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#ご本人様とは関係ありません
地雷さんは↪️
『家来て』
元貴から来た短いLINE。
理由も時間の指定もなく、夜中に送られてくるってことは、
「…寂しくなっちゃったかな」
元貴は昔から人一倍孤独を感じやすい性格だ。
それは多分、元貴という才能に周りがついていけず、無我夢中に走り続ける彼を追いかける人が居なかったからだと思う。
走って走って、自分のしたいことをして、「みて!」って振り向いた後ろには誰もいない。
元貴はきっとそんな経験を重ねてきたからこそ、自分をひとりぼっちだと思い込んでいる。
涼ちゃんが、…俺が居るってこと、ちゃんと分かってほしいのに。
『わかった、すぐ行く』
俺はそれだけ送って最低限のものを持ち、元貴の家に向かった。
「おじゃましまーす、」
廊下は真っ暗で、人がいる気配がない。
「…元貴〜?来たよ〜、」
ミシッ、と廊下の奥から床が軋む音がする。
元貴がいるであろう方に歩みを進めると、突然寝室から伸びてきた手に腕を掴まれ、寝室に引きずり込まれた。
ベットに投げ出され、スプリングが大きく跳ねる。
「…っ、元貴…?」
目の前には、覆いかぶさるようにして俺のことを押し倒している元貴が。
「…な、に…?どうしっ、ひっ…!」
言い終わらないうちに首筋に舌が這う。
「っ元貴…!やっ、なにっ…!?」
元貴は何も言わず、ただ死んだような虚ろな目で俺を凝視している。
なんだ、何かおかしい。いつもと違う。
今までは軽い暴力を振るわれることはあったが、ここまで密着してくることはなかった。
「…っ、も、元貴…?」
相変わらず何も喋らない元貴の頬に手を伸ばすと、ひんやりとしていて、まるで人形のようだった。
「…ねぇ」
ようやく口を開いたかと思うと、元貴は俺の手を強く掴んで捻り上げた。
「…っ、ぃた…!」
元貴は痛がる俺の顔をじっと見つめ、
「…悲しいなぁ」
そう呟き、俺のシャツに手をかけスルスルと脱がせていった。
「…っは…!?なっ、元貴…!?」
「静かにして」
ドスの効いた低い声で一瞥され、体が固まる。
なんだ、今日の元貴は。
おかしい。違う。
元貴じゃない。
「…っねぇ…!」
元貴は暴れる俺を諸共せず、服がはだけた上から俺の腹を優しく撫でた。
「俺、頑張ったんだけどなぁ…」
スリスリと腹を撫でられた後、そのまま手は上に上っていき、胸の突起をぎゅっと摘んだ。
「…っや…!元貴っ、やめっ…!」
「嫌だよ」
元貴の顔が近づいてきて、ちゅっ、と優しいリップ音がなった。
開いた口の端から舌を差し込まれ、唇が深く重なる。
強引で、どこか震えている元貴の舌。
…やっぱり、今日の元貴はおかしい。
「っ…んん、ふ、んぅぅ…っ」
「…かわいい」
元貴は唇を離すと、掠れた声でそう呟いた。
「…っ、元貴、今日っ、んっ!」
何があったの、と聞こうとした瞬間、喋らせないとでも言うようにまた唇を塞がれた。
今度はさっきよりも深く、お互いの舌が絡まり合う。
俺と元貴の間に、つうっ、とどちらのとも言えない唾液が糸を引いた。
「…わかい、」
元貴は酸欠で肩を上下させる俺の頬を両手で包み込むと、泣きそうな歪んだ顔で俺の名前を呼んだ。
「いなくならないで…」
その顔に、胸がぎゅうっと鷲掴みにされた気分になる。
「…若井だけ、若井だけなんだよ…、ずっと、お前だけ…」
「…っ元貴…、」
「何も言わないで。お願い、お願いだから…」
「…っ、」
わかった。いつもと違う理由が。
この気持ちは寂しさだけじゃない。
これは、元貴は、今……、
「…俺は、何をすればいい?」
元貴の手を俺の手で優しく壊れないように包み込み、目を合わせた。
ねぇ元貴、俺にできることならなんでもするからさ、
そんな辛そうな顔しないでよ。
元貴は一瞬顔を歪めた後、俺の手を掴んでベッドに押しつけた。
「…じゃあ、抱かせて」
新作です
元貴さんが若干病んでるので、何でも許せる方のみお願いします。
コメント
1件
もう神作確定だわ 更新楽しみにしてます!