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手に付いたメッキは一瞬のうちに蒸発し消えた。

絃葉「……と…とりあえず…缶類は置いておこう…」

僕はペットボトルの飲み物を放り込んだリュックを背負って、ここから見える原型を保った建物の中で、1番近そうな場所まで行くことにした。


少しの間歩いていると空が徐々に橙色に染まり初める

絃葉「……はぁ…はぁ…急がないと…」

折れていない街灯はちらほらあるが、電気が通っているようには思えない。おそらく夜になれば真っ暗闇になってしまう。そのため急がなければ駄目なのだが、瓦礫の山を急ぎ足で歩いていくのは流石に体力的に厳しい。

絃葉「…っはぁ…よいしょっ……」

そんなこんなで歩いてくうちに、どんどん辺りは暗くなってくる。

絃葉「……はぁ………っやばい…間に合わない…。…しょうがないしこの辺で夜を過ごすか…」

幸い今の季節は春で、暑くも寒くもない。ただ、いくら暖かい春でも夜は少し冷える。なので、なにか体を冷やさないための案を考える。

絃葉「カバンの中は特に温められそうなのないな…」

リュックの中を見てあることを思い出す。

絃葉「あ…そういえば結局飲み物飲んでない………」

ペットボトルの飲料なら大丈夫だと思いながらもさっきの事で少し抵抗がある。

絃葉「……まぁ…でも…少なくとも飲まなきゃ死んじゃうもんね…」

覚悟を決めキャップを開ける。

絃葉「色は大丈夫そう…」

そして口に含んでみる。

絃葉「……ん……ゴクッ………うん…全然大丈夫そう……」

ホッ…と思いながら飲んでいると、その飲み物の味でふと案が思いつく。

絃葉「あ、そうだ…ジンジャエールとか良いかも。」

生姜は体を温める効果がある…と聞いたことがある。もしかしたら、言うほどの効果じゃないのかも知れないが、春の温度ならいけるのでは?と思いジンジャエールを飲んでみる。

絃葉「…ゴクゴク………ん〜…どうなんだろ…」

正直効果は分からないが、気持ち程度にはなった。

そんな事を試している内に、辺りがほとんど見えなくなる程暗くなってしまう。

絃葉「……な…なんか…怖いな…」

前が見えなくなると他の五感が研ぎ澄まされ、風の音や草の匂いを鮮明に感じる。

絃葉「…一旦寝よう…」

少しでも温度を逃さないように、リュックを抱きしめ目を閉じる。


絃葉「………寝れない…」

気持ち的には深夜だが、いつもの時間で言えばまだ7時にもなっていない。それに、今寝たところで起きるのは真夜中になってしまう。

絃葉「………明日の行動でも決めておくか…」

僕は明日の行動を三段階で考えた。

1つ目 原型の残った大きな建物へ到着すること。

2つ目 そこを探索し食料や人を探すこと。

3つ目 次にどこに行くか、決めること。

絃葉「…ふぁ……」

一通り計画を立てた後、僕は眠りについた。


『貴方は良い子ね…言うことを聞けて、勉強もできてほんとに素晴らしいわ…』

『あんなに良い子だったのに…どうして…………

………っ………んっ?…」

僕は目を覚ますが、辺りはまだ暗いままだ。

絃葉「………とりあえず動いてみよっかな…」

ほとんど見えない状態で、月明かりを頼りに動いてみる事にした。

絃葉「…な…なんか動きづらい…?」

足が何かに覆われているような動きづらさを感じる。恐る恐る触ってみると…

絃葉「っ!?……な…なにこれ?………草?」

僕の足を覆っていたのは植物だった。

絃葉「…やっぱり植物の成長速度が異常に早い………」

昨日の苔の成長速度も異常だった。もうこの世界は、今までの常識は通用しないのかもしれない。

僕はとりあえず足に巻き付いた植物を引き剥がす。

絃葉「………よし…とりあけず剥がせた…」

そして立ち上がり月明かりを頼りに少しでも目的の建物へと進む。


絃葉「はぁ…はぁ………あ…太陽だ…」

結構な時間歩いていると少しずつ朝日が辺りを照らし始める。すると、先程まで見えなかった目的の建物の輪郭がくっきりする。

絃葉「おぉ!結構近くまで来てた!!」

そう喜んでいると、目的の建物の異変に気付く。

絃葉「…昨日より…苔が増えてる…?」

それだけでなく地面にも広い範囲で苔などの植物がはびこっていた。

絃葉「…ま、まぁ…一旦進もう…」

植物の成長速度はさておき、目的の建物まであともう少しだった。僕はだいぶと消耗した体力を振り絞り、目的の建物へと向かう。


絃葉「…ふぅ…ようやく着いた!」

僕はやっとの思いで目的の建物へ到着した。

絃葉「……よいしょっ…と……ここはたしか…ショピングモールだったはず……」

一部の壁も看板も周りの目印になっていた建物ですら崩壊しているので自信はないが、方角的な理由とこの大きさ的にショピングモールだったような気がしている。

いつもの自動ドアも崩れてしまいどこにあるか分からないので、崩れてできた穴から建物の中へと入る。

廃れた世界で僕は

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