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3 - 第3話死神のゲーム

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2022年09月19日

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今日は久しぶりに親友たちと集まって遊びに出掛ける日だ。

待ち合わせ場所に着いた時はまだ誰もいなかったが、しばらく待っていると続々と仲間たちが集まってきた。

皆それぞれに挨拶を交わし合い、簡単な自己紹介をして早速ゲームを始めようとする。

しかし、その直前に私はある事に気が付いてしまった。

「あれ?」

思わず声が出てしまい、すぐに自分の口を塞ぐ。

他の人たちも私の方に視線を向けたけど、私よりも先に他のメンバーたちが口を開いた。

「あー! 君が噂の子か!」

「へぇ~、思った以上に可愛いじゃん♪」

「うん、可愛いね」

「おぉ、美少女じゃねぇか」

「えっと、あの……」

いきなり知らない人に褒められて戸惑っていると、リーダーらしき人が声を掛けてくれた。

「ほらお前たち、困ってるじゃないか!さっさと散れ!」

先生の声が響き渡ると同時に生徒達が蜘蛛の子散らすかの如く逃げ去っていきました。

「まったく……」

私はその光景を見て苦笑いを浮かべることしかできませんでした。

「大丈夫だったかい?」

「はい、ありがとうございます」

私を助けてくれた彼は私のクラスの担任である東雲勇希先生です。

顔立ちが良く背も高い為女子生徒の人気が高くファンクラブもあるとか。

「それにしても君みたいな大人しそうな子が男子達に追われているなんて珍しいね」

「えっと……それはですね……」

私は彼に事情を説明することにしました。

私が通う高校はとても自由な校風の学校で男女交際はもちろんのこと同性の恋愛だって認められています。

それ故か他の高校ではあまり見られないようなカップルが沢山いて校内の雰囲気はとても良いものでした。

しかし自由であるが故にモラルを守ることが難しくなってしまい、一部の生徒が暴走してしまいます。

例えば今みたいに人気のない場所に呼び出したりして強引に迫ったり。例えば今みたいに壁際に追い詰めたりして逃げ道を塞いだり。

例えば今みたいに腕の中に閉じ込めたりして抵抗できないようにしたり。

そんなシチュエーションだったとしても―――

「えへへ~♪」

彼女は嬉しそうに微笑みを浮かべた。

まるで僕と一緒にいられるだけで幸せだと言わんばかりに。

僕の行動に対して嫌悪感を抱くどころか喜んで受け入れているのだ。

その反応を見て僕は思った。

(あぁ……これじゃあ本当にただのゲームじゃないか)

人生はゲームなんかじゃない。

それはよく言われる言葉だけど、僕にとっての人生はその通りだと思う。

だって僕はこのゲームをクリアできないんだもの。

何度もリセットボタンを押したけど、セーブデータが消えるだけで何も変わらないし、ロードすれば同じ場面に戻るだけ。

だから結局はこの画面に戻ってきて終わってしまうのだ。

そんなの、クリアなんてできるわけがない。

それに、やり直したところでどうにかなるとも思えないしね。

まぁこんなことを考えていても仕方ないよね。

とりあえず今はこの状況を受け入れよう。

だって、きっとこれは神様がくれなかったチャンスなんだから。

それなら精一杯楽しまなくちゃ損だよ!

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