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「……あら? おかしいわね」
永琳が俺の手首を掴み、その瞳を驚愕に見開いた。
「永琳? どうしたのよ、そんな顔して」 「姫様……信じられないわ。白だしのアミノ酸が薬と共鳴して、細胞の巻き戻しを『固定』してしまった。料理人、あなたは今、不老不死になったわよ」
「えっ……?」
俺が固まった、その一瞬の隙だった。
「「いただきますっ!!」」
「あっ、こら! 待てっ!!」
永琳が止める間もなかった。 何が起きたか理解していなかった霊夢と魔理沙だが、**「とにかくめちゃくちゃ美味しそうな匂いがする」**という食い意地だけで、鍋に残っていたスープを奪い合い、一滴残らず飲み干してしまったのだ。
「ぷはーっ! 美味しかったぜ!」 「……あら? なんだか、体が熱い……?」
直後、激しい光が二人を包む。 光が収まると、そこには高校生姿の霊夢と魔理沙が立っていた。しかも、その肌からは主人公と同じ「不老不死」特有の澄んだオーラが漏れ出している。
「あーあ……。やっちゃったわね」 永琳が額を押さえてため息をついた。
「これで、地上の巫女と魔法使い、そして料理人の三人が揃って**『不老不死の高校生』**になっちゃったわ。白だしの力で永遠の命を手に入れるなんて、月面史上のスキャンダルだわ」
「え、えええええええ!?」 霊夢が自分の若返った手を見て叫ぶ。 「私……死なないの? しかも、ずっとこの子供みたいな姿のままなの!?」
「いいじゃない、霊夢! これで一生、こいつの白だし料理が食べられるぜ! 異変解決も一生やり放題だ!」
「そういう問題じゃないわよ! 神社はどうなるのよ!」
騒ぎ立てる二人を横目に、輝夜は最高に楽しそうに笑い転げている。
「あははは! 面白い、面白いわ! これで幻想郷は永遠に賑やかになるわね。ねえ、不老不死の料理人。私たちの長い、長い『放課後』は、まだ始まったばかりよ?」
俺は空になった鍋を抱え、遠い目をして偽物の月を見上げた。 不老不死、そして高校生の姿。 五万二千円の修理費を返し終わる頃には、宇宙が終わっているかもしれない。
「……ま、いっか。死なないなら、究極の出汁を極める時間はたっぷりあるってことだしな」
こうして、博麗神社の居候(高校生・不老不死・料理人)の、終わりのない物語が幕を開けた。