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せあ@SWAGです。
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『君の嘘が、俺の世界を優しく彩る』
【登場人物】
佐野勇斗 高校2年生
生まれつき聴覚に問題があり高校を卒業するまでに聴力を完全に失う(失聴)と宣告されている。最近は常に筆談が手話で会話している。
吉田仁人 高校2年生
声を出せないため筆談か手話で会話している。勇斗に手話を教えたのは仁人。ある日を境に勇斗を散歩に誘うようになる。
ある日勇斗の耳は水の中にいるようにこもりがちになっていた。
「…もう聴こえなくなんのかな…」
『勇斗、散歩行こ』
「…また?」
『うん…勇斗が嫌じゃなければ』
「別に…嫌じゃねぇけど…俺もうほとんど耳聴こえねぇんだよ…?それでも…良いのか?」
『だからだよ。勇斗の耳が完全に聴こえなくなっちゃう前にたくさん音聴いとこう?』
「…分かった。放課後な」
勇斗はそう言いながら仁人の頭を撫でた。
『…!また後でね//』
「…笑またな」
‐放課後‐
『勇斗の耳ってさどんな風に聴こえてるの?』
「…なんか、ずっと水の中にいる…みたいな」
『こもってるみたいな?』
「…そんな感じ、それとちょくちょく耳鳴りしてる」
『なるほどね』
「…俺怖いんだよ。耳が聴こえなくなるの。」
『そりゃ、そうだよね』
「何も聴こえなくなるのが死ぬほど怖い。」
『…うん』
「今は聴こえてても明日には聴こえなくなってる可能性だってある。何なら数時間後に。」
『そうだね』
「…俺が完全に聴こえなくなっても隣に居てくれる?」
『もちろん。居るに決まってるでしょ笑』
「良かった笑」
『はやと…すきだよ』
仁人が消え入りそうな声でそう呟いた。
「俺も。すきだよ」
勇斗の耳はこの言葉を最後に完全に聴こえなくなった。
それでも不思議と怖くなかった。仁人が、大切な人が隣に居てくれることが分かっているから。
「…聴こえない」
『…そっか。』
「…やっぱ怖い」
『聴こえないの怖いよね。でもね…』
『耳が聴こえないからって世界が終わるわけじゃないんだよ。だけど、離れていく人だっていると思う。 』
「…うん」
『でも、だからって誰しもがみんな離れていくわけじゃない。現に今俺がいるでしょ?』
「うん」
『辛さとか怖さを知ってる人は離れていかないよ。』
「うん…」
『実はね。俺も耳聴こえないんだ。』
「え?」
『生まれた時から、ずっと。何も聴こえない。』
「…怖くない?」
『…怖くない、わけじゃない。でも、俺にとってはそれが普通なんだよね』
「そっか…」
『だから、勇斗もいつかこれが自分にとっての普通だって思える日が来るんじゃないかな。 』
「来るかな…」
『今はそう思うかもしれないけどいつかきっと来るよ”普通”だって思える日が。』
「来たら言うわ。だから…離れないで。」
『離れないし何十年でも待つよ。だから、焦らないで。』
「うん……大好き。」
『俺も大好き。』
二人で声に出して言った3文字はお互い聴こえていない。
だけど、同じ言葉を言っている自身は持てる。いつか、これが俺の普通だって胸張って言えるときが来たらその時は─。
コメント
1件
うわあ……これ、めっちゃ刺さったわ……。 勇斗の「聴こえなくなるのが死ぬほど怖い」って本音、すごくリアルで胸が締め付けられた。それに対して仁人が「俺にとっては普通だった」って自分の経験を重ねて寄り添うところ、優しすぎて泣くかと思ったよ。最後に二人とも声に出して言った「大好き」が互いに聴こえてないのに、確かに同じ言葉を交わしてるっていうの、切なくて美しすぎる……。 この先、二人の"普通"がどう変わっていくのか、すごく気になる。続き楽しみにしてる🔥