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「テオ、失礼しますよ────っと、あら、お取り込み中でしたか?」
マネージャーの成瀬さんが、にやっと笑いながら入ってきた。
俺はビクッと体を震わせ、慌ててテオを押しのけてソファから起き上がった。
「だ、大丈夫です……!!」
息を整えながら、必死に距離を取るが
心臓はまだ大きく音を立てていた。
対するテオは、何事もなかったかのようにソファの端に座り直し
平然とした顔で成瀬さんを見上げた。
俺だけが動揺しているのが、なんだか悔しくて
冷静さを保とうと必死だった。
◆◇◆
帰り道の車内
タクシーの後部座席に揺られながら、窓の外を流れる夜の街並みをぼんやりと眺めていた。
テオが隣に座っているだけで、さっきの控え室の出来事が頭をよぎり、胸がざわつく。
「……なぁ」
不意にテオが話しかけてきて、俺はドキリとした。
「はい?」
「今日のイベント、どう思った?」
「え? そりゃ驚きましたし…思ったよりお客さんも落ち着いてて、一安心しました、かね」
正直な感想だった。テオが公に俺を番だと宣言してくれたことで
胸の奥にあった重いものが少しだけ軽くなった気がした。
「そうか……ならいい」
テオがそう呟き、窓の外に目をやる。
その瞳は、街灯の光を反射して
どこか優しく温かかった。
つい見惚れてしまい、視線を逸らせなかった。
こんな瞬間、彼がただのスターじゃなく
俺のそばにいるただのテオなんだって、強く感じる。
帰宅後
マンションに戻ると、テオは部屋着に着替えながらぼそっと呟いた。
「あっちで食ったの惣菜パンぐらいだったし、なんか腹減ったな」
確かに、イベントの合間に軽くパンをかじっただけだった。
俺も、緊張で忘れていたが、空腹がじわじわと腹の底から湧いてくる。
「それもそうですね…でしたら、今から簡単なもの作るので、テオは座って待っててください」
「悪いな、なんか手伝うか」
「いえいえ、すぐ作っちゃいますから」
俺はキッチンに立ち、冷蔵庫を開けた。
卵がある。ハムもある。
ネギも少し残ってる。
よし、チャーハンでいいか。
簡単で、テオも好きなはずだ。
頭の中でメニューを決め、早速準備を始めた。
フライパンをコンロに乗せ、強火で一気に熱する。
ジュワッと音がするまで待って、油を引いて全体になじませる。
溶き卵を流し込み、半熟のうちにご飯を投入。
ヘラでご飯をほぐしながら、素早く卵と混ぜ合わせていく。
米の一粒一粒が卵でコーティングされ、黄金色に輝くのがたまらない。
次に、ハムを小さく切り
ネギを小口切りにして加える。
シャキシャキとしたネギの香りがキッチンに広がり、食欲をそそる。
塩コショウと醤油を少々加え
焦げ付かないようにフライパンを煽りながら
全体に味がなじむように炒める。
パラパラになるまで炒め続けると
香ばしい醤油の匂いがキッチンに充満し、思わずゴクリと喉が鳴った。
味見をして、ほんの少しだけ醤油を足す。
完璧だ。熱々のチャーハンを大皿に盛り付け、最後に彩りで刻みネギを散らす。
「お待たせしました」
湯気を立てるチャーハンをテオの待つテーブルに運ぶ。
「うまそうじゃん……って、お前のは?」
「あぁ、俺はお腹すいてないので…」
そう言いかけた瞬間、タイミング悪く腹がグゥと鳴った。
恥ずかしさで顔が赤らむと、テオがくすっと笑った。
「やっぱお前の腹も正直だな。……ったく。ほら、取り分けてやるからお前の皿も持ってこいよ」
「えっ、そ、それはさすがに悪いですし…!」
「だからって今から作り直してても時間食うだけだろ。いいから大人しく持ってこい」
「じゃあ……お言葉に甘えて」
新しい皿を持ってきて、テオに盛り付けてもらう。
「いただきます」と2人揃って手を合わせ
レンゲをチャーハンに差し込む。
ひとすくいして口に運ぶと、香ばしい醤油と卵のまろやかな風味が広がった。
「うっま」
テオが漏らした一言に、俺は嬉しくなる。
「ほんとですか?」
「あぁ、マジうまい」
パクパクと食べ進める彼を見ていると、胸が温かくなる。
「翼の飯食うようになってから、なんか外食とかするよりこっちの方が好きになったわ。料理上手だよなお前」
「ありがとうございます。でも本当に大したもの作れないんですけどね」
「いや、充分うめぇよ。このチャーハンなんて店出ていいレベルだし」
そう言われると、素直に嬉しい。
誰でもできる料理だと思うけど、テオが喜んでくれるならそれだけで十分だ。
食べ終わると、キッチンに立って洗い物を始める。
「なぁ、翼」
ソファに腰掛けていたテオが、唐突に呼びかけてきた。
「はい?」
「今日……一緒に寝ないか?」
「……」
突然の申し出に、言葉が詰まる。
心臓がドキドキと高鳴り、頭が真っ白になる。
「な、なんでですか」
「なんでってそりゃ」
そう言って、テオは俺の腰に腕を回してきた。
「お前のこと抱きたいからだよ」
耳元で囁かれた甘い声に、体が固まってしまった。
こんなストレートに言われても、頭が追いつかない。
「そっ……そんないきなり言われても……! 言っときますけど、俺、今発情期じゃ───」
「発情期とか関係なく、普通に抱かせろ。キスだけじゃ充電足りなかったからな」
そんな風に言われてしまっては、断れるはずがない。
恥ずかしさで俯きながら、かろうじて声を絞り出す。
「……わ、わかりました。皿拭き終わったら行くので、寝室で待っててください」
テオがニヤリと笑うのが、視界の端でちらりと見えた。
寝室
一緒にベッドに入ったものの、心臓がバクバクとうるさい。
テオが隣に横になっているだけで、緊張で体が硬直する。
シーツの感触が妙に冷たく感じられ、部屋の静けさが余計に心臓の音を際立たせる。
「なぁ、翼」
「はい……?」
「こっち向け」
言われるままに彼の方を向くと、唇が触れた瞬間
ビクッと体が反応してしまう。
テオの舌先が口の中を撫でるように這い回り、頭がボーっとしていく。
気持ちよくて、思考が溶けていくような感覚。
「っは……あ……」
息継ぎの隙間から彼の舌が侵入し、歯列をなぞり
上顎を舐められると、ゾクッとした快感が走る。
唾液が混ざり合い、クチュクチュという音が部屋に響く。
「ふぁ……んぅ……」
苦しくなって離れようとすると、頭の後ろを押さえつけられ
さらに深い口づけをされる。
頭がボーッとし、与えられる快楽に溺れていく。
突然、胸の突起に触れられ、驚きの声が漏れる。
服の上から優しく摘まれると、ピリッとした刺激が走った。
「んっ……あ…っ!」
自分でも信じられないほど甘い声が出て
羞恥心に襲われる。
テオは楽しそうに「お前、ここ弱いんだな」と言い、今度は直接触れてくる。
指先で転がされ、爪でカリッと引っ掻かれると
電気が流れたような感覚に体が跳ねる。
逃げようと体を捻ると、背中に腕を回され
ガッチリとホールドされた。
そのまま片手で胸をいじられ、もう片方の手は下腹部へ。
ズボン越しに膨らみ始めたそこを撫でられ、腰が揺れる。
「あっ……やぁ……っ!」
直接的な刺激に体がビクッと反応する。
「待たない」
テオの手がズボンの中に滑り込み、下着ごと脱がされる。
外気に晒された下半身が寒いはずなのに、テオの掌の熱さに火傷しそうになる。
緩急をつけながら上下に擦られると
先走りが溢れ、グチュグチュと卑猥な音が響く。
羞恥心と快楽で涙が溢れ、テオがそっと拭ってくれる。
「泣くなよ」
「だっ……て…こんなの……恥ずかしい……」
「大丈夫だって」
絶頂が近づいた瞬間、手を離され、行き場のない熱が体の中で暴れる。
「なんで……止めちゃうんですか……!」
意地悪な笑みに睨みつけると、再び口付けられ、舌が絡まり合う。
長いキスから解放されると、酸欠状態で肩で息をする。
テオは妖艶な笑みを浮かべ
「そろそろいいか」と言うと、俺の脚を開かせ
間に割って入る。
後孔に触れ、丁寧にマッサージされると指が一本入ってくる。
「痛いか?」
首を振る。指が中を探り
ある一点を掠めると、未知の快楽に襲われた。
「ひゃっ!? なに今の!?」
「ここか……」
集中的に攻められ、頭がおかしくなりそうだった。
「やぁっ……! そこだめぇ……!!」
「ダメじゃないだろ? こんなにも締め付けてくるくせに」
クスッと笑ってさらに激しく責め立ててくる。
「ああぁぁっ!!」
目の前がチカチカし、全身が熱くなる。
テオの指の動きが速くなり、絶頂を迎えた。
「おい、翼……一人でイキやがって……」
「すいません……でも……もう無理です……」
テオはズボンを脱ぎ、すでに大きくなったものを俺のアナルにあてがう。