どうも、俺はファインモーションのトレーナーだ。
今日はファインが彼氏を紹介してくれるそうだぞ。
学園外の恋愛の場合は、トレーナーに紹介するのが慣例となっている。
別に義務ではないが、まあ、トレーナーの確認もあった方が安全だろう。
それにしても、あのファインに彼氏かあ・・・。
く、悔しくないからね!
「トレーナー、この人が私のフィアンセだよ!」
さっそく、ファインがトレーナー室に入ってきてくれた。
彼女が連れてきた彼氏さんは見るからに好青年だった。
「こんにちは、ヴァレリー・サブリンです。
ファインとは数か月前から交際しています」
こちらにぺこりと頭を下げてきた。
うん、見るからにいい人そうじゃないか。
さすがはファイン。良い人を見つけたな・・・。
「というと、思ったか?ファイン?」
「貴様~私の彼氏が気に入らないと申すか~?」
「こらこら、ファイン、トレーナーさんに貴様って呼んじゃだめだよ」
「あっ、ごめんね、サブリン」
うん、普通に礼儀正しいぞ。
これはいよいよもって、良い人を見つけたな・・・。
「と言いたいんだけどね・・・その服装はどういうことかな?」
「僕の趣味です」
「趣味でソ連海軍の制服着てる人初めて見たよ。
ねえ、SP隊長さん、この人、大丈夫なの?」
すると、SP隊長さんは天井から顔を出して
「大丈夫です、この人は立派な武人です。一戦交えてわかりました」
「違うんだよ。戦士としてどうかじゃないんだよ。
そんな思考でよくもSP隊長になれましたね。
えっと、その・・・アイルランドって君主国でしょ・・・?
だから・・・ソビエトとかって大丈夫なのかなって・・・」
「あっ、大丈夫だ。私はもう認めている」
「国王陛下」
もはや俺の心配は取り越し苦労だったようだ。
もう色々とアイルランドの今後が心配だったが。
他の君主国家に対して、どう申し開きするつもりなんだ???
だが、俺はただの日本の一国民。こうなりゃ自棄だ!
「・・・よし!俺も男だ!思い切ってやる!
サブリン君、ファインを泣かせたらダートに埋めるからな!」
「わかりました、トレーナーさん!」
数か月後、ファインは彼氏さんと共に帰国した。
そして、アイルランドは労働者に優しい君主制国家となった。
・・・他の君主国家からは微妙な目で見られたが。
いいもん、俺、知らないもん。
それに、ファインが幸せそうだし、嬉しいもん。
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