テラーノベル
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食材を冷蔵庫に片づけて、洗濯物を取り込む。
千愛の帰宅にすぐ気づけるよう、一階で洗濯物をたたむ。
「ただいまー公園行って来るー」
千愛の声に急いで玄関まで行くと
「おかえりなさい。1回入って、手は洗って」
「わかってる、わかってる、って」
朝着ていた薄いパーカーを腰に巻いた千愛が洗面所で手を洗い、ランドセルをリビングにポンと置くとすぐに出て行こうとする。
「はい。これくらい飲んでいけば?」
「うん」
パックのコーヒー牛乳をグラスに入れて千愛に渡し
「誰と?」
「はぁちゃんと…あといろいろ…たきくんとか…スイミングの時間までだけって」
「千愛も英語よ」
「うん。いってきまーす」
「車に気をつけてねっ!」
飛び出すような娘を追い掛けて表へ出ると、千愛が一瞬足を止める。
「亜優ちゃん、バイバーイ!」
千愛の声の方を見ると、直美さんと亜優ちゃんがいた。
「ばいばぁい…ちえちゃんどこいくん?」
「こーえんっ」
「あははっ…元気やねぇ、千愛ちゃん」
自転車から手を振る亜優ちゃんを下ろしながら笑う直美さんは、どこからか帰ったところのようだ。
今日は1年生の方が早く帰っていたのね。
既婚者合コンから、この時間までには帰って、そのあとは亜優ちゃんと遊んだり、宿題を見たり、買い物に行ったり忙しいわよね。
「あ、はいはーい、もしもし、ハルくん?ちょっと今、表でややこしい…っと…」
スマホを耳に、道路へ出ないように亜優ちゃんの手を持った彼女は
「自転車片づけたら、すぐかけ直すな。ごめん」
と通話をすぐに終えて玄関を開けた。
私……私…夫からの電話なんて…いつだった?
思い出せない苛立ちを振り切るようにキッチンへ行くと、料理を始める。
下ごしらえをしておいて、千愛の英語教室まで送って行く。
そう遠くはないけれど、校区外の教室なので一人では行かせられない。
お迎えには夫が必ず、絶対に、行ってくれる。
さっきたたんだままの洗濯物も片づけないと……
意識して家事に集中しないと、モヤモヤとしてしまいそうだった。
コメント
2件
更新がたくさん⤴︎⤴︎ア̥ガ̥る̥ぅ̥~⤴︎⤴︎ ありがとうございます✨追いつけるのか!🤭 昨晩もコメント忘れ面白くて止まらず一気読み⤴︎ きっと今晩も…💨