第4章
温泉旅行2日目。
朝食後、じゃぱぱは「外の景色が綺麗だから」と一人で散歩に出た……はずだった。
が。
「偶然やな〜!俺も朝の空気吸いたくてさ!」(康二)
「こんなタイミングある?オレも近くにいたからさ」(佐久間)
「これは…運命ってやつかな」(ラウール)
「……偶然です(←絶対ウソ)」(目黒)
全員、偶然のふりして待ち伏せていた。
「え!? みんなも外に? ……ほんとに?」
じゃぱぱは首をかしげながらも笑った。
(なんか最近…SnowManのみんな、やたら優しい気がするな…)
その日の午後。
宿の中庭で一人、動画の編集をしていたじゃぱぱのもとに、阿部が飲み物を持ってやってきた。
「編集中? がんばってるね」
「あ、ありがとう阿部くん!気が利く〜」
「じゃぱぱくんの努力、ちゃんと見てるから」
その言葉に、じゃぱぱの指が止まる。
「……阿部くん、最近なんか、優しすぎない?」
「え?」
「みんな、なんか……俺にすごく構ってくれるけど……そういうの、前より増えた気がして」
阿部は一瞬だけ、目を伏せた。
「そっか……気づいちゃったんだね」
「……?」
「でも、それだけじゃぱぱくんが魅力的ってことだよ」
そう言って、優しく微笑む阿部の目が、まっすぐすぎて…思わずじゃぱぱは視線を逸らしてしまった。
夜。
ふとした拍子に、渡辺翔太が言った。
「じゃぱぱくんってさ、もし好きな人がいたら、どうアピールするタイプ?」
「え!? 急になに!? えー…たぶん、あんまり自分からは言えないかも…」
「そうか。じゃあ、言わせてもらうね」
「え?」
「俺、たぶん、じゃぱぱのことが好き」
その瞬間、空気が止まった。
――それを、他のメンバーが物陰から聞いていた。
「おい翔太、ズルいぞ!!!」(佐久間)
「えっ、えっ、みんな!? 隠れてたの!?」(じゃぱぱ)
岩本が前に出てくる。
「…もういい。全員、正直に気持ちぶつけよう」
「最初は顔が可愛いな〜って思ってたけど、話してたらもっと惹かれた」(康二)
「一緒に笑ってると落ち着くし、気づいたら好きになってた」(阿部)
「俺、本気で一緒にゲームチャンネルやっていきたいって思ってる。ずっと、そばにいたい」(佐久間)
「なんで好きか、理由なんてわかんない。ただ、じゃぱぱがいい」(目黒)
「じゃぱぱを笑わせたい。もっと近くで」(ラウール)
そして――
「オレが絶対、幸せにするから」(宮舘)
「ちょっと鈍感なとこも好きやけど、今日だけは気づいてほしい」(深澤)
「オレは、真剣。じゃぱぱに、ガチで恋してる」(岩本)
じゃぱぱは、ぽかんと口を開けたまま、言葉を失っていた。
「え、ちょっと待って……え、全員……?」
「嘘やろ……まじで全員?」
頭が真っ白になったじゃぱぱ。
心臓がうるさいほど鳴っている。
そしてその奥に、小さな違和感ではない“気持ち”が芽を出していた。
(もしかして、俺も……あの人のこと……)
でも、誰に?
それは、まだ自分でも分かっていなかった。
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