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〚 自分なんて 〛
そう、そう思ってきた。
自分は無能でしかないと、価値のない人間だと
分かっていた。
でも、それでも
もしかしたら、まだ
まだ輝けるんじゃないかって思った
笑って生きていけるんじゃないかって、
そんな淡い期待を胸に抱いて
✄——————-‐✄
ん……、?
ここは……
目の前には大きな扉とその扉を囲むように
小さな扉がズラーっと並んでいる
『目が覚めましたか?』
目の前に急に現れた。
真っ黒な長い髪に赤い目
威圧感のある、そんな女性が立っていた
『貴方、ここにいる理由はわかっているの?』
確かに、何故こんなに冷静になれているんだろう
「分からない」
『そう、なら教えてあげる』
そう言ってその人は話し始めた
ここは、自分を探す場所。
闇に向かっている人間を立ち止まって考えさせる場所。
……らしい。
『どう?理解出来た?』
「……はい。」
俺は、無能だった。
仕事も勉強も何も出来ない。
いつもヘラヘラしているし
もう…何にもなかったのかもしれない。
でも、友達がいないわけじゃなかったから、
陽キャ
メンタルが強い
傷つかない
って思われていた。
実際の自分は弱くて
陰キャで
ネガティブで
傷つきやすい
そんなやつだった。
『ねぇ、貴方は何のために生きてるの?』
「生きてる…意味?」
俺が生きてこれた理由…
「叶えたい夢がある…から」
『…そう。』
『じゃあその夢が無くなった時どうするの』
「大事な人が…居るんだ。
そいつらを守り続けたい。」
『意志…はあるのね』
『その人達を守るためなら、自分の命なんて
なくてもいいの?』
「…無くていい。」
『ふーん…まぁいいわ。』
『しばらくここにいてもらうから
そこの部屋を使って生活して頂戴
ここでは何をするのも自由よ』
そう言い残して消えた。
生きる意味…無くなる時もある
死んでしまいたいと思う時の方が多い
けど意気地なしで勇気もないから
いけないだけ。
今まで死なないで来れた意味が
何かあるんじゃないかって…思ってしまう。
信じてしまう。
そんな事を考えながら眠りについた…