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このお話の絵をかいてもよろしいですか?💦投稿しようと思っているのですが、かまいませんか?
つらすぎる…(´;ω;`)
涙止まらない学校前なのに🥹 辛すぎる話だ、こういう小説探してました😭 どストライクですきすぎます、BL、甘い愛、過去のトラウマ、むな_そ、ぐろ、_ねた、 すきな_ねた、すきなシチュエーション、全て内容が探し求めたものですこの小説✨
こんばんは!!えむです!!
毎日投稿2日目ッ!!((((
1日遅れですすみません😶😶
短編で失礼しますね🙇🏻♀️´-
先日行った企画にて意外と皆さんから進めて欲しい連載聞けたので、毎日投稿中に投稿していきますね!✨
限定3日間は何になるのでしょうかね…😘😘
先日仲良しなるののんのお誕生日でした(
最推しカプである水白を投げつけに来てやりましたよ✨
るののんおたおめぇん!!!!
俺からの誕プレこんなんだけど許して🥺
他にも諸々進めてます!✨
毎日投稿続けていきたいのでみんなでコメントしてえむちゃん励ましましょう((((
どうぞ!
注意
・水白
・nmmn、BL
・R16程度(えろ)
・ぐろあり
・バトエン
※この世界線は18歳で飲酒が可能です※
白視点
俺には高校から同棲している彼氏がいる
優しくて、どこか可愛らしいのに全体的に格好よくて
甘やかしてくれる、そんな彼氏
今は高3で2人とも大学受験中。
2人で同じ大学を志望し、受かる事を祈っている
明日は合否発表。
怖くて布団から出られない今
落選していたら彼氏であるいむくんと離れることになる
それがものすごく怖くて、布団の中で震えている
白)、…いむくんッ、…泣
ギィ、
いつまでも起きてこない僕に不安がよぎったのかいむくんが部屋のドアを開けてきた
水)…しょうちゃん?
水)いない、…??
白)…ぉる、…
水)あ、よかった…
水)朝ごはんできてるよ、食べれる?
白)…後でもええかな、
水)どうして?
白)……、いえへん、
こんなかっこ悪いこと言えないよ
そう思っているといむくんが近くに来た音がした
ギシッ、
水)…話なら聞くよ、
水)初兎ちゃんにだけ…悩ませたくないな、w
白)…ぃむく、ん…泣
布団からチラリと顔を出すと
水)ん、やっと可愛い顔見れた
水)おはようしょうちゃん♪
なんて言う
あまりに素直に言うからびっくりして顔が赤くなっていくのを感じた
白)ぁ、…ぁう、”…//
水)顔真っ赤だよ、w
水)そんなに泣いて…どうしたの?
白)……明日、怖くて、…
水)…あー、合否か
白)コクッ
水)僕は今大丈夫とははっきり言ってあげられないんだけど…、
水)もし離れててもちゃんと好きだよ、大丈夫。
水)気持ちは離れないから!
白)…ほんま、…?
水)うん、ほんと!
少し大きめに身振り手振りをして僕を励まそうとしてくれるいむくん
その姿が健気で可愛くて、なんか自分の考えていたことがちっぽけに思えた
白)…いむくんっ!
ぎゅぅっ、
飛びかかるようにいむくんのお腹あたりに顔を当てた
抱きつくといい匂いがした
この3年間恋していた匂い
水)…そんな気にしなくても…大丈夫だからね、w
水)ちゃんと大好きだよ、
頭を撫でてくれた
その手が優しくて、嬉しくて
いむくんの手の甲に浅く口付けをした
白)…っん、
水)…そーんな可愛いことしちゃってー!
水)いちゃいちゃしたいの?w
白)……そうって言ったらどないする?
水)…素直でかわいーじゃん、
水)いいよ、いっぱい可愛がったげる
そう言って両手を広げてこちらを見つめるいむくん
少し八の字に困り眉が見える
多分、いむくんも不安なのかな
そう思ったらなんだか、自分だけ考えててアホらしくなった
白)…ん!
ぎゅぅッ!
水)ぅわ、…くるしーよ、w
白)…離さへんから!
水)…うん、僕も…絶対離さないからね
いむくんが頬に手を当ててきた
すりっ、と撫でられては少し顔が上をむく
目を少し細めて冷たいいむくんの手を感じていると
ふに、
唇が暖かくなった
かすかに聞こえた唇の当たる水音
でもリアルに触れた感覚だけが残った
白)…ぁ、…//
水)……ここまで!
水)朝ごはん食べよ?
白)…おん、
いむくんがこれ以上しなかった理由を僕は知っている
それは僕が小さい時に性被害にあっていたから
幼少期に乗った電車内で痴漢にあい、そのあと手を引かれて公衆トイレに
ギッチギチな後孔に無理やり突っ込まれ血が出て泣き叫んだ記憶がある
そのあと家に帰っては傷物だと言われ続けた
そのせいで性交には未だに抵抗があり、ソウイウ事を3年付き合っていても行っていない
いむくんが手を出さないのは僕への優しさなのだ
白)…それどないするん?
水)…言っちゃダメだって
水)黙ってたのに…///
少し顔を赤くして口元を袖で隠すいむくん
嬉しいことにぼっこりと膨らんでしまった陰部
いむくんは僕に頼らず御手洗へ
男の僕でも興奮してくれたんだ、なんて思うと嬉しくて、
白)…、//
顔が熱くなった
受験番号をカバンから取りだし、目の前の並んだ数字を見上げる
ドクドクと騒ぐ心臓を無視しながら恐怖でクラクラする
白)…ぁっ、た…
合格番号に自分の番号を見つけた
何度も見返してあっていることを確認した
彼氏であるいむくんを走って探した
その間に雪が降ってきたがお構い無し
寒さなんて忘れていむくんを探した
水)、………
白)!いむくんッ、…?
どこか嬉しそうでもなく、途方に暮れたように立ちすくむ彼の姿
もしかして
振り返って口元にマフラーを寄せて、笑っていた
涙を隠してもいた
水)……合格してましたッ、…!泣
白)ホンマにッ、…!?
水)ほんま、ほんまだよッ、…泣
白)よかったッ、…これからも一緒やなぁッ…泣
水)ほんとによかった”、…ほんとに、”…泣
2人で泣きながら抱きついた
雪が降っていた今日
同じ大学に合格出来ました
白)あー、ほんまに良かった…
水)ほんとにねー
白)合格祝いでなんか買ってく?
水)んー、…なんでもいいけど?w
白)ならクレープ食いたいわ!俺!
水)そんなのでいいの?
白)それがええの!
いむくんは覚えてるんかなー、
初デートの時に食べたのクレープなの
白)…なーんて、(ボソッ
覚えとるわけないか
水)アイスブリュレクレープひとつ下さい
白)、…!!
白)…ぁ、あの、!
白)イチゴホイップクレープも追加で!!
お店の人に2人してとあるメニューを頼む
お金を払ったあと2人で目を合わせてふふっと笑う
初デートの時に俺がアイスブリュレクレープを頼んで、いむくんはイチゴホイップクレープを頼んでいた
互いに覚えてたんだね
水)今度はアイス口に付けないでよ?w
白)付けへんわッ!!//
昔のことまではっきり覚えといてくれとるんやな、
白)……、/
キュッ、
水)?どしたの?
白)……帰ったらちょっと甘えてもええ?
白)受かったらなんか甘えたくなってもう、て…//
目を逸らしながらそう言うといむくんがぎゅうっと抱きしめてくれた
水)うんっ、…勿論、!
どこか声が震えてる気がした
そこまで嬉しいのかな、
そうとしか思えなかった
水視点
元気よく家に帰ってきた初兎ちゃん
僕はそこまでの元気がない
いつ言うべきかずっと考えていることがある
それは
僕は同じ大学に通えないということ
昨日の深夜2時
親から電話がかかってきた
お母さんの認知症が進行し、人の家に突然乗り込んでしまったらしい
ずっとおじいちゃんの名前を叫びながら泣きながら、
「お前なんか殺してやる」
そう叫んでいたらしい
温厚な母なら絶対無い言葉。
僕のおじいちゃんは僕が産まれる前に無くなっていたが酷い浮気症だったらしい
そのせいでおばあちゃんは自害。
1人残された母が家のことをすべてやっていたらしい
週七で寝ずにアルバイトに入り、家にお金を入れ続けた
そのお金はおじいちゃんのほかの女に貢がれていたらしいが
そんな過去を持つ母が認知症になってしまったということは誰彼構わずおじいちゃんだと思ってしまうのだろう
施設に入れることにしたらしい
だが、日常的な介護は親族が行うことらしい
父はもう結構な年、介護は難しい
僕の他に家族はいない。従兄弟も叔母も誰も
だから僕は上京して別の大学に行かなくてはならない
元から初兎ちゃんの大学には受験していなかった
出来なかったが正しいが。
元から東京にある大学に受験しており、そこは合格している
そこに行くしか僕には無い
それをこんなニコニコな彼女に伝えられるのか
無理だ
胸が張り裂けそうな思いだ
水)…ッ、
白)…
白)いむくん
水)(ビクッ
白)さっきからなんかおかしいで、どないしたん?
水)…ごめん、なんでもないや
白)…嘘つき
白)そんなに俺信用ない?
水)いやッ、…そういう訳じゃないよッ、
白)…なら言ってや、隠し事されとる方が嫌やし
白)…それに、目の前で苦しんでる好きな人とか見とうないやん、w
ソファに座った初兎ちゃん。
白)…ほら、おいでや
そう言って隣をぽんぽんと叩いた
ギシ、
その言葉に甘えて弱気になって座る
白)…時間ならいくらでもあるわけやし、ゆっくりでええから
白)無理はせんでな
水)、…ありがと”、…泣
白)ほい、ティッシュ
水)ん、…”、ありがと、
ぐすぐすと泣き出してしまった
初兎ちゃんの優しさから、離れたくなくて
こんなのダサいなぁ
かっこ悪い、ほんとに
白)…そっ、かぁ…
自己嫌悪になりながら初兎ちゃんに全てを話した
初兎ちゃんは落ち着いて話を聞いてくれた
こういう姿を見る度に離れたくなくなる
僕が落ち着いた頃、ずっと考えていた事を言った
水)…初兎ちゃん
白)ん?
水)…僕たち、別れよっか
白)…ぇ、
水)遠距離だと無理させちゃうだろうし…何より初兎ちゃんに何もしてあげられない
水)そんなのが彼氏よりも…新しく作った方g
白)そんなこと言わんでやッ、…泣
白)俺は離れててもええし”ッ、…年に数回でも会えればそれでええの”ッ、泣
白)だからッ”、…!泣
白)別れるとか”ッ、…辞めてや”、…泣
ぐしゅぐしゅと僕よりも泣きながら止めてきた
水)…ごめんね、こんなこと言って
水)…ほんとごめん
白)っ”、…別れへん”、…?泣
水)もちろん
水)心配かけてごめんね
白)一緒に居てくれるんなら…なんでもええよ”ッ、…泣
白)もう離れるとか言わんでな”、…泣
水)うん、…ごめん、ごめんねッ、…泣
リビングのソファの上でまた抱きしめあって泣いた
悲しみなのか嬉しさなのか
入り交じる心のせいでよく分からなかった
でもここまで大切にしてくれていたのに僕の一方的な気持ちで
初兎ちゃんを手放そうとしたことを酷く後悔した
水)…ん、…ぁれ、
白)……
水)…ねちゃった、w
初兎ちゃんは泣き疲れたのか僕に抱きついたまま寝ていた
ふわふわとした頭を撫でていると手にすり寄ってきた
猫のような動きに可愛さを覚えた
そのまま初兎ちゃんをベットに運んで寝かせた
寝ている間に黙って唇にキスをした
きっと起きていたんだと思う
ふにゃっと笑ったその笑顔にやっぱり心打たれた
上京する前日の夜
2人でお酒を飲む
水)…っんく…
白)…ひっく”、
水)…しょうちゃん酔ったぁ?w
白)ぅぁ”、…///
顔を真っ赤にしている初兎ちゃん
ガッツリ酔ってしまっているっぽい
うるうるとしている目元のおかげでこちらは酔いが覚めた
白)っ、…いむく”、…ん、//
水)…ん、なーに
白)…やっ、ぱ…さびしぃ、…泣
ぼろぼろと大粒の涙を零しながらそういった
僕はどうにも出来なくて、頭を撫でてあげながら
水)ごめんね、
謝ることしか出来なかった
この無力感はどんなことよりも辛いと思えた
白)…っん!
椅子からガタッと立ち上がり、向かいに座っていた僕にキスをした
触れるだけの浅いキス
刹那、口を離した時に見えた涙を僕は忘れない
離れようとする初兎ちゃんの顎を掴み、そのままキスをした
深く愛を伝えるようなキス
お互いキス二不慣れで、口を離した時には糸を引いていて顔が真っ赤だった
水)…っは、…//
白)…ッ、”…//
ててて、と軽い足音で僕に近づいて優しく抱きしめてきた初兎ちゃん
顔を合わせないまま一言
白)…最後に、最後やから…
白)わがまま言ってもええ?
初兎ちゃんからこういってくることはとても少ない
普段からツンデレな初兎ちゃんからの頼み事、断る気などない
水)…僕にできることならなんでも、
白)…ありがとな、
そう言って近くのソファに押し倒された
ぼふっ、
水)…ぇ、
ぎし、
年季の入ったソファが軋む
初兎ちゃんは押し倒してキスをする訳でもなく、ただ目を見つめて
時計の音だけが響いた2分ほど
口を開いた
白)…全部、全部お酒のせいやから、
白)俺は覚えてへんから、
白)…抱いて
初兎ちゃんなりの不器用な誘い方
過去のことがあるからずっと手を出していなかった
「お酒のせい」
なんて下手な誘い文句
そんな所まで可愛らしい
初兎ちゃんは押し倒していた手を退け、ソファに顔を真っ赤にして座り込んでいた
僕はソファから立ち上がって初兎ちゃんの前に立った
手を差し出して、ひと言口からこぼしてみた
水)初兎ちゃん、今日の僕はお酒のせいね
白)、!
白)…おんっ、…!
初兎ちゃんは音を立てて手を取り歩き出した
こんなに可愛い初兎ちゃんに優しくできるか不安だった
だから、僕も今日のことはお酒のせいにしよう
このドクドクと激しい恋模様以外は、お酒のせいだ
白)…っん、…
白)…いむくんっ、
水)なーに、
白)…優しくしてな、
水)勿論♪
ぎゅうっ、と小さい体の初兎ちゃんを抱きしめ、
ベットに体を沈ませた
白)…かぁっこぃ、
白)こういう顔のいむくんっ、…初めてみるわ…
白)男の子みたい、
水)男の子だし、w
水)初兎ちゃん、
白)?
水)やめてっ、て言っていいからね
白)…ほんま優しいなぁ、
水)大好きだから…無理して欲しくないの
白)おん、わかっとるよ
水)…じゃあ、
深くキスをした
今までに無いくらい
隠してきた欲を出すように優しさなどないキス
唾液が垂れようとも気にせず口内を撫でるようにキスを続ける
次に口を離した時、妖艶に微笑んだ初兎ちゃん
水)大好きだよっ、
白)おれも、…/
早朝4時半
隣には最愛の彼女
僕は荷物をまとめて家を出ようとした
荷物は数日前からまとめていたのでトランクケースとリュックですんでいる
荷物は全部もったはずなのに、足が進まない
このマンションの玄関から出ることを体が拒否している
そのまま僕は玄関の前で泣き崩れてしまった
水)ッ”…泣
水)しょぉちゃん”っ、…すきぃ”、…ッ泣
好きな人と自ら離れなければならない。
それは僕の心を引き裂くような思いだった
重たい足取りで寝室へ向かうと何度見ても可愛らしい寝顔
涙でぐしゃぐしゃの顔でそっとキスをした
初兎ちゃんは起きなかった
起きなくてよかったんだ、離れられなくなるから
また玄関に戻って、荷物を背負った
リビングには数日分の料理の作り置き
早起きして作り続けた
水)…大好きだよ、”…泣
掠れた声でそう残した
玄関の扉が閉まり、真っ暗な世界が僕を迎える
トランクケースをガラガラと引きずりながら駅に向かう
新幹線に乗るんだ
そして遥か遠い東京へ
向かう途中で、やっぱり、やっぱりどうしても思うところがあった
初兎ちゃんと、こんな僕が付き合っていていいのか
離れてて何もしてあげられない僕なんかが、初兎ちゃんの大切な4年間を縛り付けてていいのか
そう考えた時、涙と共に回答が出た
水)…サヨナラかぁ”、…泣
初兎ちゃんには幸せになって欲しかった
この先介護しか道がない僕と一緒に居るよりも、大切な人と楽しい時間を過ごして笑っていて欲しかった
涙がこぼれるのを隠すように上を向いた
朝日が上り始めた世界
僕は朝日に照らされながらおもむろにスマホを取り出した
水)……ッ”、
水)ごめんねぇ”っ、…泣
醜くなった声でスマホに文章を打ち込んだ
水:ごめんね、やっぱり別れたい
こんなのヤり目と思われるかな
何度も考えて居ると駅に着いてしまった
新幹線が来る間も何度も文章を作り直し、何度も消した
送ることを何度も辞めようとした
新幹線に乗り込んで、発車した頃
ようやく僕は一通の文章を初兎ちゃんに送った
水:大好きだよ、ほんとにごめんね
水:別れたい
これが、初兎ちゃんの幸せになる道だと思った
アイマスクをして目を閉じた
これ以上思い出さないように、あの幸せな日々を
涙が止まらなくなるから
嗚咽が止まらなくなるから
大好きで頭がいっぱいになってしまうから
好きな人を自分から手放すしか無かった
これしか自分を許せる道が無かったことに酷く悔しさを覚えた
まだ一緒に居たかった右手を爪でガリガリと引っ掻いた
爪に肉が入って血まみれになっても辞めなかった
このメッセージを送信したのはこの右手だ
水)…しょうちゃん”、…泣
新幹線を降りた
そこは東京駅
新鮮な空気なのに心は淀んだままで
スマホを確認すると何度も初兎ちゃんから不在着信が来ていた
だが僕は何も見ないフリをした
もう、初兎ちゃんを見る権利は僕にない
そう思っていたのに
不意にポケットの中に突っ込んだスマホが震えた
取り出すと
水)…けいさ、つ…?
警察からの着信だった
内容は
初兎ちゃんの訃報だった
初兎ちゃんは僕のメッセージを見たあと直ぐに駅まで走ったらしい
今の僕にはメッセージよりも通話よりも、会って話すことが大切だと思ったから
走って走って走って
そこで
飲酒運転の車に轢き逃げされた
そのまま残る命で僕に何度も何度も通話をかけ続けた
命燃え尽きるまで、僕のために
目の前には白い紙を顔に被せられた初兎ちゃん
もう会うことは無いと思っていたのに
水)こんな、こんな形でっ”、…泣
初兎ちゃんの手を取った
あの日のような温かみは無い
氷のように冷たくなった体
必死に手を握っても暖かさが戻らない
白い紙を軽くめくるとそこには
見るも無惨に潰された初兎ちゃんがいた
顔が潰れ、原型もない
キスを交わし続けたあの唇も、優しく笑うあの顔も、声も、何もかも
全部失った初兎ちゃんだった物があった
必死に頭を撫で続ける
ふわふわと揺れる残った髪の毛を撫で続ける
必死に取り繕って笑う
最期、初兎ちゃんに伝えたかった
僕は嫌いになった訳じゃないって
むしろ愛していたんだって
でももう、
水)届かないっ”、ん”…だよなぁ”、……泣
初兎ちゃんの通話ログを見返そうとスマホを取り出した時
とあるものに気づいた
水)…ボイス、メッセージ、…?
すぐに分かった
これは初兎ちゃんの最期のメッセージだ
多分初兎ちゃんは僕のメッセージを見た時にすぐ電話をかけたんだろう
でも出ないから会いに行こうと走って、轢かれた
その時最期メッセージを撮ってくれていたみたいだ
イヤホンを接続して、メッセージを聞く
白)ごめんなぁ”、…
白)ほんま、”ほんまごめん”ッ、…
白)俺”、嫌われてもうた”っ…かなぁ”、
白)おれ”ッ、…
所々途切れながら息を保つ初兎ちゃん
きっと肺も潰れてしまっているんだ
呼吸も上手くできないはず
白)さいごっ、…”ほんまのさいご”ッ、やから”
白)わがまま”ゆるして”っ、
白)あいし”ッ、…あぃし”てるよ”っ、…
そこでブツリと切れていた
僕はもう涙が出なかった
それに、笑えなかった
初兎ちゃんの前なのに、笑えなくて
苦しくて辛くて申し訳なくて
僕はいつの間にか笑うために
口端を裂いていた
水)…わらぇたよ”ッ、…
ボタボタと血が垂れることも厭わず初兎ちゃんに近づく
否、初兎ちゃんだったものに近づいた
水)ッ”、…ごぇんね”ッ、…ほんとにぃ”っ、…泣
水)僕も”っ、…あぃしてたよ”ッ、泣
涙が出てきた
今度は止まらず溢れ出した
裂けた口で初兎ちゃんの原型のない唇にキスをした
もし過去に戻れるなら、少し前でいいから戻りたかった
初兎ちゃんには誰よりも幸せになって欲しかったのに
水)どこを”ッ、…まちがぇたか”な、…泣
どろどろになった口で笑う
涙の出なくなった目からは血が垂れていた
真っ赤な視界で揺られた
何も出来ない無力感で僕は舌を噛んだ
昨日の甘さとは違う、苦しみの味がした
#,拝啓、最愛の人よ