綾橲の死因は事故死。
不運だった、としか言えない。
相手が飲酒をしていたかららしい。
其れを知った時、俺は泣けなかった。
そりゃ笑うこともしなかったが。
その後も只々無感情で在れるように、
勉強に没頭した。
無心で書ける心地が邪魔を入れないから。
友達と遊んでも君を想い出してしまうから。
何処へ行っても何をしても君だけを。
でも写真フォルダに入っている
想い出は消す気なんて無かった。
君が本当に俺から
消えてゆくようだったから
消したく無かった。
雄阿「 ごめんな、綾橲 」
俺が守れなかった事と
「 愛してる 」を返せなかった意味を込めて
綾橲を忘れないように
ぶっ壊れてる俺の記憶に留めておけるように
毎日此れだけは言う。
そして想い出して泣かないように
眠りにつく。
… だって泣き虫は綾橲だもんな。
泣いた綾橲の頭を撫でるのは
俺だもんな。
俺は綾橲に涙なんか魅せない。
男として、君の彼氏として、慰めてた側として。
もう一回聴いてくれないかな、
「 愛してる!雄阿くんは? 」って。
そうしたらちゃんと
「 愛してるぞーっ!笑 」
って返すから。
また笑って、また泣いて
また愛し合って、また _____ 。
どうか神様、
綾橲が戻ってきてくんないかな。
俺に必要なのは綾橲だったらしいよ。
矢っ張り愛していたんだ。
嗚呼、また目が霞んでゆく。
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