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幼稚園の時、私は女の子に襲われた。
幼稚園の頃は茜ちゃんって呼んでたかな。
確か、父親が性暴力で捕まったんだっけ。
倉庫で無理やり押し倒されて、
「パパに体を触られる度自分が汚くなっていくような気がする」
そう言いながら私の肌に触れていく女の子の表情を今でも鮮明に覚えてる。
例えるなら、なにか、何かが足りない、空白の表情だった。
体が熱くなって、自分が何を考えてるのかも分からなくなって。
でも何故だか体が拒否したがらなくて。
唯一の光が差し込む窓についている結露が落ちていく様でさえ私を特別な感情にさせてくれていた。
梅雨の匂いも、その時の感情も、女の子の表情も、全て記憶の中に入っている。
「___ たすけて」
苦しそうに、どこか遠いところを見ているような瞳で女の子が言った。
その喉から絞り出したような言葉は私の中で脳内にこびりついている。
その日から私は、その言葉に異様に執着している。