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20 - 第20話町散歩

2022年09月20日

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「ほらね? やっぱり朝日の方がずっと素敵でしょう?」

振り返ると、彼女が立っていた。

彼女の手には、昨晩一緒に選んだ花飾りがある。

「うん、そうだな」

そう言って微笑んでみると、彼女は嬉しそうな顔になった。

「じゃあ、行きましょう!」

元気よく言うと、彼女は私の手を引っ張った。

そのまま二人で玄関に向かい、靴を履いて外へ出る。

外に出てみると、やはり空気は冷たかった。

吐く息も白い。

「寒いわねぇ」

隣を見ると、彼女が呟いた。

「ああ、でも悪くないよ」

「えぇー、寒いじゃない」

「確かに寒いけどさ、こういうのもいいんじゃないかなって思うんだよ」

「ふぅん、いいじゃない。気に入ったわよ」

隣から声をかけられたのでそちらを見ると、ルシエラが微笑んでいた。

「おはようございます」

「えぇ、おはよう。……そうね、朝食を食べたら出かけましょうか?」

「はい!」

お城を出ると、すぐ目の前には広い通りが広がっている。

道に沿って立ち並ぶ家々からは煙突が出ていて、そこから白い煙が立ち上っているのが見える。

「それで、どこへ行くんですか?」

「まずは市場へ行きましょう。その後は教会へ行って、それから神殿かしら。貴方のお祖母様の事を調べなくてはなりませんし、それに――」

「ねぇ、見て下さい! あれは何かしら!?」

話の途中で遮ってしまったけど、気にしない。

それよりも、あんなに大きな建物を見た事がなかったんだ。

「あれは時計塔ですね」

「時計塔? じゃああの中に鐘があるのですか?」

「いえ、違います。中にあるのは歯車だけではありませんよ。ちゃんと心臓部となる機械仕掛けもありますからね?」

「いやあ、しかしですねえ、そもそも動力源がないじゃないですかぁ!」

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