テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
20,479
『何色の薔薇で染めますか?』〜私の白い薔薇を染めるのは〜
第10話 『ルール違反を犯す』
今日はアモンと過ごす最後の日。
アモンは私に『15時に庭に来てくださいっす。』と、誘われた。
『ちょうどお三時の時間だから何かスイーツでもあるのかな?』
私はワクワクしながら庭へ向かう。
『ここはこうして…。よし、出来たっす。あ、主様が来ちゃうっす。急がないと……。』
『アモン、お待たせ。』
『あ、主様!は、早かったっすね。すみません、もう少しだけ待っててくださいっす。』
『うん、わかった。』
アモンはそそくさと屋敷に走っていく。
『この薔薇アモンが生けたのかな。凄く綺麗…。』
私はテーブルにセッティングされた薔薇を眺める。どうやらアモンが私の為に用意してくれたようだ。
数分後。
『お待たせしましたっす。主様、今日は俺とティータイムを楽しみましょうっす。』
そう言ってアモンは紅茶を注ぐ。
『甘い香り…』
『ローズティーっすよ。俺が作ったんす。そしてこれが、俺の特製スイーツっす。』
コトッ。
アモンは私の前にお皿を置く。
白いお皿にはバラの花弁が散りばめられ、真ん中にはチョコで作られた薔薇と、アモンの好物のイートンメスが置かれていた。
『凄く美味しそう…。』
『全部主様のために作ったっす。』
『ありがとう、アモン。早速頂くね。スプーンは…。』
と、スプーンを探すとアモンが私の隣に座る。
そして、イートンメスを掬い、口元に運ぶ。
『俺が食べさせてあげるっす。はい、あーん。』
『え、えっと…』
『今は俺と二人きりなんすから。ね?』
『アモン…。』
ちょっぴり恥ずかしいがアモンのせっかくの厚意を無下にしたくないのであーんを受け入れた。
『どうっすか?』
『甘くて凄く美味しい…いちごと薔薇の相性が抜群…』
『頑張って作った甲斐があったっす。』
アモンは嬉しそうに顔を赤く染める。
イートンメスが食べ終わるまで、アモンにアーンされ続けた。
『ご馳走様でした。美味しかったァ。ありがとう。アモン。』
『どういたしましてっす。』
『この1週間アモンにはドキドキさせられてばかりだったな……。』
『いつも以上にドキドキしたっすか?』
『ふふ、うん。でも、嬉しいよ。アモンにドキドキさせられるのも…悪くないかな。』
ドキッ。
ほんのり頬を赤く染めながら俺に微笑むその顔にまた恋に落ちてしまう。
『寒くなってきたね……そろそろ屋敷に入ろっか。』
と、その時だった。
ガシッ!
アモンは私の手を掴む。
『アモン…?』
『もう、このまま…主様のことを攫ってもいいっすか?』
『え…?』
『俺は、本気で主様のことが好きっす。他の誰にも渡したくないって思う程に……。』
アモンは私の手を自分の唇に当てる。
『ん…っ。』
くすぐったい感触に声が漏れてしまう。
『アモ……っ。』
『…なんて、冗談っすよ。ルール違反っすよね。でも…それくらい本気ってことは忘れないでくださいっす。』
『う、うん……。』
その日の夜――
『まだ、顔が熱いなぁ……。』
私は窓を開けて熱くなった頬を夜風で冷やす。
『……アモンいつも以上に積極的だったな。…調子狂う。』
一方その頃――
『…何言ってんだよ俺…主様のこと困らすだけなのに……。』
俺はベットに突っ伏す。
『……主様の前ではついカッコつけたくなるんだよな…はぁ…。』
心乱されてしまう。貴方のその姿に。
次回
第11話『捧げたいもの』