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夢主が王宮を去ると言い出したら
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ハイネ
「……なぜですか。貴方がここにいることで、どれだけの者が救われているか」
椅子から立ち上がり、あなたの目をしっかりと見据える。
「それでも、貴方が行くというのなら止めはしません。ただ……」
声がわずかに震える。
「私は貴方に、もっと傍にいて欲しかった。……それは、教師としてだけの想いではありません」
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カイ
「……出て行く理由を聞いても、いい?」
低い声でぽつりと問うが、答えを聞く前に目を伏せる。
「どうせ……“ここにいるべきじゃない”とか、“迷惑だから”とか……そう言う。」
拳を握りしめ、壁を見つめたまま立ち尽くす。
「……俺にとって、🌸は“いて当たり前”だった。……いなくなるなんて、考えたくない」
最後の一言だけ、絞り出すように。
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ブルーノ
「……随分と、唐突だな。」
苦々しく微笑むが、その眼鏡の奥の瞳は強く揺れている。
「貴殿の才能も存在も、王宮にとって価値がある。だが、それ以上に――」
言葉を切り、静かに近づいてくる。
「自分にとって、貴方の存在は……日々を支える“灯”だった。……失いたくは、ない」
感情を抑えても、言葉の端に滲む本音。
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レオンハルト
「……はあ!? なんだよ、急に!」
真っ赤になって声を上げる。涙目なのを隠すため、顔を背けて。
「どうせ、僕がうるさかったとか、僕が頭悪いからとか、そういう理由なんだろ!?」
夢主が首を振ると、しばらく黙ってからぽつり。
「……だったら、なんで僕に、もっと頼ってくれなかったんだよ」
泣きそうな声で絞るように。
「行くなよ……僕、お前がいなくなるなんて、やだ……」
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リヒト
「え、ちょっと……冗談でしょ? そんな顔、するわけないじゃん……」
いつも通りの笑顔は、どこか薄くて頼りない。
「本当に、行っちゃうの?」
夢主が頷くと、少しだけ目を伏せて笑う。
「……やだなあ。そんなこと言うと、俺、止めちゃうよ?」
そして、声を潜めて続ける。
「……🌸ちゃんがいない王宮なんて、俺、やだよ…」
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ヴィクトール
「……行くのか。君が、決めたのなら、私に口を挟む資格はない」
いつも通りに穏やかな口調。しかし、その声に滲むのは――諦めではなく、未練。
「……だが、どうか教えてほしい。君はここにいて、幸せではなかったのか?」
しばらくの沈黙のあと、椅子から立ち上がり、あなたに歩み寄る。
「私は、君を失いたくはない。……これは、王ではなく、一人の人間としての言葉だ」
その瞳に宿る真摯な光が、言葉以上に強く伝わる。