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木兎さんが黒尾さんと孤爪に相談があるから会いたいと連絡を取ってくれて約束の日時と場所が決まった。
俺たちは近くのファミレスにて作戦会議を行っていた。
「なるほど。それで俺らは何をすればいいの?」
事情を話すと頼む前から協力する気満々な黒尾さんが聞いてきた。
孤爪も「できることならやるよ。」と言ってくれた。
「まだどうするかは決まってません。でも無駄に刺激するより俺が耐えてた方が…」
皆さんにまで危害が加えられることも無く安全って言おうとしたら黒尾さんに頭を小突かれた。
「お前はそーやってすぐ1人で抱え込もうとする!木兎と木葉!ちゃんとこいつの事見とけよ」
「もちろん。お前はもっと俺らを頼れ!」
木葉さんもそう言って俺の頭を小突く。地味に痛い。
「あかーし、前言ってたけど俺がお前の事迷惑だなんて思う事ないし、世界中の人にヒハンされても赤葦が好きなのは変わらないから!」
突然の告白に驚いてなんて返せばいいか分からなくなって「俺も大好きです。」って返してしまった。
「おぉ〜ラブラブ〜」
「見せつけてくれちゃって〜」
と黒尾さんと木葉さんが冷やかしてきた。
脱線してしまったが話を戻して先輩を懲らしめる作戦を考えていた。
そこで木兎さんが何か思い出したように口を開いた
「そういえば、修学旅行行く前に赤葦が先輩と自主練するって言った時木葉なんか言いかけてなかった?」
「そう、それ言おうと思ってたんだけどあの時は確信が無くて言うべきかわかんなかったんだよ」
木葉さんの話によると元からあの先輩は以前からいい噂を聞かったが特に目立った行動はなかった。ただ少し前に彼と親しくしていたように見えた2年のセッターはしばらくして部活に来なくなり退部したこと。それと最近彼女と別れて気が荒れているらしいこと。…とのことだった。
「本当にごめん。もっと早く気づけたかもしれないのに」
「木葉さんは悪くないです。あくまで噂だったんでしょう?真実は分かりませんし仕方ないです。」
そんなことを話していたら窓の外で例の先輩が同い年くらいの女の子に声をかけていたのを木兎さんが発見した。
「あれって…!」
「ナンパですかね」
しばらく様子を見ていると声をかけられた女の子は足早に去っていった。
すると黒尾さんが孤爪の方を向き孤爪が「絶対に嫌」と首を振った。
幼なじみってテレパシーでも使えるのだろうか、なんの事を言っているのか分からない梟谷の3人がキョトンとしていると
「作戦思いついたんだけど…」と話し始めた。
「つまり、孤爪が女装してナンパされるって事ですが…?そんなこと可能ですかね?」
「おれはヤダから」…と孤爪は乗り気ではないが黒尾さんが思いついた作戦は孤爪がナンパされる様に仕向けてそこを撮影するとのこと。向こうを写真で二人の関係を脅かしているのならこちらも先輩が困るような写真撮ってやろうぜ。だそうです。
「女装っつったってお前髪長いからほとんど変わんねーって!」
「でもそれ、先輩の弱みと同時におれの女装がばら撒かれるから!嫌なんだけど」
「お前だってできることならやるって言ってただろ?」
「できることなら!!これは無理!」
と黒尾さんと孤爪が言い争っている。
孤爪が嫌なら無理には…と口にしようとしたところ木葉さんが
「後から加工っていうか編集?したらいいんじゃね?」
と言い出した。
確かにそれが出来れば孤爪が男だって分かるような写真になり、彼女に振られて男に手を出したっていう構図が完成する。…上手くいくのかはわからないが…
「そんなに上手くできるもんなんですかね?」
「大丈夫!俺こういうの以外と得意だから!」
「よっ!器用貧乏!」
「うるせー」
そしてそれぞれの役割が決まった。
黒尾さんが孤爪の女装を手伝い、孤爪がナンパされるのを待つ。ナンパされているところを俺と木兎さんで写真に収めて木葉さんが編集する。
木葉さん調べによると部活がない日はいつもこのファミレスの近くの通りでナンパしているらしい。
次の部活がないのは明後日。
ということで決行日が明後日に決まり今日は解散した。
帰り道。
写真を撮られていたあの日以来、木兎さんと二人でいる時も何となく距離を開けてしまっていた。
今もせっかく2人きりなのに…
「あかーしさぁ」
木兎さんが突然話し出す。
「最近、俺と距離とってるでしょ」
図星をつかれて返事に困っていると、
「こんな事があって赤葦は心配してるんだろうけどちょっと不自然って言うかさ〜」
「ごめんなさ…」
「付き合う前より距離あるのは寂しいっていうか、赤葦はエンリョしすぎ!」
ちょうど家の前に着いた。
「それじゃ、また明日な!」
「はい。あの…..今日、寝る前に電話してもいいですか?」
木兎さんが満足そうに笑う。
「もちろん!」
……To be continued