中庭で見た光景は、どうでもいいはずだった。
鷹宮が、別の後輩と話している。
笑っている。
いつもの、あの余裕のある顔で。
(……別に)
そう思おうとした瞬間、
胸の奥が、ぎゅっと掴まれた。
(あ、これ……)
認めたくない感情。
それから相馬は、露骨に変わった。
話しかけられても無視。
視線を向けられても逸らす。
わざと他の奴とつるむ。
「一年」
呼ばれても、立ち止まらない。
「おい」
腕を掴まれて、振り払う。
「触んな」
「……わざとだろ」
低い声。
相馬は笑ってみせる。
「何が?」
「俺のこと、避けてる」
図星だった。
「自意識過剰じゃね?」
「そうか?」
鷹宮の目が、真剣になる。
「じゃあ、屋上来い」






