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るるくらげ
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保谷東
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「おう、やっさん。何してたんですか?」
「OB会の話を先生にしてきた」
「あーOB会」
忘れていた。確かその企画は既に動いているとのことを何となく知っていて、総務が話しているのを見たことがあったのだけれど。
「まっちゃんも資料作り?」
矢代さんに言われたまっちゃんとは誰の事だろうか、と一瞬思った。
けれど、すぐに僕の事だと気が付き「はいそうです」と返すことに。
「こやっち、飯は?いかない?」
「いいですね、行きましょう」
と言うとやっていたプレゼン資料を保存し、5人で近所にある安いと評判の定食屋に向かうことに。夜遅くまでやっていて学生にも人気の店。
あれよあれよと流されるままに店に入ると僕も日替わり定食を頼んで食べることになった。
その最中に、伊佐木君があることを僕に伝えてきた。それがOB会でやる企画を考え欲しいとのことだった。
「毎年何かやってるんですか?」
「そうだね、毎年同じやつをやってるから、それをやればいいよ。資料もあるからさ」
と僕が聞くと小山さんが答えてくれた。
「何したっけ?」
矢代さんが小山さんに聞く。
「ビンゴゲームですよ」
「ああー、そうだ思い出した。やったやった」
どうやら企画はビンゴゲームらしい。・・・今更だけれど、矢代さんは修士1年生。つまり来年も研究室にいるのだけれど、小山さんは4年生。つまり、来年の4月には卒業してしまう。
となると聞ける時に聞いておいた方がいいだろう。と自分なりに考えることに。
食べ終わるとまた研究室へ戻って資料作り。
そのついでに小山さんに色々聞くことにした。
もちろん、1日で資料作りが終わることもなく、続きは明日に。そして同じように作っていく。
だんだんと研究室に行く回数が増え、そうするとあだ名で呼ばれることも多くなってきた。
中部屋と呼ばれる場所に案内されるとそこは休憩室らしい。ゲームをしたり、寝たり。そう言うことが出来る場所で、本棚には漫画本も入っている。
その机に座ってみんながゲームをしているのを見ていると伊佐木君が声をかけてきた。
「まっちゃん、そろそろ作業着作らない?中村とも話してんだよね」
「あー」
そう、森田研究室の代名詞。作業服。ホームセンターに売っているような普通の作業服に刺繍で胸と背中に「森田研究室」と入れられているあれである。胸には自分の名前が刻まれ、これを着ているとイコールで森田研所属という感じになる。
作業服は目立つ。そりゃそうだ、学内でこういうのを着ている人なんかいない。しかも研究室全員が揃って着るし、森田先生も院生もその期のモノを着るのだから。
「・・・あれ、俺はやっさんのがいいと思うんだよね」
と伊佐木君が言う。
期によって微妙にデザインが違うのだけれど、伊佐木君はどうやら矢代さんの代の作業着がかっこいいと思うらしい。中村君も同意見とのこと。
「あーまあ確かに、そうかも」
と返事をすると
「でも、全く同じじゃあれだから、文字の字体と色は変えたいと思ってんだよね」
「なるほど」
いくつか案を見せてもらったが、伊佐木君が「これにしたい」というのが一番よく見えた。矢代さんの代の文字の色は朱色。11期生は銀色にすることに決まって、字体も変更することに。
他の11期生も見れるように中部屋の机の上に案が置かれ、それぞれ「それでいいと思う」とのことで、決定した。サイズを測って発注し、僕らはしばらく待つことになった。