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広間の片隅、黒曜石の床に淡く光る紋章の中で、第三隊の四人は自然と輪になる。
少年が一歩前に出た。
「私はアゼリオン・ルシオン。剣と戦略補助が得意だ。よろしく。」
短く簡潔に言い切る声には、無駄のない落ち着きがあった。
隣に並ぶアモンティウスは柔らかい笑みを浮かべる。
「アモンティウス・カイ。戦い方は柔軟的。剣術も…多少はできる。」
その穏やかさに、少年も思わず肩の力を抜く。
「俺はアバディール・クロノス。単独行動が得意。」
冷たい瞳を向けるにアバディール、内心、少年の名前が引っかかる。
警戒を隠せず、眉が少し下がる。
ベルフェゴール・ドランも薄く笑うが、視線は鋭く、少年を観察している。
「奇襲や策略は任せろ。ただ…名前は気になるな。」
言葉は軽いが、挑発ではなく、警戒の色が滲む。
少年は軽く頷き、剣の柄に手を添える。
アモンティウスは二人を見回し喧嘩腰で言う。
「アゼリオンは強い。名前は関係ないと思うんだが。」
その一言に、空気が少しだけ張り詰める。
アバディールは淡々と答える。
「言うだけなら誰でもできる。行動で示せ。」
少年は軽く笑い、剣の柄を握る。
「行動で、な。じゃあ、まずは互いの得意を確認しておこう。」
四人は軽くうなずき、戦闘準備の構えを取る。
「俺は中枢の護衛を最優先。近接の相手なら任せろ。」
「遠距離や奇襲は私とベルフェゴールが補助する。」
「アモンティウスは…サポートと連携、だな。」
少年が視線を向けると、アモンティウスは恥ずかしそうに視線を逸らしながら言った。
「…正直、リーダーはアゼリオンでいいと思う。最終門でも一番目立ってたし。」
その言葉に、アバディールとベルフェゴールも渋々頷く。
警戒心は残るものの、少しずつ隊としての絆が芽生え始めた瞬間だった。
「最初はぎこちないかもしれないけど…」
少年の声が少し柔らかくなる。
「でも、みんなで動けば、きっと乗り越えられる。」
ベルフェゴールは肩をすくめ、警戒を隠せず薄く笑う。
「言うじゃねぇか、リーダー。でも名前の件はいつか説明しろよ。」
アバディールは口元に微かな笑みを浮かべながらも、視線は鋭いまま。
「…まあ、期待してやる。」
アモンティウスは小さく息をつき、二人に目を向ける。
「俺たち、まずは互いを知ることからだな。」
少年が頷き、剣を軽く振る。
「よし。じゃあ、初任務前のシミュレーション、始めるか。」
四人の間に、わずかに警戒と信頼が混ざる空気が漂った。
行動を通して、友情が少しずつ生まれていくーーその第一歩だった。
#嫌われから愛され