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第2話
冠番組の収録終わり。
辺りはすっかり暗くなっていた。
🧡「めめ、俺先帰るな」
康二が、バッグを肩にかけながら言う。
🖤「え、ちょっと待って、あと30分で打ち合わせ終わるから」
🧡「明日朝早いねん。写真の仕事」
🖤「あー…そっか」
でも一人で帰るのは寂しいから嫌だ。
康二と二人で帰るのが俺の楽しみの一つでもあるから。
🖤「じゃあ俺も一緒に帰る。打ち合わせ、明日でもいいし。康二と帰る」
🧡「だーめ。めめは打ち合わせ行かなあかん。」
🖤「えー」
🧡「家で待ってるから。な?」
そう言って、康二は笑った。
🖤「……わかったよ。気をつけて帰ってね」
🧡「めめこそな」
くるっと背を向けて、康二はスタジオを出ていく。
その背中を、俺はぼんやり見送った。
その時俺は、何も考えてなかった。
打ち合わせが終わったのは、深夜近くだった。
スマホを見ると、知らない番号から着信が何件も入っていた。
🖤「……?」
かけ直す。
すぐに電話はつながった。
🖤「もしもし」
🏥「こちら〇〇病院ですが——」
病院?
頭が一瞬、理解を拒んだ。
🏥「向井康二さんの関係者の方でしょうか」
心臓が、強く跳ねた。
🖤「……はい」
🏥「向井康二さんが先程、交通事故で搬送されまして」
世界が、音を失った。
🏥「現在、手術を——」
その後の言葉は、ほとんど覚えていない。
気づいたら、俺は走っていた。
なんで?
康二が事故に?
嘘だ、そんなわけない
だってさっきまで普通に、
普通にっ⋯⋯⋯⋯⋯
頭の中で、何度も同じ言葉が回る。
スタジオを出ていく康二のあの背中。
あの表情。
あの声。
いつもの康二。
それなのになんで⋯⋯
突然の現実味のない出来事に、頭は混乱しきっていた。
病院に着いたとき
廊下の空気は異様に静かだった
医師が俺を見て、ゆっくり口を開いた。
「……残念ですが」
その瞬間、世界が崩れた。