テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
阿部side
ab「な、なんで、ここに…」
fk「それは…私のセリフだけど…。まぁ、非常勤講師として来たってとこ」
ab「えっ、先生だったんですか?今日来る非常勤講師のって」
fk「そうだよ」
ab「そう、だったんですか…なんか、なんて言ったらいいか…」
fk「阿部くんは?」
ab「俺は、ここで数学教師をしていて」
fk「そうなんだ。教師になったんだね」
先生を探すためです、なんて言ったら、きっとここじゃ気まずくなるだけだし。
fk「というより…大人になったね、わら」
ab「そりゃあ、あれから10年以上経ってますから笑」
fk「えー!私からしたらいつまでも子供だよぉ」
ab「それは先生と会ってないからじゃないですか!」
懐かしい。あの時と同じだ。普通に、くだらない話をして笑い合って。先生にまた会えたこと、それが嬉しかった。
先生は、約束を覚えているだろうか。でも俺が今30歳ってことは、先生は今38歳。あれから13年経っている。今更だよ。
そんなことを呑気に考えていると、少し視線を感じた。
そこでふと我に返る。先生と再会できて舞い上がっていたが、俺が外に出た目的はこれではない。
ab「あっ、すみません。俺、少し用事あるので」
それだけ言って、正門に向かおうとした時だった。
視界に飛び込んだのは、ラウールくんに抱きしめられてる目黒くんだった。
ズキッ
えっ、何この感情。胸が痛いような、苦しいような。その理由は、今の俺には知る由もなかった。
目黒side
俺が見たことのない先生の表情を、その女性はいとも簡単に引き出した。
やっと分かった。先生が今まで見つめていた遠くの人は、この人だったんだと。
どんな人でも、運命には逆らえない。俺はきっと、先生とは結ばれない。
そんなことを思っていたら、冷たい水が頬を伝った。止めよう、止まって、なんて思っても、体は言うことを聞かない。
ru「めめ…?」
ラウールに呼ばれてふと我に返る。ここは学校の正門で、俺は登校しようと思っていたのだった。
でも、今の一瞬で、この門をくぐる勇気が消え去った。
mg「ごめん…なんでもないよ…(泣)」
ru「なんでもない奴がなくわけないじゃん?めめさ、阿部先生のこと好きでしょ」
やっぱり、ラウールは察しがいい。ラウールには一生かなわないな。
mg「ごめん…」
ru「何で謝るの?」
mg「…ラウールのことが好きだったのに、好きな人がすぐに変わるなんて…最低だから」
ru「別に、好きになることは罪でもないよ。その涙が先生のこと、本気で好きな証拠じゃん」
mg「ありがとう…ごめん…ラウール…(泣)」
その時に、ラウールは俺のことをそっと抱きしめて、背中をさすってくれた。
今はもう、ラウールに恋愛感情なんてなかった。もちろん、友達として好きだし、嫌いになることはない。
mg「俺、学校行くつもりだったのに、行きたくなくなっちゃった」
ru「好きな人が幸せそうなの見ると、苦しくなるって気持ちは分かるよ」
mg「ありがとう」
ru「ねぇさぁ、めめ。サボっちゃおう!」
mg「…は?」
ru「いいよ無理して行かなくて。一緒にさ、道草しようよ」
mg「俺は別にいいけど、ラウールは?頭いいし、内心とか…」
ru「そんなん一回休んだぐらいで変わるわけないでしょ?行こっ!」
ラウールに手を引かれ、俺たちは学校をサボることになった。
阿部side
fk「…くん…べくん…!阿部くん!」
ab「はっ!はい!」
fk「もう!話聞いてた?」
ab「ごめんなさい…聞いてませんでした」
fk「珍しい。阿部くんが人の話に集中しないの」
ab「そう…ですかね?」
fk「そうだよ?何かあった?」
ab「…いや、なんでもないです」
fk「そう。ならいいけど…」
目黒くんのことは、学校側にも内密にしていることだ。今日が初出勤の先生にこんな話は出来ない。
しかも、俺は先生に片思いをしていた生徒だ。生徒との濃密な関係は、お互いに、良くないことだと自覚していることだ。
fk「そろそろ時間だよね。行かなきゃ」
ab「あっ、先行っててください。少し用事があるので」
fk「分かった。また後でね」
そして深澤先生を見送り、俺は目黒くんを迎えに行こうと思ったが、遅かった。
その時には既に、ラウールくんが目黒くんの手を引いて、街の方へ駆け出していた。
校長「えー、今日からこの学校の非常勤講師をしていただく深澤たつの先生です」
fk「深澤です。担当教科は国語です。これからよろしくお願いします」
職員室で、深澤先生の挨拶があった。おそらく、これからクラスの方でも紹介があるだろう。
でも、俺の頭の片隅にはやはり目黒くんがいた。
あの時、ラウールくんに抱きしめられていた瞬間、そして、ラウールくんと校外へ走っていった時、心の中にモヤを感じた。
多分、目黒くんをちゃんと迎え入れることが出来なかった後悔だろう。せっかく目黒くんが勇気を出して掴み取ったチャンスを、俺は無駄にしてしまった。
こんなに気にすることなのだろうか。もっと冷静に、前向きに考えればいいのに、どうしても、さっき感じた胸の痛みが忘れられない。
…これって何?
目黒side
ru「ねぇめめ、マリカしようよ」
mg「マリカ?」
ru「ゲーセンで」
mg「いや、普通に登校してないのバレんじゃん」
ru「大丈夫。とっておきの場所があるから」
ラウールに連れられて入ったゲーセンは、かなりの老舗…いや、放置されてる店って感じで。都心部といえど、住宅地や大型商業施設もない穏やかな場所なため、人通りも多いはずの時間なのに少ない。
mg「てか、ここ入って大丈夫なの?」
ru「一応店長いるし。店長ー、マリカしていい?」
いるんだ店長。なら、このボロボロな内装をどうにかしてくれ。
と思ったが、店長はかなりの年配だった。店長は新聞を読んでいた顔を上げて、ラウールを見て、ただ頷くだけだった。
ru「めめ、一回100円」
mg「お前な…」
ru「て、言うのは嘘。店長の管理が甘くてゲーム機用の鍵がそこら辺に落ちてんの。それ拾って、ちょこっといじれば無料で何回でもできる」
mg「へー。ラウール、真面目なのによくそんなこと知ってるな」
ru「真面目イコール遊ばないで括んないでよね。こういう秘密基地みたいなの好きなんだよね〜」
そう言いながら、ラウールはゲーム機をいじって起動させた。あっという間に画面はキャラクター設定画面で、少し罪悪感はしたものの、まあこういうのもたまにはいっか、と今日は自分を大目に見た。
ru「3…2…1…ドン!」
久しぶりのマリカ。ラウールと二人で競って、甲羅当てたり、スター使ったり。本当に普通の高校生の遊びをしているみたいで凄く楽しい。
ru「うわっ!負けたぁ〜!やっぱめめは強いなぁ」
mg「こういう系は結構得意だからね」
ru「もう1回!」
mg「何度やっても無駄ってこと教えてやる」
ru「何度かやったら巻き返せるってことを証明してやる」
二人とも、そんな大口を叩きながら、お金を払うことなく、俺らはマリカを楽しんだ。
そして、お互い、勝ち負けドローで終わったとき、ふと思った。
mg「なぁ、ラウール。俺のことわ元気付けようとしてくれたんだろ?」
ru「あれ?バレてた?」
mg「なんで…」
ru「ほっとしたんだよ。めめが、ちゃんと前を向いて生きてるって思えたから。きっと阿部先生のお陰なんでしょ?なら、諦めてほしくない。いや、諦めるなんてめめらしくないよ」
mg「ラウール…」
ru「だからさ、これから猛アピールしよ!俺以外に相談できない、でしょ?」
俺は、大切なことを忘れていたのかもしれない。ラウールは、誰かの個性を否定するようなやつじゃない。誰かの”好き”を否定するようなやつじゃない。
だから、俺がするべきことはただ一つ。
mg「ラウール。ありがとう」
ru「親友だからね笑」
俺は、阿部先生のことを諦めたくない。
Episode10、ご覧頂き有難うございます!恐らく、この物語は今までの話よりも長くなると思います。ですので、まだ、「アフタースクール」にお付き合いください!
さて、もうすぐシルバーウィークですが、私にとってはシルバーウィークじゃないんです…
実は、これから大切な用事が一週間ごとぐらい、立て続けにあるんです。
まあ、10月下旬は重くはないので大丈夫なのですが、9月下旬から10月上旬までが、かなり大事な時期です。
そこで、皆さんにご報告です。投稿頻度が減ります。(今でも遅いというのに…)
心優しい皆さんに甘えて、この期間は活動を減少させて頂きます。
それでも!少しずつ、書くつもりです。ただ、この期間だけ!待っていただけたら嬉しいです。
あっ、予告しておくと、11月中旬から下旬も無理かもです。本当にごめんなさい。
必ず戻ってきます!それまで、待っていてください!
以上、ご報告でした!
コメント
4件
この物語凄い好きです!🖤💚はやっぱり最高ですね!無理しない程度でゆっくりで良いのでいつでも更新してくださいね!
登場人物が増えてきて…面白くなってきましたね!!🖤諦めないで!! いつでもお待ちしてますので、ご無理のないペースで更新いただけたら嬉しいです😊

🖤💚は〜😩 すれ違い 💚自分の気持ち気付いて お忙しいのですね。 無理しないでゆっくりで良いので お待ちしております♪ 🖤💚がちゃんとカップルになるのを期待しながら🥰
クリオネ?
71
#一般人
クリオネ?
34
あべさく正義♡
12
クリオネ?
139