ある日、先生が「勉強飽きたなら小説でも書けば?」と言ってきた。
「いやいやいや、先生。なんでそんな急に。私の語彙力知ってるでしょ。」
「紙とペンがあればできる暇つぶしなんて絵を描くか小説書くくらいしかないだろ。お前のその世間やら世界やらに対する気持ちを文字にしてぶつけて遺書代わりにでもしろよ。」
「あー、なるほど。遺書かぁ。いいかもしれない。」
私の暇つぶしが始まった。
書きたいことが山ほどあった。
家族、友達、学校、自分、未来について、この世界がどれだけバカげているか、書きたいことが止まらなかった。
………………………………
「ねえ、先生。ありがとう。楽しいよ。」
「そりゃよかったですよ。」
「…ねえ、先生。本当は少女淫行なんてしてないんでしょ?そのこともこの小説だか遺書だかに書くから本当のことを教えてよ。」
「……。」
先生はしばらく黙ったあと、重たそうに口を開いた。
「……やってないよ。」
その言葉を聞いて、私はガッカリしたような、安心したような気持ちになった。
「へぇー、つまんないね。先生も秩序を守るただの人間じゃないか。どーせ女の子にはめられたんでしょう。今流行ってるらしいよね。タチの悪い遊び。私はそんなくだらないこと絶対にしないけど。あー、でも先生とは本当にセックスしてみたいなぁ。……ねえ?」
「お前とヤったら本当の犯罪者だよ。児ポだよ、児ポ。わかる?」
「このくそモラル人間め。こんなチャンス二度とないのに、もったいないねぇ、先生は一生分の運をたった今使い果たしてしまって、それを無下にしたんだよ。」
「あー、それも悪くないなぁ」
こんな話をしていたら、世間とか、家族とか友達とか未来とかどーでも良くなってきた。
この小説だか遺書だかには先生との想い出を綴っていこう。この日々はきっと、かけがえのないものだ。
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