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〜第二話〜

”マブ達との約束”


「なぁ草食動物」

「な、なんスか」

「…」

急に黙ってしまったレオナ先輩を不思議に思い。首を傾げるとグワッと目の前に大きな手が現れた。

「ぅわ!!」

突然の事でさすがの俺でもビビりギュッと目を瞑る。すると頭の上からくつくつと笑い声が聞こえた。そして俺は恐る恐る目を開く。

「…ぇ?」

「これで分かったろ」

ラギー先輩はシシシッと笑いジャックは横を向き口元を手で覆っている。多分笑ってる。レオナ先輩は俺が目を開けたことを確認すると中に浮かせていた手をポンッと俺の頭の上に人差し指だけを置いた。

「お前はちっこいし草食動物だ。下手すりゃ他のサバナクローのヤツらに喰われかねねぇな」

「え、えぇ…そんな大袈裟な」

「シシッでも監督生君、レオナさんが手を出した時、凄いビックリしてたッスよね?」

「いやあれは誰だってビビりますよ…しかもその相手がレオナ先輩ッスから余計に…」

「だから俺がわざわざお前をビビらしたんだろうが」


一瞬その言葉に固まり、長い長い時を経てレオナ先輩が言った言葉と行動の意味を探し出した。


「うーん、あー、んーーーー…」

「?どうしたんだ監督生、いきなり唸って」


ジャックが心配そうな顔で覗き込んできた。めっちゃ可愛い。モフりたい。もう好き。


「……あ、」


監督生の中のパズルのピースがカチリとハマった。要するにレオナ先輩の言葉と行動の意味が分かった。俺はレオナ先輩を見た。


「あ?なんだ」

「分かったッス!レオナ先輩は、俺を喰い殺したいんですね!」

「「「………………は??」」」


たっぷり間を開けての「は?」が出た。


「おい、なんでそうなった」

「え?だってわざわざ他のヤツに喰われかねねぇとか言って、さっきだってこう、ぐわーっ!って捕食寸前シュミレーションもしてくれたじゃないっスか。それって俺がお前を喰ってやるって言う意味じゃないんスか?」


なんだよそれ新手の告白(?)かよ。と獣人達は天を仰いだ。レオナはついでに人差し指と親指で極限まで力を抑えたデコピンを俺にした。ペちっ!といい音がして俺は「ミ゚ッ」とか細く鳴いた。


「あー!!いたーー!!」


フワリと俺の体が浮いた。


「あ、エーデュースにグリム」

「お前どこ行ってたんだゾ?!心配したんだゾ!!」


「ふなぁああ…」とフワフワな頬を俺のほっぺにスリスリしてきた。お猫様…!!


「悪いな、心配かけて」

「ホントだわ!!」

「よし、じゃあ飯食おうぜ」

「おう!」


またデュースの肩に乗せられた。いや席真後ろでクッソ近いんすけど。


「…ん?」


チラリと後ろを見る。そこにはなぜかサバナクロー寮の3人組のがついてこようとしている姿が(寮長込み)。そして1番後ろにいるジャックは申し訳なさそうな顔をしている。


「いやなんでついて来てるんですか」

「いや〜、これも何かの縁だと思ってさ〜」


ヘラヘラと笑うラギー先輩をジロっと見る。「縁もクソもねぇよ」と本音が出そうになるがグッと堪えた。エーデュースが俺の周りに光の速度で寄ってきてヒソヒソと話し出した


「お、おい、どうするよ」

「サバナクロー寮…しかも寮長込みで食事って…監督生はまだしも俺ら気まずすぎんだろ…」

「ど、どうする監督生ッ!」

「……ここは俺に任せろ」


俺は腹を括った。


「い………け…………よ」

「ん?監督生君、どうしたんスか?」

「今回はい、1年限定なんでサバナクロー寮で一緒に食事に行けるのはジャックだけですよ」

「え、」「「は?」」


ジャックがビクッと反応しそれと同時に先輩2人の視線(殺気)がジャックに集中した。


「ほ、ほら!エース!ジャックを!」

「お、おう!ほらジャック行こうぜ!」

「え、は、??」


エースに手を引かせジャックは何も分からないままズルズルと半ば引きずられるように席(後ろが怖すぎるので別の席)に移動した。


「はぁああああ…ふざけんなよお前ら…」

「ごめんジャック…まだ2人は慣れなくてさぁ…」

「…俺多分明日から1ヶ月くらいパシられたりマジフト練習でボコされるぞ…」

「そ、それまで僕達がジャックの昼食代払うよ」

「お、俺もなんか奢ってやってもいいぜ」

「こ、今度洋梨のコンポートのタルト作ってあげるから許してジャック!」

「俺様もツナ缶を分けてやるんだゾ!」


1番の被害者、ジャック・ハウルに謝罪し、昼食を皆揃って食べることにした。


「ほわ〜、今日も美味しそうだなー!」


もう一度説明するが監督生ことユウは身長(サイズ)が14cmなので、そんな体の人間が食べられる食事の量などはしっかり自身で把握していなければならない。


小皿に乗せられる欠片サイズのパンや監督生専用ミニサラダを見ていた。


「どーよ!俺とデュースの力作は!」

「すげー!!ねね!食べていい?!」

「おう!」

「いただきまーす!!」


サラダを1口食べる。シャクっとした食感がソースと共に口いっぱいに広がる。


「んー!おいしい!」

「あったりまえだろ!」

「監督生。これやる、喉詰まらないように食えよ」

「ん!じゃっくありがとー」

「口ん中の食いもん飲み込んでから喋れ」

「ふあーい」


こくんと可愛らしい音を鳴らしてパンを飲み込む。ジャックはわざわざペットボトルキャップに水を入れてくれた。縁のギザギザで口の中を怪我しないようにしないと。


「あ、ジャック。またあとで改めてモフらせてもらってもいい?」

「ん?あぁ、いいぞ」

「やった!それじゃあオンボロ寮に来てね!」

「おい!ジャックだけズルいぞ!」

「監督生、俺らも行っていいか?」

「もちろん!あ、泊まりに来てもいいよ!」

「よっしゃ!そんじゃ色々準備して行くわ!」

「なぁ、それって俺も泊まっていいのか?」

「いいよ!タルト作って待ってるね!」


そんな約束をしつつ休憩時間は終わりを告げた。



To Be Continued…

小エビサイズの監督生は皆の母でもあり子でもある

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