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楪羽*yuzuriha*
111
34
𝕔𝕪_𝕣🎧_低浮上
1,411
おその★
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カフェの入口横には、建物内部に設置された長い階段がある。
そこを上っていって2階に着くとあるのが、探偵社SnowMan。
向井がそのドアを開ける。
🧡「ふっかさん、おるー?」
中は広い応接間になっていて、中央にはソファとテーブルが置かれ、右側にいくつものドアがあり、左側にはキッチンが見える。
ソファに寝転がっていた深澤が、向井の声で起き上がった。
💜「おー、康二。どうかした?」
🧡「ちょぉ、ふっかさん今寝とったやろ! 仕事中に何してん」
💜「いやあ、今日は平和だからなんか眠くなってさー。で、何?」
🧡「依頼や、依頼! カフェに来たお客さんなんやけど、話聞いてあげてーな」
💜「あー、おっけ。わざわざありがと」
🧡「ちゃんと仕事せえよ」
💜「わーってるよ」
そう言って出て行く向井を見送り、深澤はゴホンと咳払いをする。
💜「どうぞ、お座りください」
カッコつけて、イケメン風の声色でそう言うと、バシンと背後から頭を叩かれた。
💙「今更、誤魔化せねえよ」
💜「いって。なべ、いつからそこに?!」
💙「お前が寝てるから留守番してたんだろうが。もっとそっち行け」
ソファを開けろという渡辺に、深澤がソファの左側にズレると空いたスペースに座り、その様子を呆けながら見ていた女性も、促されるままにソファに座った。
💜「それで? 依頼って?」
「あ……その、物がよくなくなるんです」
💜「……ん? なくしもの?」
「なくしたというか、消えたというか……気付いたらなくなってることが多くて」
💜「例えば?」
「ボールペンとか、リップクリームとか、手帳とか、イヤホンとか……なくなってすっごい困るってほどじゃないけど、こう立て続けにあると気持ち悪いというか……」
💙「阿部ちゃんみたいじゃん」
「また、あべちゃん?」
💜「失礼。こっちの話です。それで? 俺たちに見つけてほしいってこと?」
「違います! 原因を調べてほしいんです」
💜「ちなみに、物がなくなり始めたのはいつ頃から?」
「ここ1週間くらいだと思います。調べてもらえますか?」
💜「ええ。その依頼、お受け致します。では、こちらの用紙に必要事項を書いてください」
「はい」
渡辺から書類を渡してもらい、記入をしていってもらう。それから、彼女と何言かやりとりをかわすと、彼女は探偵社を後にした。
💜「なべ、阿部ちゃん呼んできてー」
💙「りょーかい」
言われ、渡辺は入口から見て右手奥にあるドアの方へ行き、中に入った。
中には壁際に機材やらモニターやらが所狭しと置かれており、そのモニターに向かって椅子が一つ置かれている。
そこに座っている阿部に向かっていき、トントンと肩を叩いてみるが反応はない。
💙「あ、電脳空間に行ってんのか」
見れば、開かれた目は虚空を見つめ、緑色に輝いている。それはまるで宝石のよう。
💙「おーい、阿部ちゃーん……ダメか。向こうに行ってると、ホントこっちのこと何にもわかんなくなるんだから……メモしてくか」
付箋に、依頼があったから見たら出て来てと書いて、阿部の視界に入る高さのところに貼っておく。
これで気付いてくれるといいのだが。
一度、応接間の方に行き、深澤と話しながら阿部が戻るのを待つことにした。それから30分ほど経って、コントロールルームのドアが開くと阿部が出てきた。
💚「待たせちゃった?」
💜「阿部ちゃん、お疲れ。30分くらいだから平気」
ホッとしたような阿部がとたとたとソファの方にやって来ると、深澤の向かい側に座った。
💚「それで、依頼って?」
💜「依頼者は根岸由香さん、21歳。大学生。1週間ほど前から、物がなくなっていて気味が悪いから、原因を調べてほしいって」
💚「物がなくなる?」
💜「そう。全部聞いたけど、結構な数になるね」
💚「例えば?」
💜「ボールペン、ハンドタオル、リップクリーム、ハンドクリーム、ワイヤレスイヤホン、ステンレスボトル、手帳、くし―――」
💚「ちょっと待って。手帳って言った?」
💜「え? うん」
💚「マズい。ふっか、佐久間に連絡して!」
💜「ぅえっ? わ、わかった」
阿部の勢いに圧されるように慌ててスマートフォンで電話をかける。
💚「翔太。根岸さん、この後どっか行くって言ってた?」
💙「今日はバイトも休みだから家に帰るって」
🩷『ふっか? どうした?』
💜「佐久間、阿部ちゃんが……」
💚「佐久間! 今、舘様と一緒?」
🩷『え? うん、涼太もいるけど』
💚「今から言う住所にすぐ向かって! 根岸さんって依頼者、多分ストーカーされてる!」
🩷『んえ、ストーカー?!』
💚「相手は見えない可能性あるから、舘様の異能で見つけて捕まえないと、根岸さんが危ない!」
🩷『わ、わかった』
❤️『阿部、住所と顔写真送って。すぐ向かうよ』
💚「お願いね!」
通話が切れ、阿部はソファに座ったまま電脳空間に入り、阿部の目が緑色に輝いた。
何が何だか理解できていない深澤と渡辺は顔を見合わせるばかりで、数分後、阿部の目の色が元の黒に戻った事で、こちらに帰ってきたことが分かると阿部に声をかけた。
💜「阿部ちゃん、どういうこと?」
💙「ぜんっぜんわかんねーんだけど」
💚「ごめん、時間なかったから説明できてなかったね。えっと、先ずなくなってるものが、根岸さんが直接触れるものが多いなって思って。特に、口とか耳とか、手以外に使うものが多い」
💜「あー、確かに」
💚「狙って盗ってるなら、そういうのが欲しいのはストーカーくらいかなって」
💙「なるほどね」
💚「で、その中に手帳が混ざってるでしょ。今の時代で手帳を持ってるってことは、スケジュール帳として使ってる可能性が高い。つまり、それがあれば彼女がいつどこに行くのかが把握できるってこと。リストのところに書いてあるんだけど、手帳がなくなったのは昨日。だとすると、大学もバイトもない今日、狙われる可能性が高いかなって」
それを、なくなった物を聞いただけで導き出したというのだろうか。
深澤も渡辺も、特に気にならなかったから感嘆の声しか出てこない。さすがは、SnowManの頭脳だ。
💚「佐久間と舘様、間に合うといいんだけど……」
コメント
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うわ、続きがすごく気になる……! 阿部ちゃんの「手帳が入ってる」って気づいた瞬間、ゾクッとしました。依頼品のリストからストーカーを特定するところ、さすが頭脳派。各キャラの会話のテンポも良くて、一気に読めました。佐久間たちが間に合うかハラハラする……!(これで200字いっぱいです)