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吉田:こちらのお部屋となっております。お荷物、こちらに置いておきますね。アメニティは洗面所の方に
佐野:ねぇ、博士、、だよね
監督はもう何個か上の階らしく、一旦エレベーターのところで待ってもらっている。だからこの部屋には2人っきり。荷物を運んでいる時も説明している時もホテルマンはずっと俯いていて、顔を見せてくれない
吉田:……洗面所の方にありますので、ご自由にお使い下さい
佐野:なぁ、、
吉田:説明は以上です。それでは
佐野:こっち見てよ
俺は目線を合わせるために、頬に手を当てて顔を上げる。…やっぱり
佐野:久しぶり
吉田:…なんで、ここに泊まりに来たんだよ、
久々に見た顔。この声も。変わってない。会えた。俺、会えたんだ。
佐野:監督の作品出るから
吉田:すごい、ね
佐野:…吉田仁人
吉田:そんな、氏名プレートまじまじ見んな
佐野:だって、名前知らなかったから
吉田:あ、確かにね
佐野:……名前呼びしてもいい?
博士は少し眉を下げて困ったような、照れてるような顔をしていたが、
吉田:好きにしろ
佐野:仁人
吉田:…うん
佐野:仁人
吉田:うん
佐野:仁人仁人仁人仁人仁人
吉田:うるせぇ笑、 てか、あの監督待たせてるから。それでは、失礼します
行っちゃった。なんか、名前を知ったことで前よりも距離が近くなった気がして、嬉しかった。もう少し、話したかったけど、仕事中だしな……でも、
悩みに悩んだ末、休憩時間だけでも聞き出せないかと思い、俺は早足でロビーに向かった
はぁ、まじか、こんな所で会うとは思ってなかったわ……名前呼び、ちょっと嬉しかったな。でもタイミングがなぁ
吉田:お待たせ致しました。お部屋ご案内しますね
監督:よろしく頼むよ、吉田君
アイツ、勇斗との再会の余韻に本当は浸りたい。でも、それ以上にこの監督、まじでセクハラやばいから、今はこっちに集中。女性の方々は本当にこの人に拒否反応してるから、男の俺が毎回担当してるけどさ、変わんねぇよ。俺、男だけど、毎回セクハラ発言されるし、触られるし。頼むから、何事もなく終わってほしい
吉田:こちらの部屋となっております
監督:お、いいねぇ、素敵な部屋じゃないか
吉田:ありがとうございます
監督:ねぇ、吉田君
吉田:お荷物こちらに置きますね、はい、どうかなさいましたか?
監督:本当に、可愛いよね
吉田:この部屋可愛いですよね、アメニティなんですが
ガシッ
吉田:…離してください
監督:そうやって、上目遣いで俺のこと見るのも、そそられるんだよねぇ
吉田:…私は、また監督にこのホテルに宿泊していただきたいです。ですが、これ以上私に手を出したら出禁になりますよ
いつもの流れ。腕掴まれてよく分からん口説き文句を言われる。そして、俺が出禁ってワードを出すとしょうがないねぇとか言いながら、手を出すのやめるんだろ、?
そう思っていたのに
監督:…もう、出禁になってもいいかなって、思ってたんだよね
吉田:え、、、ッ!?んぐッ、?!
何が起こったのか、一瞬分からなかった。気付いた時には俺は床に押し倒され、無理やりキスをされていた
は、?いつもの流れと違うじゃねぇか。気持ち悪い。最悪だ。抵抗してもビクともしない。誰かに、連絡しないと。非常用の携帯がポケットに、くそっ、、、腕を掴まれてて届かない、
監督:口開けて?
吉田:……
監督:なんで言うこと聞かないの?
吉田:……
監督:そんなに、悪い子だとは思ってなかったなぁ
吉田:ッ!?、、、ぁ”、、
なんで、?首、、絞めて、、息、できな、
吉田:ッハ、ッハァ、、ゲホッ、
監督:苦しかった?気持ちよかった?その涙目、いいねぇ
吉田:だれかっ、!たすけっ、、、ぁ、、
やばい。意識が、、遠くなりそ、
吉田:カハッ、、ハァ、、ッ、ハァ、ゲホゲホッ
監督:もっと、その顔見せてよ?吉田君が、俺の命令聞かなかったのが悪いよね?
何回、何十回、首を絞められ意識を失う直前でやめる一連の流れを繰り返された。 あぁ、俺、こんなので最後を迎えるんだ。もっと、やっておきたいことあったんだけどな。例えば、アイツともう1回、映画、、見たかったな。いや、こんな願いじゃなくていい。もう1回、顔、ちゃんと見たかった……
ドンドンドンドンドンドンドン
監督:…くそっ、、誰だ
遠くなる意識の中で扉を叩く音が聞こえる。そして馬乗りになってた監督が扉に歩いて行った。早く、今のうちに、逃げないと。なのに、気持ち悪さと、意識が朦朧としているせいか、体が動かない
ガチャ
監督:…どうしたんだい佐野くん
佐野:吉田さんいますよね?
監督:いや?もうとっくにロビーに戻ったよ
ぼやけた脳みそに2人の声が微かに聞こえる。え、この声、勇斗か、?
佐野:え、?でも、ロビーに確認したらまだ来てないので監督のところにいると思いますって
監督:入れ違ったんじゃないか?
佐野:…このドアチェーン外してもらえますか?
監督:なぜ?
佐野:明日のシーンの演技、教えて頂きたくて
頼む、俺に気付いて…
監督:今は俺、別の仕事あるから後でにしてくれる?
佐野:…分かりましt
吉田:はやと
まじで蚊の鳴くような声。俺の口から出た言葉は、俺の顔の手前ですぐに落ちた。でも、これが今の俺が出せる全力の声だった。やばい、脳は起きろと伝えているのに体が言うことを聞かない。次第に目が閉じていき、最後に聞こえたのは何かが壊されるような強い衝撃音と、俺の名前を呼ぶ声だった
佐野:え、?まだ戻ってきてない?
フロント:はい、まだ吉田さんはこちらには戻ってないです
おかしいなぁ、だってもう、俺の部屋を出てから30分以上経ってるのに。いくら監督と仲良い、?からってそんなに時間かかることある?
佐野:…あの、監督と吉田さんって仲良いんですか?
フロント:…仕事の関係上それは言えないです
佐野:あの監督、セクハラ酷いと思うんですけど、吉田さん、まさか
フロント:…ご存知なんですね。あの方のこと
佐野:まぁ、この業界では有名ですし。俺も被害受けそうになったことあるんで
フロント:そうですか…こちらで吉田を探しますね。なにか、伝えたいこととか
佐野:あの、はぐらかさないで、ほしい、です
この方の態度、明らかに動揺している。てことは、何かを隠してるもしくは、目処がついているから、その事態に脅えている、?
佐野:俺、吉田さんと知り合いで。だから、心配なんです。あと俺、男なんで、なんかあった時助けれるかもしれないし
フロント:…口外しないでくださいね。あの方のセクハラに女性はもう耐えきれなくて、ほぼ毎回吉田君に担当してもらっています。最初は何ともなかったみたいですが、話を聞く限りエスカレートしているみたいで
佐野:…エスカレート
フロント:言葉だけではなく腕を掴まれたり腰に手を当てられたり、終いにはキスをしようとせがまれたり……これ以上続くようなら出禁にすると話しているのですが、吉田君は一応お客様だから、利益のためにと言ってましたけど、もうこちらも傷つく吉田君を見たくないですし
佐野:え、やばくないですか、今
フロント:…はい。ですが、緊急用携帯は常備しているので、そういう事態になると連絡が来るのですが、今日はまだ……
佐野:部屋、監督の部屋、何号室ですか
フロント:え、それは
佐野:お願いします、教えてください。今すぐ行かないと、、!
佐野:はぁ、はぁ、、803号室、、ここか?
ドンドンドンドンドンドンドン
俺は出来る限り強い力でドアを叩く。
扉を開けたのは白々しい顔をした監督だった。どう見てもその態度は違和感しかなかった。ずっとチェーン外してくんないし。でも、粘ろうとしたがこれ以上話しても埒が明かないと思い、帰ろうとした時だった
吉田:はやと
佐野:、やっぱいるよな
絶対に聞こえた。
俺は馬鹿力を使って思いっきりドアを開ける。チェーンがものすごい音で分裂し残骸が床に散らばる。監督が俺の見た事のない行動に怯えている隙に部屋に入ると、床に何かが倒れてるのが見えた
佐野:え、、仁人、?、、っ、仁人!!
近づくとそれは横たわる仁人で、制服は無理やり脱がされたのか、ボタンがいくつも外れていた。首には赤い手形が、痛々しく、くっきりとついていた。口に耳を近づけると寝音は聞こえるから息はしている。してるけど、
佐野:…警察、呼びます
監督:ちょっと、待ってくれよ!これは、吉田君が俺を誘ったから、やっただけで
佐野:いつもの、監督の行動からして説得力無いですけど
監督:俺を警察に突き出したら、お前の、映画作品は無くなるんだぞ?それでもいいのか?
監督はまるで最後の手札のように、必死に伝えてきた。が、そんなの俺からしたら笑けるくらい弱っちい手札で
佐野:……もしもし、警察ですか、はい、、
次回最終話です
♥300こえ次第いきます
コメント
2件
次回最終話…? 毎日の楽しみがなくなるなんて…(泣) 1話から復習して次回も楽しみにしています!! ありがとうございました✨
うわっ……読み終わってしばらく動けなかった。仁人が監督にやられてるシーン、本当に息苦しくて、読んでるこっちまで痛くて。そんな中で勇斗が駆けつけてくれたときの「仁人!!」で涙が出そうになった。警察呼ぶ勇斗の選択、仁人の静かなSOSが届いた瞬間に救われた気持ちになったよ……。次回最終話、ちゃんと見届けたい。心して待ってるね。