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今、少し分岐点に立たされている。これから寮分けがあるのだ。フランが通うイーストン魔法学校は、全寮制となっており、2人部屋が基本で、内部進学者と編入生の二人一組の部屋となっている。
(やっとあの部屋にも馴染んできたところだったのにな…ルームメイトも悪くなかったし)
と後ろ髪を引かれる思いはあったがどうせ次も馴染む、そう 自分に言い聞かせた。
寮の選抜は一人一人ユニコーンのツノを握り、魔力から思考・思想を読み取ってもらい割り振られるという形になっている。
全部で3つの寮がある。アドラ寮は勇気と信念、オルカ寮は知性と勤勉、レアン寮は才能と自尊心をそれぞれ重んじている。
私はずっとアドラ寮にいた。勇気があるのかはわからないが信念はある…気はする。
「次、フラン・ワトンソン」
「はい」
心を誰かから読まれているのは恥ずかしさを感じる。いつもは私が読む方なのだが。
((むむっ…。この学校に強い忠誠心と誇りを持っている。))
((あれ?なんか思考の声が二重になってないか?))
((おかしい。私だけ読み取っているはずなのだが…。))
((え、もしかしてこの生徒…心の中の声が読める?!?))
((待って待って何も言わずに心読まないで!?怖い怖い怖い!!!こんなこと今までなかったんですけど?!))
「強い忠誠心と思考…を持っておるな!アドラ寮!」
「ありがとうございます」
慌てたように寮分けユニコーンは叫ぶが、彼女は特に動じていない。
(心が読める同士だと心の声が二重になっちゃうのか…)
そう、フラン・ワトンソンは風の固定魔法を持っているが人の心が読めるのである。
普通は人間不信になるのでは、だって?
彼女はここで生き抜かないとならないのだからそんなことを言っていても仕方がないことは尚早に悟っている。
しかし、そんな彼女が心の底から信用できる仲間を見つけるまであと少し…。