テラーノベル
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2人の呼吸音と咳に馨と波久礼が目を覚ました。寝ぼけ眼を擦りながら周囲を探すけれど、4人以外誰も居なかった。
ヒュッと息を短く飲む音が喉を通る、布団から這い出て2人の側に寄った。
自分たちの呼吸音しか聞こえない部屋。
「た、す…けて」
涙を流した幽が小さく溢した瞬間に、襖がガタと音を立てて勢いよく開けられた。
「!」
すぐさま部屋を見渡して、端っこの方で固まっている紫苑達に近寄り4人全員を強く抱きしめた。
「ごめん」
「本当にごめんね、寂しかったよね…」
「大丈夫、絶対置いてかないから大丈夫」
凄く冷たく感じた手に伝わる体温は暖かくて紫苑達の恐怖ごと全てを包み込んでしまいそうだった。
細く震える手でしっかり掴み抱きしめた。
「朝ごはん作ってたんだ」
「今日は、白米と漬物…お味噌汁に」
そこまでメニューを言った四季の声に被せるように4人の腹の音が響いた。
「ふっ…食べる?」
包帯で隠された目元を緩め穏やかに笑い、背中をトントンと叩く。腕の中にいる4人は小さく頷いてくれた。
昨日も通した和室に4人を置いて、料理を取りに行こうと背を向けた。
「じゃあ、ご飯取ってくるから待っててね」
けれども、歩こうとした四季の足は急に重みが増して動かない。何事か、と足元を見ればギュウと紫苑達がしがみ付いていた。
「…ゃ、」
「一緒に…行く」
15歳、誰にも甘えられなかった少年達は甘えれる人を見つけた。我慢をしていた栓が抜けてしまえば、ただひたすらに求めてしまう。
足にしがみつき、上目遣いで甘えてくる紫苑達に愛おしさが込み上げてくる。
可愛い。
こんなにも幼く、優しく良い子でしかない子達が何故あれ程までに暴力を振られて体罰されてしまうのか理解できない。
「じゃあ…手伝ってくれるか?」
紫苑の頭に手を伸ばし撫でれば、キラキラとした目で見つめて笑ってくれた。
「おう!任せろ!!」
「勿論です!」
「喜んでさせてもらおう!ゲホッ…」
「…当たり前、だろ」
柔らかい髪に指を通しながら1人1人を撫でて行く、気持ちよさそうの安心したように目を瞑る顔は仔猫のようで本当に愛らしい。
「うん、お願い」
そう言って台所まで歩幅を合わせて歩いて行った。
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コメント
5件
足にしがみつくの想像しただけでめっちゃ尊いです! 次回も楽しみに待ってます!
足にしがみつく紫音さんとか、猫咲さんが尊い✨ 四季くんが聖女にしか見えない...
