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不良は嫌いだ。
僕は中学生時代、毎日のように大人数の不良に囲まれて金をせびられていた。
僕は弱いから警察に伝えることも出来なくて。
ただお金を出しているだけだった。抵抗しないって決めた。抵抗したら殴られるから。
ああ、ずっとこの地獄が続くんだなって思ってた。
でもある日、この現場を目撃した人が警察を呼んだ。不良達は全員警察に連れて行かれた。
彼奴らが居なくなったあと、箍が外れたように泣きじゃくった。やっと開放された、そう思った。
そんな弱っちい僕も今年で高校1年生
そして今日は入学式。学校に徒歩で向かっている最中だ
🐰「友達できるかなぁ…」
高校では不良に絡まれないようにしないとな…
呑気にそんな事を考えていると何処からか誰かが唸る声が聞こえた
…あまり関わりたくはないけど、覗いてみよう
僕は声がする方へ行き、チラッと壁から顔を覗かせた
するとそこには1人の男の胸ぐらを掴み殴りかかっている明るくて綺麗なピンク色をした髪の明らかに不良の男が立っていた
胸ぐらを掴まれている男は既に何発か頬を殴られているようだ。頬が可哀想なくらいに青くなっている
🐰「…っえ、」
…やばい。思わず声を漏らしてしまった。
ピンク髪の男が静かに振り向き、目が合う。
彼は掴んでいた男の胸ぐらを手から外し、地面に落とした
男はぅ、と痛そうな声をあげていたがそんなことは気にせずに此方にゆっくりと歩いてくる。
…目をつけられたかもしれない。
🦊「…誰にも言わないでね」
彼は僕の前に立った後、僕の目を見つめながら小さな声でそう言った。
🐰「え?ぁ、はい…」
この人が怖い僕は「はい」としか言えなかった。
否定したら何をされるか分からないから。
🦊「お前、新入生?見たことない顔」
🐰「はい…そうです」
🦊「…ぁ、今日入学式?遅刻したらやばいじゃん。早く行きな」
🐰「えっ、あ!はい、行ってきます…っ」
彼にそう言われて今の時刻がだいぶ危なくなっている事に気付く。
正直殴られると思っていたから驚いた。
いや、たまたま彼がそういう気分じゃなかったのかもしれない。
次会ったら殴られるかも、そんな事を考えながらも早足で学校に向かう
もう会いませんように…
🐰「はあ…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
入学式にはなんとか間に合い、無事に1日が終了した。僕はとぼとぼと家への道のりを歩く。
誰かに声を掛けようにも人見知りの僕には難しい。友達作りは向いてないのだ
🦊「あれっ、朝の新入生じゃん」
…最悪だ。
今一番聞きたくない声が後ろから耳に入った。
🐰「…」
🦊「帰り道一緒なの?一緒帰ろ」
🐰「え?」
🦊「え?嫌?」
🐰「あっ、いや…」
彼はふにゃっとした優しい笑顔で僕を見た。
🐰「カツアゲとか…しないんですか?」
🦊「へ?」
彼はきょとん、とした顔で此方を見つめている。
🦊「そんなことする訳ないじゃん、笑」
🐰「ぇ、だって…不良、ですよね?そういうこととか…」
🦊「ないない!そんな酷い奴じゃないよ俺!」
そう聞いて何故か少し安心した。
彼は眉尻を下げて笑っている
🐰「そうなんですか?…えーと…」
🦊「あ、俺はヨンジュンだよ。安心して、俺はそんな事しないから!」
🐰「はい…えっと、僕は…スビンです。」
全くでは無いが信じきれない。
今までそう言って信じてきた人達は
結局最後は酷いことをしたから。
僕はまだ、ヨンジュンさんが怖い。
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