「…896…897…898…」
夕飯前、日課である打ち込みをしている最中の事でした。ジリリリリというけたたましい警告音に私は動きをとめた。早く行かなければと思い、ベリアン達の元へ急ぎ向かいました。
「ベリアン!」
「主様!すみませんが、急いで馬車へお乗り下さい!」
「わかりました」
既に用意された馬車に私、ラムリ、バスティンが乗り、ベリアン、ハウレスが馬の操縦をする為前へ乗っていきました。天使が現れた村へ向かう中、私は嫌な胸騒ぎがしていました。
(嫌な予感かします……もしや、“あいつ”が…?)
「主様、つきました。お降りください」
「なんか、妙に静かじゃない?何かあったのかな…」
「わからないが、取り敢えず警戒しながら進もう。いつも通り、主様の安全が優先だぞ」
「わかった」
天使が現れた村は、普通の村より栄えており、建物等も多い為物陰から襲ってくる可能性が高い。天使は知能がないから隠れるということはしなさそうですが、発見が遅れては対応するのも遅れてしまいます。
「ハウレスさん。向こうから物音がする」
「そうだな…主様、俺達の悪魔解放をお願いします」
「わかりました__」
詠唱を唱えると、全員一斉に走り出す。普通の人なら追いつけないような速さで進んで行くと、すぐに物音の発生源を見つけた。
「なんでしょう、あれは…村人という訳ではなさそうですし…」
「というより……天使を、喰っている…?」
「え、そんなのありなの!?」
「正気の沙汰ではないように思えるが…主様、どうかしたのか?」
バタバタと暴れる天使を押さえ付け、羽を食いちぎり、腕を食い、肩を食らう。その姿は見間違うわけも無い、憎んでも憎んでも憎みきれないほどの憎悪を向ける__
「……ぜ…」
「主様!?顔色が優れないようですが、大丈夫ですか?」
「…ぜ………何故、貴様がここにいる!!」
「あぁれぇ?…あ〜!君は僕を殺した…そうそう、水雫ちゃんじゃないかぁ〜!久しぶりぃ〜!元気だったぁ?」
私の親友の仇である、鬼だった。
「黙れ!!何故、お前が生きて居るんです!?この世界に鬼はいない、ましてや私がこの手で殺したのに……!」
「そうカッカッしないでよぉ。そういえば、あの時の水雫ちゃんはかっこよかったなぁ〜!僕をぉ見つめる暑い視線は相変わらずだねぇ〜」
「私の名前を呼ばないで下さい。虫唾が走る」
「毒舌な所もぉ相変わらずだねぇ」
「くそっ……!!」
何故だか理由は知りませんが、あの鬼は私を気に入っています。上機嫌に手を振るその姿に強い殺意を覚え、刀の柄を握る力が強くなる。
「この世界で人間は食べないよぉ?そんなのよりぃ、この羽の生えた子のぉ方が美味しいし強くなれるからねぇ〜」
「あ、でもぉ…君の隣には僕が居たいから、そいつらは邪魔かなぁ……」
「ベリアン達には指1本触れさせません!」
「あはぁ、かあっこいいねぇ〜」
「皆、すみませんがこれは私の敵です。私にしか倒せません。ので、下がっていて下さい」
「……わかりました。主様を信じましょう」
「ベリアンさん!?そんな、危険すぎるのでは…!」
「ハウレスさん。主様の実力は俺達より上だ。それに主様しか倒せないと言っている」
「…そう、だな……すみません主様。冷静に欠けていました。俺達は下がっています」
「主様〜!危ないと思ったらすぐ助けますからね!」
「はい。………さあ、昔見たくすぐに殺して差し上げますよ」
辺りは月明かりと少しの街灯が照らす光のみの暗い夜。そう、鬼の時間です。まだ夜になったばかり。日の出を待つのはあまり得策ではありませんね。……天使を食らったこいつは昔より強いかもしれません。
「んー、僕は水雫ちゃんと喧嘩したいわけじゃぁないんだけどなぁ〜」
「喧嘩する程仲がいいとでも?」
「え〜違うのぉ?」
「私の親友を奪っておいて、よくもそんな巫山戯た事ほざけますね。私が何を言いたいか、何をしたいか全て分かっているくせに惚けたふりをしてこちらを掻き乱したりするのが嫌いなんですよ。元々鬼なんてものは大嫌いですけどね」
「それはぁ僕に関係ないじゃ〜ん」
「私には関係大ありですのでさっさと死んでください」
「わっ。危ないなぁ、急に攻撃してきちゃぁダメでしょ〜」
「チッ…そのままくたばれば良かったのに」
「水雫ちゃんの考えてる事なんて手に取るようにわかるよぉ。さっき自分でもぉ言ってたじゃないか」
「それでも私はお前の予想を上回りお前を殺しました。同じ手が通用するとは思っていませんが、策はまだあるんですよ」
「いいねぇいいねぇ!僕、水雫ちゃんのそういうとこだぁい好きだよぉ!」
「今度こそ、地獄に送って差し上げますよ」
はい、ここで終わりです。この先のこと考えてないし戦闘シーンなんて我に書けるわけが無い。ということで多分割愛かここで打ち切りですかね(.-.)あとは想像におまかせする的な。僕に文才か知能を分けておくれ( ◜ᵕ◝ )
【今回出てきた鬼の設定】
名前:不明
性格:掴み所がない。喜楽しかなく、その他はどうでもいい為怒る事も悲しむ事もない。気に入った相手は追い掛け回して追い詰めたい。
強さ:元下弦ノ鬼。実力は上弦に匹敵する程だが、席が埋まっていた為下弦に留まっている
鬼になった原因:不明
心を読まれていると錯覚するほど相手の動きを予測出来る。それができるのは優れた洞察力と生まれ持った頭脳のおかげ。その為、日常会話でも相手の欲しい言葉や考えを汲み取る事が出来るので無惨に結構気に入られていた。
コメント
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だからこれで文才無いって通じないよ? これであったら私はどうなんのよ!?ミジンコですか!?ノミですか!? とりあえず目の前に居るのは神ってことしか分かりませんね、拝んどこ(-人-)
最高!!! 戦闘シーン書くのムズいよね〜、ボクも苦手
続き書いて欲しいなぁ( ゚д゚)ホスィ…応援してます!