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『篤志様大丈夫ですか?』
先程とは変わった口調で語りながら虎珀は振り向いた。性別がないからだろうか輪郭は男だがパーツの位置は女よりだ。目は縦長瞳孔。白っぽい肌に良く似合うルビーの色の目。だが上の方に若干青みがかってる。三つ編みをまとめる金具は金色で首元にはタトゥーらしきものがちらりと見える。
「篤志…。この方は?」
「俺の神の御加護の虎珀。白虎らしい。四神のな。」
「え!?世界規模の神様じゃん!」
『四神と言っても玄武には敵いませんなのじゃ。あの方は不死身で有名ですしな。』
「と言うか…篤志気づいてない?」
「何をだ?」
「その神に神業の証があること…。」
「え!?神業の証あるのか!」
「ほら一応あるよ。でもね、神業は人化しにくいんだよ。何故なら元人だからと言われているよ。」
言われてみれば確かに手首に神業の証ぽいブレスレットを付けている。黒い紐に人の字と雷の模様。そこら辺では見ないものなので初めてみたが、雑さを感じた。
『人間は色んな言葉で我々を区別いておるのじゃな。ゼウス様や天照大御神様と私たち共が同じ位置に見られてないのは安心したわい。』
『キュキュ〜。』
『確かに私は元人間じゃ。けれども記憶無い。人間だったことは知っておるのじゃが。それ以外は思い出せんのぉ。』
そう言うとにこっと笑って手と手を反対の裾に入れそこは中国人ぽいなと思った。後ろでは気づかなかったが、下にズボンを履いていた。ボンタンみたいな…。
「というかおめでとう!」
「おめでとう!篤志くん。」
「あぁ、ありがとう…」
「でも今日お兄さん帰ってくるんだろ…」
この騒動になったらマスコミが来るはずだ。なんとしてでもそれは避けたい!
「それでは今のご感想は!?神業を受け取りどう思いますか!?」
つかまった……。まぁ正直知っていた…。だがあまりにも早すぎだろ!
『主が困ってるゆえやめて頂きたい。』
「おぉ!」
『個人情報ダダ漏れなのじゃなぁ。これ訴えたら総額いくらかのう。 』
「ひっ!」
確かにこの記者は色んな個人情報をバラまいている。今まで訴えが無かったのは未来予知の御加護だからだろう。未来予知の御加護は珍しいためチヤホヤされやすい。そのためワガママに育つ者もいる。 しかし虎珀はその上に珍しい御加護だ。そう簡単には負けないだろう。
『ただ学生が神の御加護を授かったとでも書いとくがいい。あぁ、これ以外を報道したらどうなるかわかっとるじゃろうなぁ。』
「は、はい!勿論でございます!では!」
ピューン
速…。すぐに記者は学校から出ていった。
「篤志くん。今日お家に帰ってから大変だよね?大丈夫?」
「あぁ…。だいじょばない笑。どうしよう…。」
『キューキュー』
『可愛い…。お主…なるほどあやつの部下なのじゃな。』
『キュー』
『ほう。姉が居るのか。』
なんともまぁ。可愛い会話が聞こえてくるが今の俺は現状処理で精一杯だった。これからどうすれば…。
『篤志様深く考え込まれていますけれどどうしたのですか?私にも話してください。お力になりますゆえ…。』
「うるさい…。ちょっと黙ってて。あ、」
『すみません…。』
尻尾が思いっきり足の間に丸まっている。少し可愛い…。いやそれどころじゃない謝らないと。
「いやそういうことじゃない。今、頭がこんがらがっててな?本音じゃない。」
『そうですか?』
声は悲しそうだが尻尾はハチャメチャに喜んでいる。とりあえず今日のことは家に帰ってからどうするか考えよう。黙っているか、言うか。それはその時の俺に任せるとしよう。今は全力で虎珀を可愛がる。
授業中は神を出しててもいいが授業に支障がないようにしなければならない。これが俺たちが通う学校でのルールだ。
そこで虎珀はと言うと…。俺の机の片隅で小さく猛獣の姿で丸くなって寝ていた。
(可愛すぎるだろ!これ授業に集中出来ねぇ〜!)
問題大アリだった。
『キュルルル…。』
(寝言〜!かわよい!)
次の授業からは天界で待機してもらうことにした。
(これ授業中に出してるヤツら絶対集中してない!)