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「おい 開けろ」
ドアチェーンの隙間から威圧的な声が響く
「開けろよ、なぁ」
ガチャガチャとチェーンが千切れるのではないかと思うほど激しくドアノブを引く
「…っ、ッ」
ただそれを見ていることしかできない
「…ッチ」
扉の隙間から彼が見えなくなった
きっと諦めてくれたに違いない!
「…は、早く誰かに助けを…っ」
我に返った俺は誰かに助けを求めようと携帯を取り出した
すると
バキンッ!!
「っへ、」
な…なに…?
「…」
キィイ…と音を立てて扉が開かれた
見るとチェーンが粉々に砕け散っていた
「ぅ そ、」
「…お前には失望したぞ」
「できればこんな手を使う前に、お前自身の手で扉を開けてほしかったんだがな」
だらんと垂れ下がった手にはハンマーが握りしめられていた
「…そうしたら、もっと穏便に済ませてやれただろうに」
「は…は…っ…」
ごとん、と携帯が手から落ちる
「本当、残念だ」
最後に目に映ったのは、振り下ろす直前のハンマーだった