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#東リべ
ぱなっぷ
17
53
#クロスオーバー
ココア☆
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――最悪の目覚めだった。 頭が割れるように痛い。昨日の宴会で悪魔たちが暴れ散らかした残骸の横で、俺は泥のように眠っていたらしい。重い頭をどうにか持ち上げると、いつの間にか部屋に入ってきていたリムルが、怪訝そうな顔で俺たちを見下ろしていた。
「お前らなにしてんの?」
頭痛すぎだろ、マジで……。
意識が完全に覚醒しきらない中、俺の脳内に突如、容赦のない割り込みが入る。
『ギィ「リムルんとこに悪魔が集まってるらしいじゃねーか、ディーノ。なんか面白いことでもあったのかよ?」』
「うわっ………」
心臓が跳ね上がった。よりによって最悪のタイミングでギィからの思念伝達だ。しかも、昨日の原初たちの乱入がもうあいつの耳に入っていやがる。
咄嗟に隣を見れば、子翠の奴も「ひっ……」と短く息を呑んで硬直していた。あいつの目、完全に泳いでるぞ。どうやらあっちにも何かヤバいところからの通信が届いているらしい。
「え? どうした? 」
突然同時に声を上げた俺たちを見て、リムルがますます怪しむように顔を近づけてくる。
「「ちょっとまって」」
俺と子翠の声が見事にハモった。必死の形相で手を前に突き出す俺たちに、リムルは気圧されたように一歩引く。
「なんかごめん」
お前が謝ることじゃないんだリムル。
俺は視線を必死に無視しながら、ギィへの言い訳を脳内で高速構築し、思念伝達を繋いだ。
【「え、悪魔?あーいるいる、でも雑魚よりちょっと上かなー程度のだぞ〜別に何もねーよ……」】
よし、思いっきり過小評価してやった。これでギィの興味が逸れてくれればいいんだが。俺は冷や汗を拭いながら、急いで思念をぶった切った。
チラリと横目で子翠の様子を伺う。あいつも何やら必死に脳内で誰かと会話しているようだ。
『ユウキ「もしもし?いやぁ君ほんとに真面目に偵察してるー?リムルさんって案外鈍感だから別に気づかないと思うけど……それとも寝返る気?でもさぁ、君があんなスライムの部下で満足できるとは思えないなぁ?」』
私の脳内に響いていたのは、異世界人である青年、ユウキからの思念伝達だった。神楽坂優樹、相変わらず軽薄な口調だが、その実、こちらの動向を完全に疑っている、冷徹な牽制だ。
(このスライム異常だよ。同時に原初3人とその配下計600に名前と肉体与えている。まぁ詳しいことは隙を見て抜けてそっちに報告に行くからさ)
言うだけ言って、強制的に思念を遮断した。お互いに背負っている裏事情が重すぎて、二日酔いの頭痛がさらに悪化しそうだ。
「本当にどうしたのお前ら」
不審気な視線を突き刺してくる魔王リムルに、私は一瞬でポーカーフェイスを作り直して手を振った。
「いやっ……何でも無い本当に」
「そうそう何でもない」
ディーノも全力で話を合わせる。とにかくこの場を誤魔化さなきゃ私たちの命(と平和で普通な生活)に関わる。
「……完全に二日酔いだよ」
「そうそう」
パッと思いついたナイスな言い訳に、ディーノも激しく同意した。そう、昨日の酒が強烈すぎたせい。悪魔と堕天使が二日酔いで同時にうめいていただけ。そういうことにしてくれ、リムル様。
◇◇
本当に心臓に悪い朝だった。
まさかギィとユウキから、ほぼ同時に突っつかれるなんて夢にも思わないじゃん。
私もディーノも、立場的にはどっちもスパイみたいなものだ。だから何が何でも誰から通信がきたのか、どんな内容だったのか、いや……それこそ「今思念伝達がきていたこと」自体を、リムル様には絶対に隠さなければならない。
ただ、私はリムル様から名前をもらって進化していたおかげで、隠蔽工作能力が以前とは比較にならないほど桁違いに跳ね上がっていた。あの超高性能なラファエルさんですら、私の脳内のやり取りには全く気づいていない様子だ。本当に助かった……。
この国で平和に(?)過ごすためにも、偵察してることだけは絶対にバレちゃダメだからね。このスキルには本当に感謝しかない。
それと――ディーノには、ユウキとの会話内容は黙っておくことにしよう。
あいつに余計な情報を与えても面倒なことになるだけだしね。どうせディーノの奴も、ギィと何を話してたか私には言わないだろうし。
「ディーノ、二日酔いなら特効薬の薬持ってきてやるから、起きて仕事しなよw」
「げぇっ、お前リムルの前だと急に真面目な部下のフリしやがって……!」
リムル様の目が届かないところで、私はディーノの脇腹を軽く小突いて脅しをかける。
お互いに「絶対に明かせない秘密」を抱えた同士、この鈍感で規格外なスライムの目を盗みながら、テンペストでのスパイ生活をうまく泳ぎ切ってやろうと、私は心に決めていたのだった。
コメント
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あら、第8話読んだよ!二日酔いで頭痛い中、ギィとユウキから同時に思念伝達来るの、タイミング最悪すぎて笑ったわw 必死に「二日酔いだよ」って合わせてごまかすところ、めっちゃヒヤヒヤしたけどリムル様にはバレてなくて助かったね。お互いスパイ同士で秘密抱えてるのに、リムル様の前で仲良く振る舞う感じ、好きだわ🔥 次も楽しみにしてる!