テラーノベル
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絃さんからの贈り物の箱を開けるとそこには可愛いペンギンが縁についているマグカップがあった。
とっても可愛いいそのマグカップはお家で飲む時に絃さんと一緒にお茶している感じになれる様な気がして嬉しかった。
そして私が贈り物を渡す時がきたがなかなか渡す事が出来ないでいた。
どう思われるかが気掛かりだったしこんな小さな小鳥のキーホルダーなんて長身のワイルドな男性は好みではないと思った。
しかしモジモジしている私に絃さんは
「どーしたユウユウ、トイレなら早く行ってきなさいっ!」
トイレなわけではないのをわかっていて多分気を使ってふざけた調子でこう言ってくれたのは十分に伝わっていた。
「違いますってば!」と言うと同時に贈り物を今度は私が差し出した。
絃さんはとても嬉しそうに包みを開けていた。
そしてあの小鳥のキーホルダーを取り出した。
「わっ!可愛い小鳥さんだな、嬉しいよ、ずっと大事にするよ。」
すかさず私ももう一方の小鳥キーホルダーを出して、「実はこれ、こういう風にくっついてペアのキーホルダーなんです…」
クチバシとクチバシが磁石でくっつくのを見せてそれを彼がどう思うかが気になった。
「あ、やっぱりだ。見た時すぐに一対のものじゃないかな⁈って思ったんだよ。余計に嬉しいよ。絶対大切にしないとな。」
私はホッとした。
自分の思いの詰まった小鳥のキーホルダーを 堂々と渡せば良かった。
ただそれだけの事。
ただ素直に。
多分言わなくても絃さんには伝わっているはず。
たとえ会うことが出来なくても一緒だと言う思いが… …
「ちょっと…由布ちゃん、由布ちゃん!」
その声と同時に肩を揺らされびっくりして目を開けると目の前には、叔父さんの顔があった。
「由布ちゃんたら、まぁーた曲の作業中に寝ちゃってダメじゃないの!」
(そうだった。ここは私の親戚の叔父さんの経営するカフェでカウンターのいちばん端っこのお気に入りの席でコーヒーを飲みながらいつもの様に作業していたんだったっけ…)
私はすぐさま自分のカバンの中をさぐり、メイクポーチに付けている小鳥のキーホルダーを確認した。
そしてあるに決まっている’それ’を見つけ安堵した。
私は’それ’を握りしめた。
それは先日雑貨屋さんでたまたま見つけ、一目惚れして買った代物だった。
お店の人が言うには、クチバシとクチバシがくっついているペアの小鳥の絵が描いてある箱に片方だけ一つ入っていたそうだ。
もう片方はこのお店にはなく不思議に思っていたらしい。
私はつい先程まで居た世界の事、即ち私の見た夢が現実に起こっていた様に鮮明に覚えていた。
切なさやなんやら不思議な気持ちに駆られて寂しくもなっていた。
暫くボーっとしていると、
カランコロンとドアに付いているベルがなりお客さんが1人入って来た。
何気なく振り返り見るとその人のカバンにぶら下がっている代物に目を疑った。
だが私はまだ寝ぼけているのだろうと自分に呆れてしまった。
目を擦りもう一度見てみるとやはりカバンには
私の’それ’のもう一方の相方がぶら下がっている。
そしてそのカバンの持ち主の男性の顔を見てみるとあの端正かつワイルドな顔立ちの男性だった。
私は息を飲んだ。
彼は私を見ると何もかもわかっていたかの様に私に近づき…
「隣座ってもいいかな?」
さっき迄の夢で見たあの顔、あの声、あの話し方で私に声をかけて来た。
そして私が夢の中で出会った大好きな絃さんの匂いがした。
今これがまた夢だとしてもさっきまで居た世界と同じ出来事そしてその続きが待っているならば…
(夢ならもう覚めないで)と私の大事な’それ’を更にギュっと握りしめながら心の中で呟いた。
「初めまして由布ちゃん。でも僕は初めましてではないなぁ」
(え、どうなってるの⁈)夢と現実が入り混じって わけがわからずただ呆然とその男性の顔を見つめているばかりであった。
コメント
1件
うわあ…これ、夢オチじゃなくて現実も続いてく展開なの!? 最後の「初めまして由布ちゃん。でも僕は初めましてではないなぁ」で鳥肌立ったわ。ペアの小鳥キーホルダーが現実でも繋がってるの、運命感じすぎて胸がギュッてなった。ペンギンマグでお茶するシーンも可愛かったし、絃さんの「ずっと大事にするよ」ってセリフにキュンときた。続きが気になりすぎる…!