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赤いゼラニウム、丸いフォルムの可愛らしい花、
姉さんが大好きだった花、優しくて、愛らしい大好きな姉だった
けれど、そんな姉はもう帰ってこない…
大粒の雨に打たれながら姉さんのお墓に赤色のゼラニウムの花束を供える、お墓を見てると後悔ばかりが溢れてきた、
姉さんの事は事故だった、けれど、あれは私の不注意で起きてしまったから、私があの時少しでも周りを見ていたら
姉さんは死ななかったかもしれない、
どんなに後悔しても、泣いても姉さんはもう帰ってこない、
私にはもう姉さんも居なければ、両親はとっくに病気で死んでしまっている、今の私には生きてる意味なんて無いのでは無いか、
段々と脳内は不穏な考えで覆われ始めたけれど
私は気にせずお気に入りの場所へ向かう、
そこは結構な高さのある丘で、季節によって異なる花を咲かせる
不思議な場所、ここは子供の時からのお気に入り、
「姉さんもここが好きだったな」ボソっと独り言をつぶやく
今はちょうど夏で丘には彼岸花が咲いていた、
私はこの花が大好きで、最後に見れたのがこれで良かった
ヒールを脱いで素足で雨で濡れた泥を踏んでいく、
最後の方は走って勢いで丘から思い切りジャンプした。
スカートが一瞬ふわりと膨らんで、今度は凄い勢いで落下し始めた、地面につくまでは以外と長いんだな、とか悠長な事を考えているそれと唯一の心残りは我が家が潰えることくらいかな、
この小国が出来てから続いた由緒ある家は私の代で終わってしまうことだけは申し訳ない、
いよいよ地面が目前まで迫ってきた、
親不孝でごめんね、そう考えたのを最後にグシャッと嫌な音を立てて私の意識は消えた。