推しcpには本番ではなくわざと前戯などの工程をさせたくなるマルトク🉐です
もりさこの体調不良ネタです!↓
とある組に、赤いジャケットを着たブロンド色のショートカットの頭をした下っ端の極道がいた。
その男、゛佐古大和゛はいつも兄貴の前でも欲を隠さず、自分を伝説と呼ぶような流石と言わんばかりの自尊心を持っている。
しかし、今の佐古は顔色が悪く借りてきた猫のように静かであって、いつもの雰囲気の面影が一切感じられない。
それもそのはず、今朝から頭痛やめまい、不快感を感じていた佐古は無理矢理にでも体を動かして事務所に来ていたからだ。
佐古が入っている京極組は今、京羅戦争の佳境に差し掛かっている大事な時期だ。
佐古も、武闘派ではないが組の舎弟として敵のヤサを監視続ける重要な役を持っているという責任があると無理をしてでも来たのだろう。
「おはようございます…」
「お!佐古おはよう!」
朝早い事務所には、金髪ツーブロヘアの佐古の兄貴分゛野島翔゛が居た。
秋の早朝なはずだが、真夏の昼の太陽のような明るく大きな挨拶がグワングワンと頭中に響き、余計に佐古の頭の痛みを増幅させる。
「朝早いのはやっぱりきついな…でも頑張ろうな!」
無邪気に佐古に励みのエールを送ったがいつもの生意気口での返答ではなく
「はい…そうですね…」
と、少し作り笑いをしながら大人しく返事を返した。
流石の様子に野島も違和感に気づいた。
「…なぁ佐古?今日はなんか元気がないな…大丈夫か?」
いつもと様子が違う佐古を心配する野島はまるで、飼い主を心配する子犬のようだった。
「え…?あ、はい…大丈夫ですよ…この通り」
「いや、明らかに様子がおかしいぞ?具合悪いのか?」
佐古よりも少し大きい体を低くして佐古に質問を投げかけた。
「えっ、えっ〜と…」
ここで体調が悪いとバレたら家に帰らされる…
そうなったら面倒臭いことになりそうだ
そう考えた佐古は本当のことを言わずに、
「すいません…!昨日の夜遅くに寝てしまって…」
今できる最大の笑顔で嘘をついたおかげか野島は、
「う〜ん…そうか!でも、体調には気をつけろよ!夜更かしは不健康の元だからな!」
「じゃ、頑張れよ!」
と言うと、元気に見回りに行った。
(うぅ…もっと頭が痛くなってきた…体がだるい…)
朝からパワフルな野島との会話だけで体力をだいぶ使ってしまった佐古は、ある程度休憩してからヤサに行こうとし、事務所にある麻の生地のソファにドサッと座り込んだ。
そのとき、ドア付近から普通のボリュームの声が聞こえてきた。
「おい佐古〜。今日だけ予定変更で守り代の回収に行ってきてくれないか?」
その声の正体は゛久我虎徹゛という独特な髪型の兄貴分だった。
「守り代回収のヤツが休んじまってな…見張りは他に任せるから……佐古?」
佐古の元へ近寄る
久我は顔を強張らさせた。
毎回合コンだの風俗だの色々言っているような佐古が、話しかけても返事がなく一点を虚ろな目で見つめボッーとしている姿に戸惑いを隠せなかったからだ
久「っ!おい!佐古!聞こえるか!」
焦りを隠しきれない表情で佐古の肩を揺らしながら尋問する。
「…ぁっ?、え…あ、兄貴…?」
ハッとした様子で久我の方をちらりと見ると
まつげの長い整った顔がこちらを覗かせた。
「お前…どうした?ボッーとして…」
「あーー…はは、ちょっと昨日夜更かししちゃいまして…あと何か要件が…?」
「いい、後でいい。それよりな、一日夜更かししたぐらいでそんなになるか?無理してんだろ」
「いや…そんなことはないです…」
「まぁ、少しだけ頭痛がしますが…」
目を逸らしながら小さい声でバツが悪そうに話した
「でも、守り代の回収に行かせてください」
「はぁ?その状態で行かせるわけないだろ。
てか、今日のお前なんか真面目で異常だぞ…」
「俺伝説なんで行かせてください…」
「……そのセリフを言うことが出来たからまぁ… いいか。だが、回収だけしてこいよ。後、しんどかったら途中で帰ってきていいからな。そこらへんでぶっ倒れるんじゃねぇぞ」
「了解でーす…」
いつもの倍優しい発言に普通は驚くが、佐古は驚く気力も無かったため注意事項は守ることにし、黒篶街に行く事にした。
(ゔぅ…キツイ…頭痛い…)
事務所から黒篶街はそこまで遠くないものの、いつもの倍行くのに時間がかかる。
電柱に手をつきながらヨタヨタ歩きで回収元に向かう時、佐古は少し後悔しながらも役目は果たすという根気でなんとか立っているレベルだ。
それでもスタッフなどにはいつも通りに接し、アツいキスなどを避けたり可愛い女のコとも絡まないように淡々と守り代を回収していった。
運がいいのか暴れている輩も居ず、平和的に回収は終わった。
しかし、その後が佐古にとっての地獄の始まりだった…
(……)
ひどい倦怠感と疲労感のせいで目の前の視界がグラグラ揺れる感覚に佐古は惑わされていた。
(もう少し…早く帰れば、よかったかもなぁ…)
「はぁっはぁ…、はぁ…はぁ」
(あ…やば)
ドサッ
佐古は意思とは関係なく人気のない所の壁に倒れ込んでしまう
(ゔっ…あぁ…!無理だ…立てない…)
久我が言っていた忠告を思い出し、今出せる全力の力を足に込め、どうにか立ち上がろうとするも視界は全く高くならなかった
(う…っ…)
様々な危険に晒されている中、佐古の体には力が入らなくなってきており、ただ短く荒い呼吸を肩ですることしか出来ない。
街の騒音が段々と収まっていくように感じる
「…〜〜〜〜、〜〜〜」
(だれか…いる…)
視界が薄くなっていくとき、ぼやけた茶髪の髪とオレンジの服を着た男を最後に見て佐古の意識は途絶えた
続く…
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続きが気になるぅぅ