「僕らって、どんな関係?」
いきなりどした?と聞いた瞬間思った。
どんなって言われても、「最俺」のメンバーとか、ゲーム実況者同士とか、友達……とかしかないだろ。と俺は思い、「今更なんだよ笑 フジらしくねぇな笑 」と苦笑しながら言った。
でも、その言葉が本当なのか分からない。
俺と、お前とではなにか違う、もっと、
今は上手く言えないけど、ほかの事があるんじゃねぇか?と心の奥底で思っていたが、上手く伝えられそうにないので、自分の気持ちに気づかない振りをした。
それからというもの、お前は俺の前から姿を消した。
うぃーす。どーもキヨでーす。
俺はキヨ。どこにでもいるゲーム実況者だ。自分で言うのはなんだが、どこにでもはいない。俺はすごいゲーム実況者だ。
個人活動に加えて、俺は「最終兵器俺達」略して「最俺」というグループに入っていて、フジ、ヒラ、こーすけと俺の4人で活動している。
今日も最俺で動画をとる約束をしている。マリオカートをみんなでやるそうだ。
「はぁ、1位10回取るまで終われませんってなんだよ……笑 キツすぎるだろ笑」とつぶやく。
でも、なんだかんだ言って、最俺メンバーとするゲームや実写動画は楽しい。
というか、アイツらといるのが楽しい。
動画外では暗いことで有名な俺だが、アイツらといると、自然と笑顔になれる。
「そろそろ最俺ハウスに向かうかぁ。行ってきます。」俺は誰かと住んでいるわけではないが、「行ってきます」と「ただいま」を必ず言う。
外に出てみると、ビビるほど寒かった。
もう12月だもんなぁ。俺は北海道出身だから、寒いのには慣れているがそれでも東京の冬は寒い。
今年は雪降るのかなーとか考えてる間に、最俺ハウスに着いた。
「あ、もうみんな来てんじゃん。」俺がそう言うと真っ先に声をかけてくれたのはフジ。
「そりゃそうだろ〜笑 ひっさしぶりにみんなで一緒に動画とるんだし、何よりマリカ1位10回取るまでおわれないんだぜ?笑 時間かかるだろうから遅れられないしさぁ〜笑 」とフジは笑いながら言った。
それに続いて、ヒラとこーすけも「1位とるぞー!」とか、「10回1位はキツイて笑」とか、動画を撮る前だがそれなりにみんなで騒いだ。
「そろそろ実況取り始めますかぁー。」マイクのセットを俺とフジで完了させたので、みんなに一言そう声をかけた。「おっけー」「よっしゃやるかぁ」「やるぞーー」と、みんなやる気満々だった。
メンバーとするゲームはやっぱり楽しい。
ヒラは安定的に上手い。フジはだいたい中間値の順位しか取れない。こーすけは下手だが、お決まりのこーすけ語録を言っていて今日も面白い。
そんなこんなで、マリカ実況を撮り終えた。
「あー疲れた。綾鷹のもー。」俺はいつものごとく、みんなのいるリビングのソファにどかっと座って、綾鷹を飲む。俺の一番好きな飲み物は綾鷹という程に、俺は綾鷹が好きだ。うめぇーと思いながら綾鷹を飲んでいると、「俺も綾鷹のむー!」とフジがにこにこしながら俺の方に近づいてくる。
「もう綾鷹これが最後の1本なんだよ。お前の分ないわ笑 」と苦笑して伝えたら、「俺が配信終わりに飲もうって思って今日買ってきたのにーー!!!!」とフジが騒ぎ出した。綾鷹1本でこんな騒ぎ出して……、こいつそんなに綾鷹好きだったか?と思いつつも、なんだか可哀想になってきたので、「しょうがねぇな。俺の飲みかけでよれけばこれやるよ。」といって綾鷹をひょいっとフジの手元に投げた。
そうするとフジが、「いらないよ、っ!!!?」と焦り、いきなりわけわかんないことを言い出した。
そんなに俺との関節キスが嫌なのか?あいつ、そういえば綺麗づきだったしもしかしたら潔癖だったのかなと思い、「あっそ」と冷たく返事をした。今思えば、あの時なんであんな冷たい返事をしたのか、自分でもよく分からない。
もしかしたら、フジに拒否されたのが少し悲しかった……?なんて一瞬思ったけど、俺に限ってそんなことないと言い聞かせた。
「そういえば最近、あいつ変だよなぁ。」気づけばふと独り言を言っていた。考えてみれば、1ヶ月ほど前に俺に彼女ができたといった時から対応が妙だ。
自分から言った訳ではなく、彼女の香水の匂いが移ったのか「キヨ、最近匂い違くない、?香水変えたりしたの、?」と不安げな顔でフジが問いかけてきた。「いや、自分では変えてないけど、久々に彼女が出来たから彼女の匂いがついちゃってるのかも。」と俺は事実を伝えた。こいつなら「バラされる」とか、そういう心配がないなって思ったからだ。
それを言ってからだ。フジの様子がおかしい。実況外ではなるべく俺を避けてるんだろうなぁ。とひしひしと感じる。あれっきり、ちゃんと2人きりで話したことは1度もない。
ちなみに、俺と彼女はもう別れた。あるあるだーと思われるかもだが、彼女の束縛が付き合う前とは比べ物にならないくらい増えて、俺から別れを告げた。
だが、俺はそのとこを誰にも伝えてはいない。伝える必要も無いし、なにより、知っているのはフジだけなんだから。
メンバーの中では、1番常識人で、しょーもない下ネタや話題に付き合ってくれる人でもあるフジのことが俺は好きだった。
もちろん、これは恋愛感情とかではなく、友達としてだ。第一、俺は男であいつも男。男同士なんて、ありえねぇだろ笑 と俺は思う。
ただ、学園ハンサムというゲームをして以来、「好きに性別は関係ない」とも思うようになった。だから、自分がもし「好きだ」と感じる人ができたのなら、俺はその気持ちに正直に生きたいと思ったりもしている。
フジに避けられてるまま、どんどん月日はすぎてった。今日も最俺メンバーで実写動画を撮っている時、ついには動画内でも俺を避けるようになった。あの日、俺が彼女いるって言ってからこいつは本当に変だ。もしかして、彼女ができて自分にはいないからって羨ましくて嫉妬してんのか?笑 と思い、別れた。という真実を伝えたらあいつも元の対応に戻るかなと思い、俺は実況後フジの元に行った。
「なぁフジ。この後ちょっと時間いいか?次の最俺の企画のことで話したいことがある。」
企画とでも言わないと、今のフジは俺と2人っきりで話をしてくれないだろうなと思ったから、申し訳ないがフジに嘘をついた。
「あ、キヨ、うん。何?ここじゃダメかな、?」
案の定、企画の話と言っても2人になることを避けようとしてくる。理由も分からず、変な行動や反応を起こすフジに俺はイライラしてきてしまった。だが、ここで声を上げるのが正しいことでは無いことがわかるほどの年齢である俺は、「いいからこい。」という言葉とともに、フジの手をグイっと引っ張った。
「ちょっと、キヨ、なんだよ。企画の話なんだろ?、こーすけやヒラには聞かれちゃ行けない内容なの、?あぁ、ドッキリとか、?ねぇ、本当に2人で話さなきゃダメなの、?」フジは完全に目が泳いでいるし、今すぐにでもここから逃げたいと言わんばかりの対応を見せる。ここ最近のフジは本当に変だ。俺は、こんな対応ばかり見せるフジに心底イラついていた。イラつきを出さないようにと自分を制御していたものが、2人っきりになった今プツンと切れた。そして冷たい声で
「簡潔にいうわ。お前最近変だぞ。俺が何かしたか?」とフジに問いかけた。
知りたかった。フジがなんで俺を避けるのか。
今はただ、いち早く知りたかった。
何かあったわけでもないのに、大好きなメンバーに避けられるなんて、さすがに俺も傷つく。
教えてくれ。フジ。と心の中で密かに願った。
少しの間沈黙があったあと、フジがやっと口を開いた。
「俺、そんなに対応変だったかなぁ、特に何かあったってわけじゃないしさぁ、キヨがなにかしたわけじゃないよ。」俯きながら、苦しそうな声色で言った。
これが、何も無いやつの言い方じゃないのだけは俺でもわかった。「なんだよ。遠慮はいらねぇよ。言いたいことあるならなんでも言えよ。あぁ、あとそういえば前できたって言ってた彼女はもう別れたぞ。もしそれで、自分にいないから嫉妬して対応変えてたなら元のフジに戻れーー俺も非リアだぞ笑 」俺は付け足すようにそう言った。
そう伝えるなり、「そう、なの?」とフジは言う。
ふと、明るい声色に変わった。そんなに俺に彼女できたの羨ましかったのかよ……笑 安心した俺は、「俺が非リアじゃなくなったからって変な対応するなよー笑 フジにだっていいとこ沢山あるんだからさぁ、すぐに彼女できるよ。」そうフジに伝えた。すると「……キヨって、鈍感だよね。」そう、困ったような、安心したような顔でフジは言った。意味がよく分からないが、あいつの声が明らかに元気になってたから、良かった。と俺は思った。
「んじゃ、俺そろそろ行くわ。企画の話って言ってたけど、これ言いたかっただけだからさ。」と言ってこの場を後にしようとしたときだった。
「キヨ、!!!!!!」
フジに、呼び止められた。いきなりのフジの大きな声に、俺はびっくりした。
「なんだよ笑」俺は笑いながらフジの前に戻ってきた。
「俺、キヨのこと、」フジが何かを言い出したが、最後まで言わなかった。
「なんだよ笑 気になるだろ!!笑」俺はそう言ってフジの肩を軽く叩いた。その途端フジの顔がみるみる赤くなっていく。熱でもあるのか?と思ったが、あんなに大きな声が出せたんだ。熱は無いだろうと思い、フジも何も話さないので今度こそこの場を後にして編集室へ戻ろうとした。
その時だ。フジが俺にたいしてよく分からないことを言い出した。
「ねぇキヨ、最後に1個聞かせて。」
「なんだ、いいぞ。」
「俺たちって、どうゆう関係?」
らしくないなぁと思って、俺は無神経にも「なんだよ笑 フジらしくねぇな笑 」と苦笑した。
「いいから、教えて。キヨは俺の事どう思ってる?どうゆう関係、?」
フジの声が妙に真剣だった。そんなこと考えたことないが、初めに出てきたのは、「好きな奴」だった。
「どう思ってるかって聞かれたら好きに決まってんだろ。関係……はメンバー?仲間?とか。」
フジの顔がぱぁぁっと明るくなる。すごく嬉しそうな顔をしてこう言った。
「キヨと、俺、両思いだったんだね、俺、今すごく嬉しい……、ねぇキヨ、俺も大好……」
「やめろ、俺はそうゆう意味の好きじゃねぇよ、第一、なんだよ、?フジは俺のことが好きだったのか、?」フジの話を遮るように、俺はこう言った。
理解ができなかった。フジは俺のことが好きだった、?だとしたら、今まで変な行動をしていたのも、全部全部、俺のことが好きだったから、、?
「俺のことそうゆう目で見てたんだ。そうゆうの、無理。俺はお前のことそうゆう目では見れない。」今の俺は、フジの気持ちを拒否する以外にできなかった。初めてだった。男に好きだと言われるのは。
分からなかった。今までずっと友達として、メンバーとして接してきた相手に恋愛感情を向けられてたと知った今、なんて言ったらいいか、この先どう接して行けばいいか、何もかも分からなかった。
この時、なんで俺はあんなに冷たい言葉をフジに向けてしまったのか、自分でもよく分からない。そしてあれからずっと、フジには会ってないし連絡もとっていない。
「フジがいなくなってから、もう1ヶ月だね、」ヒラが心配そうな声色でそう言う。
「誰が連絡しても、既読しかつかないなんておかしいよね、絶対なにかあったんだよ。」続けてヒラが言うと、「絶対そうだな。あいつ、絶対なにかある。」とこーすけも言う。
フジが消えたあの日に、自分がフジに言った言葉をあれからずっと俺は後悔している。
俺のせいで、フジが消えたんじゃないか。俺のせいで、全部俺のせいで、そう考える度に、怖くなるのと同時に、フジにすごく会いたくなった。
ゲームだって、あいつとするのが好きだ。話すのだって、実況だって、実況外だって、今思い出すと、俺がどれだけフジのことが好きだったのか、あいつが俺にとってどれだけ必要な存在だったのかに気づく。今更気づいたって、遅いかもしれないのに。
フジに関節キスを嫌がられたあの日だって、好きな奴に拒否されたのが辛くて、悲しくて、俺は素っ気ない返事しかできなかったし、どんな関係?と聞かれた時、友達じゃない、メンバーでもない、もっと他の関係にあいつとなりたいと思っていたから上手く答えられなかったんだ。と今になって気づいた。遅すぎる。今更、自分の気持ちを理解した。そして同時に好きな奴から「そうゆうのむり。俺はお前をそうゆう目で見れない。」と言われた時のフジはどうゆう気持ちだったのかにも気づいてしまった。
自分の気持ちに気づけた今、俺が最も早くするべきことはフジに会いに行くこと。会えなきゃ何も始まらない。そう思った俺は、会うための協力をしてもらう為にメンバーにあったことを全て話した。そして、話し終わった時だった。
……パシン
俺はヒラから頬を叩かれた。
「キヨ、キヨ、なんてこと言ったんだよ。もっとさ、フジのこと考えて言うことできなかったわけ、!?今さら、自分の気持ちに気づいたって、遅いんだよ、!?俺はさ、フジからキヨが好きなんだっていうのは聞いてたんだ、だから前ずっとふたりがなんかギスギスしてるなっていうのにも気づいてはいたよ、だけどさ、キヨ、お前なんてこと言ってんだよ、!!!!!!!!!!」
ヒラにしては珍しく、俺に向かって本気で怒っている。こーすけもだ。
「メンバーとして、友達として、もっとあいつの気持ち考えてやれよ、お前それでも友達か、?お前を好きになって、そんなことを言われたフジの気持ち、想像してみろよ、、そもそも、なんでずっと隠してたんだよ、俺ら、そんなに信用ないかよ。」
2人して、本気で怒っている。
当然だ。フジと俺との間にこんなことがあってからずっと音信不通。もちろん、フジの個人チャンネルの動画も上がっていなくて、フジが本当に生きているのかすらも分からない状態で、ずっと俺は自分が悪かったって、認めるのが怖くて、自分の気持ちに気づいたらもっと罪悪感がつのる気がして、この話は誰にもしなかったし、自分でも考えないようにしていたんだ。
ダメだよな。俺。友情であれ恋愛感情であれ、ずっと友達やってきた中で「好きだ」って気持ちに変わりはなかったのに。
今になってやっと、自分の非を認める。そして自分の気持ちを認めることが出来た。
「俺、フジに好きだって言われたあとから、ずっと真剣に考えた。それで、気がついたんだ。……俺も、あいつのことが好きなんだって。お願いだ。フジを一緒に見つけて欲しい。ずっと音信不通だけど、あいつは今でもどこかで生きてるって俺は信じてるし、そうじゃなきゃ絶対だめなんだ、」
ヒラとこーすけに俺は伝えた。今は恥ずかしいとか柄でもないとか、そうゆう気持ちはどうでもよかった。好きだから、本気で会いたいから、フジを探すのを手伝って欲しいということを伝えたかった。そして、絶対に見つけてフジに「ごめん。」って言うんだ。そして、「大好きだ。」って伝えるんだ。
神様がいるとしたら、お願いだ。フジともう一度会わせてくれ。俺、お前にこんなことして、謝れもしないままお別れなんて嫌だ、
心の中で、そう祈る。
ヒラとこーすけは力強い声で
「「当たり前だろ。一緒にフジ見つけ出すぞ。」」と言ってくれた。
こんな時に思うのもおかしいが、本当にいいメンバーだ。こんな俺に呆れただろうし、きっと俺なんか死ね。とも思っただろうに、俺のフジに会いたいっていうワガママに付き合って、一緒に探してくれるんだ。
そうと決まったら、探すぞ。と俺たちは夜の東京に出かけた。外は1℃。息を吐くと白くなる。
だが、走っているせいか、寒さはあまり気にならなかった。効率を重視するために、俺たちはばらばらになってフジを探している。
心当たりのある場所を当たるか……と思ったが、フジが行きそうな場所なんて、俺には分からない。
「俺……、あいつのことなんも見てなかったんだな、」虚しくなってきた。好きなのに、大好きなのに、俺は全然あいつのことを知らない。あいつの事を見ていなかった。
あいつが離れて、いなくなった今気づいたなんて、本当に大馬鹿者だ。
3時間ほど、走り回ったが、結局どこにもフジはいなかった。
本当にフジがいなくなってしまったのではないかと、俺は内心気が気じゃなかった。
手がものすごく冷たい。冬の夜は本当に冷える。だが、それ以上に今はあいつがいなくなることへの恐怖で体も心も冷え上がっていた。
その後も俺とヒラとこーすけで、それぞれ必死に探し回ったが、フジが見つかることはなかった。
「、っあいつはどこにいんだよ、もう、会えないのかよ、」俺は泣きそうだった。もう、どうしていいか分からず、俺はダメ元でフジにLINEをした。
「フジ。ごめん。俺、あの時のこと本気で悪いと思ってる。それと、俺フジに伝えたいことがあるんだ。だから、俺ともう一度、会ってくれませんか。」
さらに3時間くらいたっただろうか。時刻は深夜3時近くになっていた。
「そりゃぁ、会いたく、ねぇよな、ぁ……」俺は泣きながらそう呟いた。その時だった。
ピロン
「フ……ジ、?」フジから1件のLINEが届いた。
すぐさまフジとのLINEを開く。そうすると、フジからの内容に俺は驚愕した。
「キヨへ。俺、あの時早とちりしてあんなこと言って本当にごめん。俺もあの後ひとりで長い間考えたんだ。やっぱり俺が悪かった。だから、キヨが謝ることは何も無いよ。
キヨにああ言われた日。正直どうしていいか分からなかったし、こんなに拒否されると思ってなかったから結構なダメージを受けたんだ。
でも、好きだって気持ちだけは、変わらなかった。でもこの気持ちも時期に無くなるよ。
そしたら、もうキヨに拒否されなくなるし、キヨも俺との事で気まづくならなくなるし、俺の事で悩むこともなくなると思うし、これでいいと思うんだ。
キヨ、俺ね。今から━━━━━と思う。」
というメッセージとともに、写真が1枚送られてきた。そこは屋上。フジの住んでいるマンションの屋上だった。さっき家に行った時、フジがいなかったのはそうゆうことだったのか、
「死なせるわけないだろ。今から行く。」そう一言LINEをして、俺は夢中で走ってフジの家に向かった。
ねぇフジ、俺がお前を死なせると思う、?お前がいなくなって、何もかもから解放されて、清々しいだなんて思うと思う、?
……思うわけねぇだろ、お前はあの時好きだって俺に伝えたことすごい悪かったと思ってるみたいだし、後悔してるけどな。俺にとっては、自分の本当の気持ちに気づかせてくれるきっかけになった「大切な言葉」だったんだ。
俺があの時言った「最悪な言葉」だって、ちゃんと面と向かって謝れるまで、お前を死なせるわけないだろ。
ちゃんと謝って、大好きだって伝えて、ずっと一緒にいて欲しいって伝えるんだ。
そして、20分ほど走った。とにかく足を止めずに走り続けた。フジの家まで、フジのいる所まで、全力で走った。
ねぇフジ、お願いだから生きていて。フジに伝えたいことがまだ沢山残っているんだ。
ガタン、ガタッガチャ
「フジ!!!!!!!!!!!!!!」
「キヨ、なんでここに、俺、もう今から……」
「うるせぇ!!!!、死なせねぇよ、!俺、フジに直接会って謝りたかったことも、伝えたかったことも沢山あるんだ、!!」
「も、もしかしてキヨ、あの時のことまだ気にしてる、?それなら俺が全部悪、」
そう言いかけたフジの言葉を俺は遮ように、
「お前が悪いわけねぇだろ!!!、何言ってんだよ、!!!全部自分のせいとか、勝手に思い込んで、俺のために死のうとするとかさ、おかしいだろ!!!!、悪いのは俺だ、フジからの好意に少しも気づけなかった。俺、男に好かれたのも初めてで、パニックになってあの時はあんな最低なことを言ってしまった。あれからフジと連絡が取れなくなって、ずっと考えてた。本当に悪いことをしたなって。同時に、フジから聞かれた内容についても、考えてみたんだ。俺あの時フジとの関係ってなんなんだろうって、上手く言えなかった。もちろん友達だし、最俺のメンバーだっていうのはわかってたけど、もっとほかに俺たち2人にふさわしい何かがあるんじゃねぇかって思ったんだよ、それで、ここ何ヶ月もずっと会いたくてでも会えなくて、フジが居ないのが辛くて、寂しくて、フジが俺にとってどんなに大切な存在だったのか実感した。そこで自分の気持ちの答えがわかったんだ。」
「……、?」フジは涙を流しながらも、俺の最後の言葉にきょとんとしている。
「フジ、俺はフジのことが好きだ。俺はフジと恋人になりたい。」ずっと伝えたかったことを、今全部伝えた。恋人だ。俺は、フジとそういう関係になりたかったんだ、
「キ……、ヨ、は、俺のことが、恋愛感情で、好、き、……なの、?」泣きながらのかすれたフジの声が聞こえる。
「あぁ、俺はフジのことが好きだ。もう一生フジを泣かせたりしない。ずっと離さない。もう絶対、1人にはさせない。」
その後フジはずっと俺に抱きついて離れなかった。フジは、「夢じゃないよね……」とへにゃっとした顔で言ったあと、泣き疲れてしまったのか、俺の腕の中ですぐに寝てしまった。
「可愛いやつだなぁ、これからは一生俺のフジ。」とぼそっとつぶやくと、「えへへ、キヨは俺のだぁ〜」とフジが言う。起きてたのか?と聞くと、いまさっきね。とフジは言った。
こんなに可愛くて、優しくて、面白い、大好きな人はフジだけだよ。
友達として、メンバーとして、そして今日からは恋人として、俺は一生フジだけを愛すよ。と心の中で誓った___。
コメント
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ちょロマンチック……好き😭
え、え、え、え、天才ですか?文豪すぎませんか大好きなんですけどほんとにえ、?ガチめに小説書いてる人の中でダントツで好きかもしれないですほんとに…え?ちょっとほんとに好きです…