テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
少女の声が震えた。
少女「助けて!」
セレン 「どうしました!?」
私は、駆け出す少女の後ろを追った。足元に冷たい朝露が光る。
視界が開けると、一面に赤く染まる彼岸花の花畑が広がっていた。
血のように鮮やかな花々の間で、猫が静かに倒れている。
私はそっと猫の側にひざまずき、掌に魔力を集中させた。淡い光が指先から流れ込み、猫の身体を包む。
セレン 「これは…彼岸花をつまらせてしまったのね…」
魔力を全力で注ぐが、時間は残酷だった。
猫の体がひんやりと冷たくなり、息を引き取ったのを私は感じる。
花を丸ごと食べたことが原因だ。
セレン 「ごめんなさい…全力を尽くしたのに…」
少女の小さな肩が震える。涙が頬を伝い落ちる。
そのとき、猫の身体から淡い光がふわりと立ち上がった。
微かに、だが確かに聞こえる声――
「ニャ〜…」
柔らかく軽やかな鳴き声が、少女に感謝を告げるかのように響く。
少女は静かに泣き止み、光に手を伸ばした。
少女 「ありがとう…私の大切な家族を救おうとしてくれて…」
セレン 「いいえ…私こそごめんなさい。もっと早く来られれば…」
私は、今度こそ救えるよう、治療魔法をさらに強固にして猫に力を注ぐことを心に誓った。
花畑を包む光が揺れ、風がそっと頬を撫でる。
夜明け前の花畑に、淡い魔力と光が漂い、まるで世界が生きているかのように揺れた。
少女の瞳にも、希望と奇跡の輝きが宿っている。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
#魔女
水の魔女セレン(瑟伦)
436
#希望
#魔女
#孤独