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私が次に目覚めたのは、3日後の昼。消毒液の匂いに包まれた病室の真ん中にあるベッドで寝ていた。3日前、緊急搬送中に、みずおちの激しい痛みと、消化不良や吐き気があり、ご飯が食べれていなかったのもあり、栄養失調で意識を失ってしまったらしい。目覚めて15分程して、目覚めた事を知らすために、ナースコールを押した。   2分程して、医師と看護師が病室に入ってきた。倒れる前に検査をしていたため、その結果も知らせに来たみたいだった。私の体調を確認した後、検査結果を言われた。

「実田響さん。あなたはステージ4の胃癌になります。」


はい? 聞き間違えかと思い、思わず聞き返してしまった。


「もう一度いいます。実田響さん。あなたはステージ4の胃癌になります。胃癌は、初期症状があまりなく、発見が遅れ、気付いた時にはステージ4に進行している場合がほとんどの患者さんに共通しています。 このステージまで来ると、我々はもう、、。 」

深刻そうな表情と声でやっと理解できた。私、胃癌なんだ、、、しかも、一番ひどいステージ4

「ですが、抗がん剤治療という化学療法で腫瘍を小さくし、小さくなった状態で摘出手術をすると、可能性があります。薬での治療を続けるようでしたら、、実田さんの命は、もって1年。進行が早くなれば半年の可能性もあります。 」

医師からそう告げられ、また理解が追いつかなくなった。癌を抗がん剤治療とかいうやつで小さくしてから手術をする。手術か、、。過去に母が心臓の病気で手術を受けたことがあるが、執刀医のミスで母は失血死してしまった。命を救われるはずが、奪われてしまった。手術をしていなかったら、あと1年は生きていただろう。私は母に手術を勧めたことを未だに後悔している。それに、手術経験のある友達から何度か聞いたことがある。手術痕が残り、半年や1年は傷口が痛むと言っていた。自分の経験を思い出すと手術を受ける気がなくなってしまった。だが、手術を受けず、薬で治療を続けると長くて1年、最悪半年の命と言われた。痛みやまだ生きることができるのに、奪われるのはごめんだ。

「私、薬で治療します。」

医師は一瞬驚いた顔をしたが、また冷静な顔に戻り、

「実田様の最期まで、全身全霊治療につかせていただきます。」

と、私にいい告げた。



嗚呼、これから1年、死と隣り合わせで生きなきゃいけないな。

亡くなってしまった母や、私が生まれる前に事故死してしまった父への恩返しとして。

私も全身全霊に生きさせていただきます。

響の余命宣告日記

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