言ってんだ俺……!?) と頭を抱えたくなった。
ニキが即座に突っ込んだ。
「はぁ? 『嬉しいよ?!』ってなに?!」
キルシュトルテはテーブルをバンバン叩いて、 「お前フォロー下手かよ!!ぜってえ動画で言ってやろ!笑」
弐十は真っ赤になって、 「違うって! 俺はただ……!」
言い訳しようとするけど、もう遅い。 しろせんせーは隣でくすくす笑い始めていて、 「弐十ちゃん、落ち着きぃや?」 と関西弁で優しく呟く。
その一言で、ニキとキルシュトルテのからかいがさらに加速した。
弐十はもう耐えきれず、 ジョッキを一気に煽って、 「うるせぇよ! もう飲む!」
でも顔は真っ赤なまま。 しろせんせーは隣でまだ笑っていて、 「弐十ちゃん、怒らんといて笑 公式カップリングとして売っていこうや?」 と、その悪ノリにのってくる。
そのイタズラな笑みがまた弐十の胸をざわつかせて、 結局、弐十はジョッキを握ったまま俯いてしまった。
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み
#しろシドの沼に落としたい
#nksr