テラーノベル
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月岡紗奈 (つきおか さな)
年齢:16歳 高1
誕生日:11月22日
趣味:多分ゲーム
好きなもの:多分ゲーム
嫌いなもの:虫、運動
花沢陽葵 (はなざわ ひまり)
年齢:16歳 高1
誕生日:7月21日
趣味:お世話
好きなもの: 好きになったもの
嫌いなもの:勉強
校門をくぐると、夏の光が校庭を照らしていた。紗奈は今日もいつも通りニコニコと教室へ向かう。表情は穏やかで、何も問題がないかのようだ。
「やぁ、紗奈!」
突如響いた声に、紗奈は軽く微笑み返す。
「陽葵…?」
陽葵は大きく手を振り、ニコニコと近づいてくる。彼は僕の幼馴染だ。
「まさか同じ高校になるなんて!すごくない?」
「うん!小学生ぶりだね!本当にびっくり!」
紗奈の声は柔らかく、表情も変わらない。でも心の中では小さな動揺が波のように広がっていた——胸の奥のざわめき、押し込めた不安、逃げ出したい気持ち。
「これから毎日一緒だね!嬉しいな〜」
陽葵は一歩も引かずに、紗奈の隣にぴったり寄る。
紗奈は軽く頷き、笑顔を崩さずに答えた。
(大丈夫…今日も何事もなくやり過ごす……)
その後ろで陽葵の声が続く。
「放課後、一緒に帰ろうよ!色々話したいし!」
紗奈は表情を変えず、柔らかく「うん」と答える。
(…でも、どうしよう。この胸のざわつき、誰にも見せられない…)
こうして、偶然の再会は始まった。 紗奈の微笑みの奥に隠された心情を、陽葵はまだ何も知らないーーそんな、ぎこちなくも温かい一日だった。
登校初日から数日。紗奈と陽葵は、自然と顔を合わせる機会が増えていた。
「今日も一緒に行こっか!」
陽葵はいつも通りの笑顔で、紗奈の隣に歩幅を合わせる。
「うん…よろしくね」
紗奈は表情を変えずに答える。周囲から見れば、普通の仲良しな高校生。でも胸の奥では、複雑な感情がくすぶっていた——嬉しい気持ちと同じくらい、不安や押し込めた衝動が渦巻く。
放課後、陽葵は元気いっぱいに話しかける。
「ねぇ、部活どうする?運動神経いいんだから、何か一緒にやろうよ!」
「え…僕は運動苦手だし…」
紗奈は笑顔で答えるが、心の中で息を詰める。
陽葵はそれに気づかず、楽しそうに提案を続ける。
「じゃあさ、帰り道に新しいカフェ行ってみようよ!知ってる?めっちゃ可愛いんだって!」
「うん…いいね」
紗奈は軽く頷く。表面上は楽しそうに見える。
学校から帰宅した紗奈くんは、玄関のドアを閉めてホッと一息ついた。
「ただいま…」
表情はいつも通り、柔らかく微笑む。でも胸の奥では、ざわつきが広がっていた。
突然、息苦しさが襲う。
胸を押さえるような感覚、吐き気、そして◯にたい衝動。
(なんで…?落ち着いてるはずなのに…)
手が小さく震え、視界が少しぼやける。
「…大丈夫…」
自分に言い聞かせる紗奈。表面上は冷静だが、心の奥では苦しみが膨らむ。
その時、スマホが震え、画面に陽葵の顔が映った。
「紗奈〜!今暇?帰ったばっかだよね?話そ!」
無邪気な笑顔の陽葵。
紗奈くんは思わず息を止め、胸のざわめきがさらに大きくなる——
画面越しに迫る明るさと、自分の胸の奥の闇。
紗奈くんはただ静かにスマホを見つめていた。
画面越しの陽葵に向かって微笑む。
「大丈夫!ちょうど暇してたところだよ〜」
表情は穏やか。心の中では少し焦っているけど、今はなんとか大丈夫—-
紗奈くんは静かにスマホを握り、陽葵との会話に臨んだ。
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