「これでいいのか?」
冷え切ったベランダで、すぐ横にいるきんときに聞く。
きんときの表情はよく分からない。
「もちろん」
いつも通りの爽やかな声で答える。
「本望?」
思わず聞いてしまう。
「そうだね」
きんときは表情ひとつ変えずに返答する。
シャークんは諦めたようにして言う。
「ならいいや」
きんときはシャークんの手を握る。
「愛してるよ」
そんなことを言うものだから、照れながらも言葉を返す。
「うん、俺も」
ベランダにはもう、ふたりの姿はない。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!