最初は好きなのを描こうと思いまして、
日本とパラオですよ
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今日はあの人にまた会える日。あの人はいつかまた会えるって言って、パラオを逃がしてくれた。今日は再会の日。あの人の部屋で待ってるんだ。早く会いたいな、ないち。
「パラオさん、いいですか?」
ないちの声だ!でも話し方が違う?ないちも緊張してるのかな、
「いいよ!」
そう返事をするとゆっくりと扉が開く。そこから出てきたのはないちと少し雰囲気の似た、しらないひと。その人はパラオを見てこう言った。
「パラオさん!お久しぶりですね!元気でしたか?」
久しぶり?パラオはこの人を知らないのに、この人はパラオのことを知っているのかな。
パラオが返事をしないからか、その人はこう付け足した。
「少し緊張しているのですか?まあ、色々ありましたしね、僕は日本ですよ、元大日本帝国です。」
だいにっぽんていこく、ないちの名前だ。じゃあこの人はないち?でもパラオが知ってるないちじゃない。ないちは気が強くて、短気で、偉そうで、でもとってもかっこよくて、パラオを守ってくれる人だ。この人にパラオのないちのイメージに合うものはない。
「ないち?」
そう問いかけると、少し嬉しそうに笑って返事をする。
「はい!またそう呼んでくれて嬉しいです!」
いつか見たないちの笑顔とは違う笑い方。ああ、もうあのときのないちじゃないんだ。そう思った。
「うん!パラオもまたないちと会えてうれしい!」
笑顔を浮かべてそう返すと、ないちも笑って返事をしてくれる。でも、あの時とは違う、別の人と話してるみたい。パラオは、あのないちに会いたかったのにな。
「ごめんな」
日本が小さな声で呟いたその言葉はきっと誰にも届いていないだろう。
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なにこれ