オーストリアに自身の症状の原因はわかるのか
と。不安を胸に静かな病室で待ちぼうける
外からは沢山の車が走っていく音、人々の
賑やかな声、音が聴こえてくる
流石は都会にある大きな病院だと感じる。
それがなぜか心地よくて、すっかり聴き入ってしまった。
_______
少ししたところで、ドイツは病室の外から
なにやら音が聞こえることに気がつく。
コツ…コツ……
物が動く音ではない硬い音
誰かがこちら側へ向かってきているようだ。
その足音は段々と近づいてくる
おそらくその人物はオーストリアだが
なぜかその足音には圧迫感が感じられる気がして
ドイツの心拍数は少しずつ上がってゆく
自分でも、わかるくらいには。
足音が止まり、ドイツの病室の扉が開く
🇦🇹 失礼するよ。
案の定、足音の正体はオーストリアだった
検査が終わったようで、彼の手には何枚かの紙があった。
🇩🇪 検査の結果は……
そう述べると、オーストリアは目を閉じた
思いもよらぬ行動に驚き、不安感で押しつぶされそうになる。
少しばかりの沈黙が続いた後
それまで閉じていたオーストリアの目が開き
こう述べた。
🇦🇹 …ごめん、わからないや
その……ノイズの原因…
オーストリアらしくもない。いつもの誇らしげな声は聴こえず、ただただ哀しげな声。
どうやらプロ級の医者でもわからないらしい
今まで様々な人々の難病を治してきたと
言われ続けているあの『オーストリア』でさえ。
🇩🇪 ッ!………
今までずっと自身を纏い、なんとか持ち堪えていた一滴の水。
それがガラスのように崩れ落ち、水溜まりに落とされた様。
とどめを刺された気分だ。
裏切られた気分だとも言おうか
もちろんオーストリアのことを責めたいわけでもない。
こんな症状は今まで診てきた患者の症例なんかよりも謎で。
何に対しても新しい何かは
見ただけじゃわかるはずがなくて
わかっているけど、わかっているけど……
🇩🇪 そうか……それもそうだな(ニコ
どうしても強がってしまう。
不器用な笑みを浮かべてしまう。
🇦🇹 力になれなくて…ごめんね
だけど…まだ諦めないで欲しい。
まだ……希望はあるよ
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