🩷「お前さ、好きならさっさと告っちゃえばいいじゃん。なんで相手の顔色窺ってんだよ」
買い物終わりに立ち寄ったカフェで、それぞれ買ったものを一通り披露したり、それについてああだこうだと話していると、浮かない顔をしていた俺に気づいた佐久間がいきなり俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でてきた。深めに被ってたニット帽が危うく脱げそうになって慌てて佐久間の腕を掴む。
💙「やめろよ」
ここは個室の店ではないし、店内にはまあまあ客がいる。 佐久間もトレードマークのピンク髪を隠してサングラスまで掛けているくせにバレたらどうすんだよ。しかも話題も話題だし。
俺は憮然として顔を逸らした。
すると、右からもふっかさんが佐久間を援護する。
💜「お前ら昔からの顔なじみなのに、いつまでそんなチンタラやってんだよ」
💙「うるさいなあ、ふっかさんには関係ないだろ」
🩷「じゃあ俺には関係ある?にゃはっ」
💙「もっとねぇよ」
🩷「ひど!!俺たちはこんなに翔太を愛してるのにぃ」
また佐久間の手が伸びてきたので俺は席を立った。
💙「帰る!!サウナにでも行って頭冷やすわ」
🩷「サウナはあったまりに行く場所じゃねぇの?(笑)」
すかさず佐久間がウザい突っ込みをして来たので、手を振って俺は強引に店を出た。出てから自分の分を支払っていないことに気づいたけど、迷惑料だから構うもんか。
背中越しにアオハルだねぇ~なんて言って笑う二人の声が聞こえてきたので逃げるように早足になった。通りでタクシーが来るのを待つ。
そもそも人を好きになっても俺は自分から行動なんか起こせない。
好きな相手の顔を見るととんでもなく意識してしまうし、日常的な会話でも緊張してしまう。そもそも、アイツが悪い。
💙「なんでアイツ俺のことずっと見てんだよ…意識しちまうだろ」
俺がアイツを好きになったのは全部ここんところのアイツのせいだ。
それまでは気にしないで「普通」でいられたんだ、それなのに…。
俺は胸のもやもやが我慢できずに、叫び出しそうになった。でもこんな街中の雑踏で大きな声を出したら注目されてしまうだろう。ネットニュースの一面を飾るのだけはごめんだ。
💙「ん?」
その時、ふと見上げた視線の向こうに、涼太と目黒を見つけた。すごく近い距離で、親密に歩く二人…。これまで二人に共通点をあまり感じなかったし、グループでいる時も特段仲良しって感じでもないのに、何処へ行くんだろう?
気になって後を付いて行くと…。
💙「ホテル街…?」
二人は、繁華街の外れの、少し大人な通りというか、まあ、カップルがそういうデートの終着地点に入るような所へと並んで入って行った。
💙「え?なんで?パニックパニック」
暫くすると死角へと消えて見えなくなったけど、この先にある場所に普通なら用なんてない筈だ。俺は顔面から血の気が引いて行くのを感じ、Uターンすると、よろよろとタクシーを捕まえて、サウナに行くのも忘れ、家に帰った。
コメント
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めめだて~?! 続き楽しみです♪
こちらも楽しみです🫶🫶🫶 午後も私の脳みそが忙しくなりそうです